百年続く企業の条件 老舗は変化を恐れない (朝日新書) | |
クリエーター情報なし | |
朝日新聞出版 |
帝国データバンク発行の新書である。創業100年以上のいわゆる老舗企業を分析している。拾い読みしてみる。
老舗企業の自社を漢字1文字で表すと、最多が「信」、二番目が「誠」、三番目が「継」。一番目Hと三番目は分かるが、二番目は新撰組みたいだね。
日本で、世界で一番の老舗は、創業1400根以上の金剛組、これは知っていたが、二~四番目は温泉旅館だ。山梨県西山温泉、兵庫県城崎温泉、石川県粟津温泉の旅館だ。そして業種別では、清酒醸造・販売、呉服・服地小売、旅館・ホテルである。宮大工も多い。
老舗が多いのは、日本海側。京都(これは別格)、島根、新潟というところ、城下町北前船が盛んだったことが影響している。
老舗の財務。総資本経常利益率や自己資本比率は、一般企業と比べ変わらない。流動比率はやや高い。しか何といっても営業外損益が多い。保有株式の配当や土地建物など蓄積した資産で本業外の収益を生み出しているそうだ。営業外が良好で、本業が多少悪くともこれをカバーできる。なるほど。
最後に本書では、老舗企業は「クラッシック」ではなく「エバーグリーン(常緑樹)」に例えればよい、と締めている。診断士関係者には一度読んでもらいたい本だ。