観察館日記

藤前干潟の庄内川河口部にある名古屋市野鳥観察館の日記帳です。

ノスリの春の渡り

2018-03-13 23:36:21 | 春の藤前干潟

藤前干潟
今日の干潮時間10時00分 潮位111cm
今日の満潮時間15時32分 潮位174cm

 

今日はとても暖かい日でしたね。

稲永公園では、ついにヤマザクラが開花しました。

まだ枝先のつぼみが開花したのみですが、これから次々と花開くはずです。

 

 

今日はお天気が良かったので、バードウォッチャ―の方の姿も多く見かけました。

野鳥観察館の目の前では、ミサゴが魚(恐らくボラ)を捕まえる瞬間などを観察できました。

魚を捕えた後、浮上するために精一杯羽ばたくミサゴ↓(後方はスズガモとキンクロハジロの群れ)。

※ミサゴの写真はMさんに提供いただきました。

 

先週の藤前干潟には非常に多くのユリカモメが飛来していましたが、今日はユリカモメの姿はさほど多くありませんでした。

また、シギ・チドリの大きな群れも入らず、少しさみしい干潟でした。

ただ、短時間ではありましたが、珍しいことに、タゲリ1羽が導流堤脇の干潟に飛来し、餌を食べている姿を観察できました。

今日観察できたシギ・チドリは、シロチドリ20+、タゲリ1、ハマシギ3、ダイシャクシギ5 でした。

 

一方、野鳥観察館前の水たまりには鳥たちが次々やって来てにぎやかでした。

その中には、日本で見られる鳥の中では最も小さい鳥、キクイタダキも!

水浴び中には、頭の黄色の”菊の花びら”がよく見えました。

稲永公園では、普段はマツの梢にいる小さな小さな姿しか見られませんが、今日、水たまりにやってきた姿を見て感じたことは、「やはり小さい!」ということと、落ち葉や木の幹の色に紛れて「姿が分かりにくい!」ということでした。

今冬はキクイタダキが多く渡ってきていたようで、稲永公園でも頻繁に姿を見かけましたし、名古屋市内の他の場所でも見られたという情報をよく聞きました。渡っていく前にもう何回か、このかわいい姿を見られると良いなと思っているのですが・・・。

 

この後、ジョウビタキのメスも水浴びをしにやって来ました。

さらにはウグイスも↓。チャッチャッ、チャッチャッ、と激しく鳴きながら水浴びしていきました。

 

ヤマガラは水を飲みにやって来ました。このヤマガラ、とても慎重で、あっちをキョロキョロ、こっちをキョロキョロしながら水を飲んでいました。

この他、キジバト、ハシボソガラス、シジュウカラ、メジロなどが水たまりを訪れていました。

さらには、野鳥観察館の近くではイカルの鳴き声も聞こえました。

 

 

そして、今日の最後は、一昨日の日曜日(11日)に見られた光景をご報告します。

11日は、藤前活動センターにて名古屋市が3月末に行うオーストラリア・ジロング市との湿地交流「中学生派遣事業」の事前勉強会(2回目)がありました。

事前勉強会では、派遣される中学生たちが藤前干潟の生きものなどの学習や、ジロング市での交流の中で行う「名古屋市および藤前干潟の魅力」についてのプレゼンテーションの準備をしており、野鳥観察館のスタッフも講師として参加していました。

その昼休み、外で野鳥観察をしていると・・・、上空を舞う7羽のタカの姿が。

個人的に、一度にこんなに多くのタカを藤前干潟で見たことがなかったので、最初は驚きましたが、このタカはノスリでした。

その後、暫く観察していると、さらに複数のノスリが低空でやってきて、円を描くように次々と上昇していきました。

周りでは、複数のカラスが鳴いて騒いでおり、ノスリを追うカラスもいました。

カラスに追われるノスリ↓。

ノスリ3羽↓。

ノスリ6羽↓。

一時は15羽近くのノスリが同時に視界に入りました。

どうも、このノスリたちは風にのって西から南陽工場付近までやってきて、南陽工場の煙突の周りにできる上昇気流に乗ってぐんぐんと上空へ昇って行っていたようです。

恐らくは、ノスリの春の渡りだと思われますが、藤前干潟で、こんな光景を見られたことにただただ感動しました。

渡りの季節はまだまだこれからとのこと。また、このような光景が見られるでしょうか。

 

ちなみに、このとき、南陽工場の煙突の上にはハヤブサもいました。

ノスリが通過した後には飛ぶ姿も観察できました。



明日の干潮時間10時38分 潮位 94cm
明日の満潮時間16時17分 潮位190cm

※3月21日(水)は第三水曜日ですが、祝日のため開館します。
この振替えとして第四水曜日である3月28日(水)が休館日となりますので、ご注意ください。

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