日本の論点 | |
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経営コンサルタントでお馴染み大前研一氏の著書である。以前は、ファンで、結構読んでいたが、最近はあんまり読まない、ひさしぶりに読む本である。
以前は、読む内容読む内容、そうだそうだ、なるほどと読んでいたが、今はここはちょっと、ここはいい、と結構批判的に読めるようになった。
例えば、農業問題を解決する道はただ一つ、若者が世界の農業最適値へと飛び出せという。それは結構だが、日本の若者すべてがそうするわけにもいくまい。道州制は世界のマネーを呼ぶ、そうだが、現在日本には投資しないマネーが腐るほどある。わざわざ特区で外資など呼ぶこともあるまいに。
また、政府はこの20年間、財政出動を行ってきたが、全く効果がなかったそうだ。ほんとかいな、バブルがはじけて、GDPは大きなマイナスになるはずが、ほとんどGDPの落ち込みはなかった。(もちろん成長もしなかったが)この落ち込みがないというのは、実は財政政策の成果なのだが・・・
一方、日本人は平均3500万円残して死ぬそうだ。これを何とか使わせて死ぬようにすれば、経済はアベノミクスよりずっといい対策になる。もっともだ。
大前氏の論は、ちょっと話が極端なようだ。以前読んだときはこんなこと感じなかったが、だいぶ読む力をついてきたせいか、批判的に読めるようになっている。