片貝孝夫の IT最前線 (Biz/Browserの普及をめざして)

Biz/Browserの黎明期からかかわって来ました。Bizを通じて日常を語ります。

シンクライアントと成果主義の共通点

2007年04月23日 | 私の正論
セキュリティーの観点から、シンクライアントが注目を浴びている。
コンピュータの歴史は、これまで一貫して、ユーザの利便性の追求だった。それが、セキュリティーを保つのが難しいからという理由で、1980年代のダム端末のような、シンクライアントに戻そうという動きがある。この考え方が行き過ぎると、企業のIT活用は、四半世紀後退するかもしれない。これはTCOが膨らむからという理由で、ムリヤリ基幹業務をWeb化して、操作性とレスポンスを犠牲にし、企業全体の生産性を落としてしまったのと似ている。
もっとうがった見方をすると、ダム端末化して、ユーザに自由にコンピュータを使うことを禁じると、一時はすっきりし、企業としての生産性も向上し、コンプライアンスも完全に守れるかも知れない。しかし、それは2,3年のことで、その後、その会社の活力は失われ、10年後には、業界で後塵を拝しているかもしれない。
目先の成果主義を導入して、長期的視野で活動している社員のやる気を失わせ、優秀な社員から退職していくような、いくつかの大企業のようなことになるかもしれない。
IT業界の人は、よくよく考える必要がある。人には素晴らしい能力がある。その能力を生かしてもらうような環境を提供するのが、IT業界で働く第一の使命であることを。便利になれば、それだけ問題も出るのは当然です。それを、利便性を損なわずに解決して前に進むのが、プロとしてのIT業界人の仕事ではないですか。
私がBiz/Browserの普及に熱心なのは、Webの時代になっても、C/S時代と遜色の無い応答速度と、操作性を約束するという、アクシスソフトのエンジニアの技術者魂に感動しているからです。
ユーザ環境は絶対に後戻りさせない!ということを、IT業界で働く人たちは「合言葉」にしたものです。