西欧近代史(3)教皇のルネサンス ミケランジェロとラファエロ
ダ=ヴィンチ同様に初期のミケランジェロも「人間中心」の絵を描いています。ダ=ヴィンチは人体実験など「解剖学的観察」を行いましたが、それはキリスト教の教えから離れていくことを意味します。しかし少し後の時代に活躍したラファエロは「美人を何人並べても、その手足の良いものを集めても美しくない。自分の中にあるイデアで描いたほうが美しい。」という言葉を残しているそうです。ダ=ヴィンチとラファエロとの間には大きな違いが存在します。目の前にある「人間」を忠実に表現しようとしたダ=ヴィンチに対して、自分の中にある「美のイデア」に忠実であろうとするラファエロとの違いです。18世紀までの西洋美術にもっとも影響を与えたのはラファエロでした。見たものに忠実に描く時代から,自分が思考の中で思い描くものを表現する時代へ。
その二人の間の時代にいたのがミケランジェロです。ミケランジェロの代表作にヴァチカン宮殿システィナ礼拝堂天井画『天地創造』(1508-12)と、同じシスティナ礼拝堂祭壇画『最後の審判』(1538-41)があります。天井画『天地創造』の人間表現は解剖学的観察によって精緻なものです。一方、30年後に描かれた祭壇画『最後の審判』の人間表現はドラマ性を強調して中央のイエス=キリストの上半身が長く下半身とのバランスに欠いています。よく見るとイエスのおなかは長すぎます。そんな感じの人が何人か描かれています。
すなわち30年前に描かれた天井画『天地創造』はルネサンス様式に分類されます。祭壇画『最後の審判』はラファエロが様式に取り入れたマニエリスム様式といいます。
天地創造
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/bb/bee65f164948909e296f36d022e45369.png)
最後の審判
ダ=ヴィンチ同様に初期のミケランジェロも「人間中心」の絵を描いています。ダ=ヴィンチは人体実験など「解剖学的観察」を行いましたが、それはキリスト教の教えから離れていくことを意味します。しかし少し後の時代に活躍したラファエロは「美人を何人並べても、その手足の良いものを集めても美しくない。自分の中にあるイデアで描いたほうが美しい。」という言葉を残しているそうです。ダ=ヴィンチとラファエロとの間には大きな違いが存在します。目の前にある「人間」を忠実に表現しようとしたダ=ヴィンチに対して、自分の中にある「美のイデア」に忠実であろうとするラファエロとの違いです。18世紀までの西洋美術にもっとも影響を与えたのはラファエロでした。見たものに忠実に描く時代から,自分が思考の中で思い描くものを表現する時代へ。
その二人の間の時代にいたのがミケランジェロです。ミケランジェロの代表作にヴァチカン宮殿システィナ礼拝堂天井画『天地創造』(1508-12)と、同じシスティナ礼拝堂祭壇画『最後の審判』(1538-41)があります。天井画『天地創造』の人間表現は解剖学的観察によって精緻なものです。一方、30年後に描かれた祭壇画『最後の審判』の人間表現はドラマ性を強調して中央のイエス=キリストの上半身が長く下半身とのバランスに欠いています。よく見るとイエスのおなかは長すぎます。そんな感じの人が何人か描かれています。
すなわち30年前に描かれた天井画『天地創造』はルネサンス様式に分類されます。祭壇画『最後の審判』はラファエロが様式に取り入れたマニエリスム様式といいます。
天地創造
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最後の審判
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