この日も朝4時に宿のマイクロバスで出発。1時間半ほどバスに揺られて中の岐林道登山口へ。この林道は民宿の所有で、民宿宿泊者でないと入れない。通常のルートで平ケ岳は11時間半ほどかかる遠い山だが、このルートを使うと7時間と急に短くなる。天皇陛下が皇太子時代に使ったため、プリンスルートとも呼ばれている。しかし、名前ほど易しくはないルートだ。
朝5時半に登山口を出発。この日の天候は昨日と打って変わって評価A。晴れて風もない登山日よりだ。沢を渡ると急登が始まる。玉子石まで、標高差800mを一気に登る。沢に雪も残っている。
徐々に高度を上げると展望もよくなってきた。最初は難なくついていったが、だんだん足が重くなる。昨日の疲れが残っているせいかな。大きな段差が多い登山道だ。こんな急な登山道は初めてだ。急登の2/3まで来たところで、遅れないようにガイドさんの直後につく。
ツアー登山の場合、メンバーを数人ずつに分け、1班、2班・・として休憩ごとに交代して歩くのが通常だ。ただし脚が遅い人やケガ人は、ガイドさんの直後について登る。ガイドさんの直後は脚の置く位置などがわかり、負担が軽減する。これを通称「ゼロ班」という。長い距離の場合は何人もゼロ班が付くこともあるが、今日は私一人がゼロ班にしてもらった。
そして長く(長いと感じた)厳しい登りを登り終えると、湿原に出た。初夏なら高山植物が咲き乱れているだろうと推測はつく。ガイドブックなどには楽園のようだ、とも書かれていたが、今日は、雲も結構あり、展望はそこそこ。平ケ岳山頂がうっすらと見える。山の字のごとく、山頂は平らな山だ。
プリンスルートの登山口では電波が届かない。YAMAPも使えないので正確な時間はわからないが、約4時間で平ケ岳山頂に到着。山頂は樹木の奥まった場所にあり展望はない。少し手前に休憩スペースがあり、そこで大休止、昼食を摂る。
そして湿原を歩く。まずは、姫の池。大きな池塘だ。
そこから玉子石。岩の上に玉子の形をした大きな石が載ってる。不思議な石だ。
そして下り、段差が大きく、昨日の雨で滑る。慎重に降りて下山。往復7時間の登山でした。登山口で、民宿の方が待っていてくれる。そして珍しい「熊汁」を頂いた。昨年取れた熊の味噌仕立てだ。臭みもなく、その汁は美味しい。私は歯が悪いため、肉は少しだけ頂く。
バスで民宿に戻り、温泉銭湯に移動し、サッパリ。上越新幹線浦佐駅そばで、チャーシューメンとケーキ・コーヒーを食する。長い長い登山道の越後駒ヶ岳、800mの急登の続く平ケ岳、百名山のため登ったが、たぶんもう来ないだろうね。