【シリア=セム】に属する【フェニキア人】は、地中海沿岸の【海上貿易】に従事して繁栄しました。フェニキア人は【前12世紀】頃から活発に地中海に出没したようです。彼らが扱った貿易品は、【エジプト】の【パピルス】・【奴隷】・【穀物】・【象牙】、【黒海北岸】地帯で取れる【穀物】、シリアのレバノン山脈で取れる良質な【レバノン杉】などです。
フェニキア人が建設した港湾都市には【シドン】・【ティルス】・【ビブロス】などがあります。海岸沿いにレバノン山脈が迫っているため、これらの都市は切り立ったがけで分けられていて、狭い土地に作られました。そのため、フェニキア人は農業では生計を立てられなかったので、危険を承知で海上貿易に乗り出していったのでしょう。【ティルス】の人々は現在の【チュニジア】(北アフリカ)という場所に【カルタゴ】という名の植民市を建設し、貿易の拠点を建設していますが、このようにフェニキア人は地中海沿岸で港が作りやすい土地に移り住むことも多かったようです。
フェニキア人が地中海各地に出向いて、それぞれの土地の人々と交渉した結果、フェニキア人が【シナイ文字】から作った【フェニキア文字】は、地中海沿岸の人々にも使用されるようになりました。このように、フェニキア文字は現在の【ギリシア文字】・【ローマ字】原型になっています。フェニキア人が古代地中海世界に与えた文化的影響は大きかったといえるでしょう。
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