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絶対王政を支える経済政策を重商主義といいます

2015年05月14日 | 高3用 授業内容をもう一度
まず、絶対王政という国家は中世のようなバラバラな状態を抜け出して、国王を中心に特権階級が政治や経済の旨味を独占している国家です。中世は諸侯がバラバラに自立し、国王といえども諸侯に対して権限を振るうことはできませんでした。つまり、諸侯の領土は独立国のような感じです。しかもローマ教皇や神聖ローマ皇帝が国王にたいして影響力を持ち、権限を行使することがしばしば起こっています。教皇が権限を行使した例としては、教皇インノケンティウス3世がイギリス王ジョンを破門した、といったことが挙げられます。
絶対王政では国王が主権者として君臨します。国内に国王にたいして歯向かうような勢力は存在しません。また教皇が国王にの政治にたいしてとやかく言うこともありません。この状態をを主権国家とも言います。つまり絶対王政は主権国家(近代国家)の段階にあると言えます。
諸侯のうち国王を支持して生き残った者を貴族といいます。貴族は国王にたいして歯向かわない代わりに、官僚として軍隊の指揮官として協力します。国王もその代償に貴族に免税特権を与え、貴族年金を支払ってそれに答えるわけです。特権階級の貴族と国王との関係は「持ちつ持たれつ」の関係はであると言えます。
大土地所有者の貴族にが税金を払わないのに国家収入はどうするのか?という疑問を解決するのが「重商主義」という絶対王政がとった経済政策です。重商主義は特権階級の一員でもある「大商人」が外国との貿易を独占して利益を上げ、その利益の一部を国に「特許料」として支払うことで国家財政を賄うという経済政策です。大商人の独占は軍事力で守るのが貴族の仕事でもあります。つまり大商人は特許料を支払って国家財政を負担する代わりに、貿易の独占権を国王に認めてもらい、商売敵からその独占権を守ってもらうわけです。ここでも国王と大商人との間に「持ちつ持たれつ」の関係があると言えるでしょう。
以上にように国王と特権階級とが「持ちつ持たれつ」の関係にありながら、特権を利用して贅沢な暮らしをしている。絶対王政とはそのような国家であるとも言えます。
したがって絶対王政には外国との貿易が不可欠です。もしこの貿易がうまくいかなくなると、国家財政が破綻してしまいます。それが革命の原因になるのです。

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