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資格マニアの徒然草ブログ~人生は八合目からが面白い

このブログは、すでにアメーバブログに移行していますが、9月まで並行して更新していきます。今年は百名山完登が目標です。

読後感想~蛍の城、登場人物のリーダーシップスタイル

2023年03月29日 | 読書感想

 

  しばらくぶりにお城の話。芥川賞の小説「塞翁の盾」に続いて、「蛍の城」を読む。どちらも戦国末期、関ヶ原の戦い直前の大津城の籠城戦を描いたものだ。違いは、主人公の穴太衆の動きが塞翁の盾だ。京極高次のリーダーシップを描いたのが蛍の城。ストーリーと登場人物の感想は、おそらくWebに沢山書かれているだろうから、私は違った角度から。

 主人公の京極高次は、女系の家柄の良さから、尻が明るい「蛍大名」のニックネームがついている。そして部下に優しく、思いやりがある。ただ、戦は下手だった。もう一方、大津城を攻めてくる敵をバッタバッタと倒す、高次の部下の「豪傑」が何人も登場する。カラダがデカく、槍も強い、剛力だ。

 世の中にはリーダーシップ論というのがある。中小企業診断士で、「企業研修」のプロになるための学校で、リーダーシップ論の変遷を学んだ。それによると、最初は、①資質特性論、リーダーシップは、個人の人相、骨格、性格など身体的、心理的な資質で決まるという研究。腕力の強い者がリーダー、大昔は単純にこれだったんだろうね。

 次は、②リーダーシップのタイプ論。リーダーシップを仕事中心的機能と人間中心的機能に分け、どちらの要素が強いのか、4つのマトリクスで、タイプごとに決めていく研究。昔は仕事と人間両方に関心を持つのが一番いいとされた。私も管理職になりたての若い頃に、こういう風に教わった。

 そして、③状況論、リーダーシップは、リーダーとメンバーの関係、状況の変化によって変わるとする研究。リダーシップの発揮はいつも同じじゃない。最近の研究は、これより、もう一段も二段も先を行ってる。

 さて、京極高次は、②リーダーシップのタイプ論で、人間中心的機能の存在だ。結構今でもこれは人気がある。そして、豪傑は、①資質特性論の個人の骨格など身体的な特徴に優れた存在。相手より強いのは、それなりに人気はあるだろう。しかし、ただそれだけじゃ、という感じ。

 最後は、この籠城戦のため、4万の西軍立花宗茂などが関ヶが原に間に合わず、東軍の家康が勝った。一旦高野山に入った高次だが、その後、家康が功多しと評価し、幸運にも、若狭の大大名にまでなってしまう。

 この例では、リーダーシップタイプの影響もあっただろうが、籠城戦の降伏が、関ヶ原の前日か当日か、運不運で、高次の運命が決まってしまった。リーダーシップなんて、結局、何がいいか、わからないね。

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読後感想~安倍晋三回顧録、財務省って何様だ?

2023年03月20日 | 読書感想

 安倍晋三回顧録を読み終わった。各所に、ああ、あれって、こうだったんだ、という箇所が出て来る。465頁もある書籍、一番、感じたことだけを書こう。財務省だ。

 312頁あたり、デフレ下における増税、これは財務省が間違っている、安倍総理はわかっていた。しかし、財務省は、税収の増減だけを考えていて、実体経済は考えていない、自分たちが一番偉いと思ってる。

 そして、時の総理が、気に入らないとなると、増税派の議員を動員して、総理おろしに走る。従って、増税先送りは、選挙とセットでないとできなかったそうだ。そうでないと、政権は倒されていたかもしれない、と回顧録には書かれている。

 また森友の国有地売却問題、財務省は、この取引はまずいこと、知っていたはず。しかし、総理には交渉記録など届けられなかった。もしかしたら、総理の足を掬う(すくう)のではないか、と総理は疑っていたそうだ。

 この回顧録には、上記事実と総理の推定が両方入っているが、財務省って何様だ? 私は、日本で一番悪い奴だと思う。よく、コロナの補助金はどう使われたんだとか、NPO法人の金の使い方がおかしいとか、ニュースになるが、私はこれが一番悪いとは思ってはいない。配分の問題だ、悪さ加減なら二番目に悪い。お金は消えてなくならない。そのお金は、使われる、そして使われたお金は、次に廻り、世の中を豊かにしてくれる。

 一方、財務省の増税や、国債の縮減などは、世の中から、お金を消している。世の中からお金を消すと、必ず景気は悪くなる。犯罪人は別にして、世の中からお金を消し去ってる、その犯人が一番悪い、と思う。

 財務省がいる限り、日本は景気がよくなることはないと思う。お金を増やして使えるのは、日本では財務省だけ、日銀はお金を刷るだけだ。どうしようもない残念な世の中になってる。これって、自分じゃどうしようもない話。あんまりストレス感じるの止めよう。

 

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読後感想~出口治明氏「働き方」の教科書

2023年02月28日 | 読書感想

 

 出口さんの書籍が文庫本になってる。という訳で購入。税別で550円、約300頁、ちょうど読みやすいサイズだ。後半は年代別にアドバイスしている。気になった点を三つ書く。

 まず一つ目。「何歳が人生の真ん中か」、親がかりが終わって、成人した後、人生は85歳まで、この半分は30年ちょっと。ということから50歳が真ん中。

 ⇒ 私は67歳だから、陸上トラックで言うと3,4コーナーの中間地点ということか。まだまだ人生はあるな。あせる必要はない。

 二つ目は、「悔いなし、遺産なし」、そして人間の幸福は、「喜怒哀楽の総量」だという。愉しみはプラス、悲しみはマイナス、が普通だが、両方ともプラスで考えたいということ。死ぬときにこの総量で評価するという。なるほど。そして、人生にそれほどチャンスはない。チャンスは何度でも訪れるというのは、理屈の上だけの世界。現実の人生ではそれほど、チャンスは多くない。「一期一会」だという。出口さんの経験も書かれている。

 ⇒ ネットや知人の口コミ等で知った面白そうな場所、イベントは、時間がないからとすぐには排除しないほうがいい、できるだけ行ってみることだ。チャンスはそうそうないから。事実これで私は出口さんと初めてお会いした、よし、これは実行だ。

 三つ目は、自己実現、若い方は自己実現が何かがわからないという。でも出口氏は言う。「自己実現を望むなら、死ぬ間際の判断でいい」と。死ぬ間際でいい人生だったなと。年端もない若者が自己実現がわからないのは当然、自己実現は、就職情報誌やマスコミに煽られているからと。

 ⇒ う~む、そんなもんかな。私は結構自己実現してるようだが、何が自己実現かは、死ぬ間際でないと分からないもんだという。そうかもしれない。自己実現、あんまりこだわらないようにしよう。

読み終わって、いい本を読んだね。

 

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読後感想~安倍回顧録を入手その1

2023年02月25日 | 読書感想

 

 「安倍晋三回顧録」を入手した。アマゾンで買ったんだが、なかなか届かない。忘れた頃にようやく届いた。全472頁の分厚い書物だ。こんなに厚い本を手に取るのは、久しぶり。

 私、安倍さんとは都合3回お会いしている。もっとも大勢の中だから先方は当然知らない。1,2回目は選挙運動の時、活動の最終日の夜は、秋葉原駅前と決まっていた。そのときに応援に行った。日の丸が乱舞して、すげえ、と思った。3回目は、第一次内閣が終わって、浪人時代、参議院会館で、積極財政のシンポジウムがあった。積極財政の推進の演説を聴いた。

 私は、安倍さんを内政で買っていた。多くの方は外交(反中国、反韓国)で買っているんだろうが、外交は他の人でもできるだろう、内政の積極財政だけは、理解しているのは安倍さんしかない、と思っていた。(でも総理大臣になって、外交も他には人がいないと気がついてきたが)

 書籍を買って、まだ第1章を読み終えたところだ。第1章は、2020年から始まる、新型コロナの法人避難、ダイヤモンドプリンセス、進まないPCR検査、厚労省と医師会が動かない、一斉休校、中国全土の入国制限、五輪の延期、アベノマスク、10万円給付、横田滋さんの死去、検察庁法案の断念、河合夫妻の逮捕、イージスショアは頓挫、公明党との連立、持病の再発・辞任の決断 と、まだ新しい話題だ。

 最近のことだろうか、読み進めて行くと、そうか、あのときはそうだったのか、とまだ鮮明に理解できる。もったいないから、ゆっくり読み進めよう。登山やお城巡りには重すぎるし、自宅で読もう。

 そういえば、まえがきに、総理大臣とは「鋳造品」ではなく、「鍛造品だ」、と面白い表現があった。鋳造は、溶けた鉄を型に流し込めばできる。しかし、鍛造品は、たたいて、たたかれて、やっと形になる。いいえて妙だ。

 次は、読み終わったら感想を書きます。

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読後感想~橋下徹の研究を読んで

2023年01月08日 | 読書感想

 

 年末年始、寝る前に、ちょとずつ読んで読み終わった。百田さんの本は読みやすい、というか、ほとんどがああれか、という内容だった。

 私はツイッターで、百田尚樹、有本香、橋下徹3氏をいずれもフォローしている。内容はだいぶ忘れてるが、読んでいくうちにだんだん思い出してきた。

 ウクライナ戦争の時、中国にお土産とか、ナザレンコアンリー氏(この方もフォローしている)への暴言とか。二階さんの評価とか、上海電力とか、最近はおとなしくなっているようだ。

 最後の章、元教師の証言やある女性の告白などは、知らなかった、そして驚いた。そんな奴だったのか。今も平気でテレビに出ている。テレビのニュースショーは見ていないので、最近はどんな風にしゃべってるか、知らない。

 最後に書籍の帯。百田さんが、訴えないようにお願いしてる、こんな写真よく帯にしたもんだ。読み終わって、配偶者へ。今ならブックオフで、高く売れるようだ。

 

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風が強く吹いてる、ちょっとファンタジーだけどいいね+昨年の温泉ベスト12

2023年01月03日 | 読書感想

 今日は正月3日、昨日今日と箱根駅伝である。昨日の往路は駒澤大学が優勝。今日はそのまま逃げ切りか。最近、その箱根駅伝の小説を読んだ。その感想と合わせて、3日は昨年の温泉ベスト12。

 「三浦しをん」氏の小説、ボロアパートに住んでる若者達が、箱根駅伝を目指す、青春ストーリーだ。駅伝界のことを丹念に取材した後がわかる。最後はサクセスストーリーだから、安心して読める。

 読後の感想だが、この本の最後の解説にも書かれていたが、ファンタジーだ。しかも10人というギリギリの人数だ。

 実は、私も若い頃、ジョギングからマラソンをしていた。初めて皇居一周5㎞をしたときは、25分。その後、ひと月150㎞以上走って練習して、20分まで縮まった。そして、何度も脚を痛めた。最後は、フルマラソン、今もあるかどうかわからないが、河口湖日刊スポーツマラソン、3時間57分だった。完走したときは、結構感動した。その勢いで、当時、はやり始めた、トライアスロンにも挑戦した。湘南海岸で、ハワイの半分の距離だった。6時間かかかった。小さなトロフィーを貰った、今はどっかに行ってしまった。

 長距離をやってもいない者が、1年やそこらで、箱根の本選に出れるわけはない。全員怪我もなかったが、そんなはずもない。従って、これはファンタジーと割り切って読むと、面白い。

 けど、私の体験では、4時間近く走っていて、本書にあるような妄想などは考えたこともない。走るので一生懸命だった。ランナーズハイは経験した。皇居の桜田門当たり、気持ちがよくなって、永遠に走れるような感じだった。

 ボロアパートに住む住人達といえば、漫画家のトキワ荘をイメージしても設定しているようだ。後は、マラソンと駅伝ではプレッシャーは大違い。マラソンは一人の責任、駅伝は一人が全員に迷惑をかけてしまう。会社の駅伝に出たときも、そのプレッシャーは大きかったな。走ってる人は読んでみると面白いね。帯にあるように、青学の駅伝監督も推薦してるよ。

  今日も昨年の写真集から、温泉ベスト12、というほど撮ってはいないが。

 1月 埼玉 四季の湯温泉(秩父武川岳・美の山登山で寄った温泉、ホテルヘリテイジから引いてるそうだ)

 2月 愛知 湯谷温泉(長篠城登城で寄った温泉、鳳来寺がそば)

 3月 石川 粟津温泉(鳥越城登城で寄った温泉、加賀四大温泉郷の一つだ)

 4月 島根 玉造温泉(松江城・石見銀山で寄った温泉、有名な温泉で、一度は入ってみたかった)

 5月 熊本 人吉温泉(人吉城登城で寄った温泉、球磨川に沿った温泉で、この旅館も被災した)

 6月 北海道 湯の川温泉(五稜郭登城・函館山登山で寄った温泉、土方歳三も入った温泉)

 7月 北海道 トムラウシ温泉(トムラウシ山登山で寄った温泉、北海道一に選ばれたこともある温泉)

 8月 岐阜 平湯温泉(笠ヶ岳登山で寄った温泉、宿の窓から笠ヶ岳が見えた)

 9月 岐阜 平湯温泉(裏銀座・黒部五郎岳登山で寄った温泉、食事がいいので売ってる旅館だった)

 10月 秋田 田沢湖温泉(脇本城登城で寄った温泉、ほんとは乳頭温泉に入りたかったが、満員だった)

 11月 新潟 関温泉(高田城・鮫ヶ尾城登城の際、寄った国民休暇村、温泉ソムリエ発祥の地)

 12月 大分 別府温泉(大分のお城巡りで寄ったビッグな温泉、インバウンド客も多い大きな宿だった)

 

 

 

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読後感想~売り方が9割

2022年12月04日 | 読書感想

 「売り方が9割」というデジタル本を読んだ。Amazonには、「9割」というキーワードの本がいくつもある。これって、売れるキーワードなんだろうね。この本、注文しておいたが、忘れてしまっていた本だ。なぜかスマホの画面にある。あれ、いつの間にか、と思ってアイコンをクリックすると、この本が出て来た。

 そういえば、かなり以前に注文しておいたな、デジタル本だったのか、と読んでみる。内容は、マーケティングの基本のようで、有名な事例が沢山、そして簡潔に書かれている。マーケティングが専門じゃない方なら読みやすいな、と思いつつ、あっという間に読み終わった。

 私は中小企業診断士、マーケティングの科目も当然学習している、従って、あんまり実にはならなかった。ところで、これいくらだったか、覚えていない。高価なら覚えてるよね。

 ネットを検索してみると、この出版社、ダイレクト出版は、百円で販売して、これをきっかけに、かなりの強い営業をかけて来るそうで、迷惑な会社という記事が多い。

 と思っていたら、何と、ダイレクト出版の担当者から、カフェにいるときに、電話がかかってきた。書籍をダウンロードしましたよね、と。私、「え?、ダウンロード?、知らない」というと、先方、「ああ?、そうですか、たいへん失礼しました」って、電話が切れた。

 私は紙の書籍を買ったつもりだったし、書籍は買っただけで、ダウンロードしろなんて記憶はない。また、買うこと≒ダウンロードなんて知らない。という訳で、これで切れたが、この会社、気をつけないといけないな、という印象を持った。

 ちょっと考えれば、百円なら、その後の攻勢は十分考えられる、そうしないとペイしないからね。安い買い物をするときは、あとを覚悟でやってくださいね。

 

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読後感想~プレジデント11月4日号、年収が上がる資格・検定

2022年11月29日 | 読書感想

 しばらく前に買って、ツンドクくしておいた雑誌、プレジデント11月4日号、特集、年収が上がる資格・検定を 読む。表紙に出してるくらいだから、資格・検定を取って、年収をアップさせようという読者向けだ。ただ、文字の大きさは、資格・検定>独立・再就職 になってる。

 さて、内容は、最初の言行録が面白い、目次代わりだが、なかかなのアイディアだ。本文では、国家資格、年代別の資格戦略、資格の掛け合わせ、デジタル資格、趣味系の資格などが並んでいる。

 国家資格は、定番のものだ、特に新しさはない。次の年代別、こちらは私もある雑誌で書いたことのあるコーナーだ、30~60歳代の資格の戦略が書かれているが、~20代、70代~はない。ニーズはあると思うが、読者層が違うということか。具体的な資格では、何名か実例の人物が登場する。ただ、アナウンサーから社会福祉士へ、NHK副局長から日本語講師で海外へ、と、ちょっとレアな転職例を出されても、読者の参考になるかな。

 そして資格の掛け合わせ、これはよく特集するやつだ。私も何度か書いたことがある、丹念によく書けている。鉄板資格と面白資格の組み合わせで、ねこ検定や温泉ソムリエが登場する。難易度が低い資格は、ダブルで持ってもあんまり役に立たないと思うが・・

 最後は趣味の資格、ランキングトップ10で、英検やTOEIC、簿記、宅建など、これって、趣味で取るもんかねえ。ライターさんが趣味で取ったんだろうか。

 最後に、私から、資格と年収アップの関係を一言。私もいくつか資格を取って、それをもとにメシのタネにしているが、実は、資格を取るためのパワー<<独立するためのパワー だ。極端に言えば、資格を取る努力を1とすると、年収アップしてプロになるには、その10倍の努力が必要、ということ。

 ここを勘違いされないように、とアドバイスします。資格取得を取るパワーと、取った後、実務知識やノウハウ、人脈作り、マーケティング、会社運営など年収アップに必要なパワーを、プレジデント風に、文字の大きさで表すと ↓

資格・検定 << 年収アップ 

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読後感想~温泉百名山、日本百名山とはだいぶ違うね

2022年11月25日 | 読書感想

 タイトルが「温泉百名山」、類似の書籍なら深田久弥氏の「日本百名山」だ。(並べておいた)期待を持って読む。途中から気がつく、日本百名山とはだいぶ違うね。

 まず対象とする山は、両者で当然重複する、約半分だ。山の残りの半分は、あんまりメジャーな山ではない。温泉の方は、温泉の専門家であるだけに、中々の温泉が紹介されている。私の入った温泉もいくつかある。

 各ページ構成は、1/3が写真、ただし大半がモノクロ。1/3が著者の行動記録や温泉などのデータブック、残りの1/3が紀行、登山道や展望、情景、動植物、などだ。

 まず、写真、モノクロは訴えるものが半減する。深田久弥氏の場合は大昔で、モノクロはしょうがないが、こちらは新刊だ。山に温泉だから、カラー写真は欠かせない。出版社の都合でこうなったんだろう、読者に写真を見てほしいだろう著者は、ちょっと可愛そうだ。

 それにデータブックのところ、誰それと同行したとか、別れたとかが、細かに書かれている。私はそこは何でもいいんだが。もっと紀行のところを充実してほしかったな。

 最後の紀行文のところ、ここが一番読みたいところだが、映像と違って、正直、感動はあまり感じない、あってもあっさり、客観的に書かれている。残念ながら深田久弥氏とは差がある。深田久弥氏はプロの作家だ。著者には申し訳ないが、プロとアマの違いがここで出ている。

 という訳で、後半の西日本、知らない山になると、飛ばし読みになってきた。読後の感想は、「感動があまりなかった。」書籍を買って、私の期待は「感動」だ。面白い!それは大変だった!素晴らしい!、そうかこんなところがあるのか!など、ビックリマークがつくところだ。この書籍、同じ百名山、百名湯を目指す者、どうもそれがない。もしかしたら、私がいろんなモノ、読み過ぎて、もう不感症になってるからかも。

 この手の紀行は、紙の書籍はピッタリしないようだ。むしろ、SNSで軽く読むブログのように、カラー写真がふんだんにあり、データブックなら、最新の交通機関やホームページの情報などを載せたほうがより、親切だ。データは古くなると使えない。ネットなら更新可能だ。その上で、そのとき、その瞬間、感じたことを書くといい。

 しかし、まあ、温泉の専門家が書いたものだから、プロの作家と比較しちゃ、可愛そうだよね。かなりの年齢で、病気をしながらよく登り、よく入浴したものです。脱帽!

 

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読後感想~出口先生の全世界史を読む

2022年11月22日 | 読書感想

 

 出口治明先生の全世界史を読む。以前、どこかで、先生は世界史を書きたいんだ、と言っていたことを思い出す。そうか、これか。全部で900頁にもなるが、角川の世界史よりずっと面白い。出口先生独特の考察が入っているからだ。

 この全世界史は、人類5千年間の歴史で、1千年区切りになっている。そして、まんべんなく書かれている。どの歴史本でも、近代は詳しく書かれているが、古代や中世はあんまり詳しくはない。従って、この時代は知らなかたことも多い。しかし、人類は、戦争ばっかりして、変わらないねえ。

 ところで、出口先生、出口さんは、(以前もこのブログで書いたが)5年前に直接お会いしたことがある。インターネットの保険会社を立ち上げ、後進に後を譲った後、しばらくフリーでいたが、確か、立命館アジア太平洋大学の学長として望まれて行った。このフリーの時代である。

 出口さんは、ある本を書いた後、何人かが集まって声をかけてくれたら、どこにでも出掛けていきますと、宣言されていたようだ。おそらく人脈を増やす意味だったんだろう。

 そして、診断士の仲間が、実際に、このイベントを開催したら、ほんとに来てくれた。日比谷の図書館だったと思う。5年前の話だ。今から考えると、実に貴重な体験をさせてもらったものだ。(写真は当時のもの)

 

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読後感想~70代からの元気力、元気貰ったよ

2022年11月04日 | 読書感想

 

 精神科医、和田秀樹さんの「70代からの元気力」を読む、この方、80代の本も書いているようだが、とりあえず70代から。文庫本で、電車の中で読むためだったから、登山のザックに入れておいた。つまり、9月から私と一緒に登った本だ。

 私ももう67歳、70歳台が近づいている。ここのところの目標は、五百資格、百名山、百名城などがあるがいずれも60代台の目標だ。70歳までには達成するか、体力的にもう辞めるかになる。従って70代の目標は今のところ、ない。まだまだ人生長い、どうしたもんか、と手に取った本である。

 結論は、「肉と光を意識する」こと。年を取ってくると肉の消費が少なくなる、意識して肉を食べよう。外食も多く。もう一つの光とは、外出だ。散歩でもいいし、社交でもいい。意識して外に出ること。

 このような生活が、セロトニンと男性ホルモンを増やし、若々しくいられるそうだ。年を取ると、男性は男性ホルモンの分泌が少なくなるが、逆に女性は増加する。男性は元気がなくなり、女性は元気になる。

 登山や水泳をしてて思うが、高齢になるほど女性は元気だ。登山ツアーなどは8割方女性だ。そして、元気。この違いはセロトニン・男性ホルモンの分泌にあるのか。

 そして、自分はもう年だから、これはもう止めた、と思わない。体がきつくてもうできないと思った止める、それまでは、年だからという理由だけじゃ、止めないこと。朝起きて、一日ぶらぶらと何もしないのが一番いけない、意欲の低下が老化を加速する。毎日感動を持って、生活する。

 朝の散歩から始まる運動や、社交、外食、旅行、軽登山、寺社巡り、資格取得、美術館巡り、楽器の演奏、ブログ記事の執筆と、まだまだ多彩な活動ができる。楽しい70代にしていきたいものだ。

 

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読後感想~家康、江戸を建てる、土木技術者の物語だった

2022年10月26日 | 読書感想

 

 知人の紹介で読む。この小説、実は家康が主人公ではない。小説は五話からなり、利根川の流れを変えた、精巧な金貨を作った、江戸に水道を敷いた、江戸城の鏡石を作った、天守閣を作った、いずれも当時の職人、技術者が主人公だ。もちろん大御所家康、殿様である秀忠も要所要所に登場する。

 私は、学生時代、土木工学を学んだ。卒業研究は、アーチ橋・合成桁橋の設計だった。河川では、河川工学。実験室には、川の蛇行の実験施設があった。石垣は、河川堤防で、石積をちょこっと学習したくらい。天守閣は、建築の分野、畑違いだ。

 そして、水道。水理学という工学だ。もちろん実験施設もあった。今でも資格試験で出題される「管網計算を」学習した。一本の水道管は、上流から下流に流れは簡単だが、複数になると途端に計算が難しくなる。どっちからどっちへ流れるか、簡単にはわからないのだ。でも社会人になって、いやというほどガス管の管網計算やガス工事をやった。水道とガスは歩道上、だいたいお隣に敷かれる。

 話はちょっと反れるが、水道管に穴が空いていると、水が勢いよく噴き出し、隣のガス管に当たる。ガス管の周りは砂を入れるから、その砂がやすりになり、ガス管に穴を空ける。現場も見たが、まんまるの孔だ。従って、水道がガス管の中に流れて来る。そして運が悪ければ、ガスの供給支障となる。

 この復旧、かなり大変だ。一昼夜もかかる。私の現役時代は、ときどきあったが、今はどうだろうか。だいぶ整備も進んで少なくはなっているはずだが。ガスの供給支障、いまでも資格試験の論述試験で、「ガスの供給支障の原因と対策を述べよ」、という問題が出される。

 話は戻って、この小説は、江戸は、家康が夢を見た新しい都市なんだろう。そしてこの都市を作るのに命を賭けた職人たち、土木技術者たちの物語である。特に、これから土木を目指す方々、読んでみてね。

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読後感想~日本って素晴らしいね、万葉集

2022年10月08日 | 読書感想

 

 7月に、奈良・宇陀松山城を訪問したときに、柿本人麻呂(ひんがしののにかぎろいの・・)が出て来た。

 また先日登った筑波山は、幾つも万葉集に歌われている、筑波山の源流に男女川(おなのがわ)があり、恋の歌が歌われている。なら、その有名な、万葉集とやらを読んでみようか、と買った本である。

 万葉集は全二十巻、四千五百首が収納されている。もちろん原書などは読めないから、有名な百四十首が入っている、万葉集の入門書だ。

 多いのは相聞(れんあい)と挽歌(死を悼む歌)だ。相聞も挽歌も、聞いたことはあるが意味は解らなかった。「狼の挽歌」なんてあったね。

 あかねさす紫野行き標野行き(額田大王)・・ 春過ぎて夏来たるらし(持統天皇)・・ 東の野にかぎろひの(柿本人麻呂)・・ 田子ノ浦ゆうち出でて(山部赤人)・・ あおによし奈良の都は(小野老)・・ 防人に行くは誰か(防人の妻)・・ など思い浮かぶ。ほかに、梅花の宴の一部から「令和」ができたのは有名だ。

 解説に書かれているが、万葉集は、年代別では、第1期は、新羅出兵、白村江の戦、近江遷都、壬申の乱の時代、読み手は天智天皇、額田の大王など。第2期は、柿本人麻呂の時代、天武・持統天皇の奈良遷都まで、安定した時代だ。

 第3期は、山部赤人・山上憶良の時代、九州大宰府の歌も多い。最後の第4期は、大伴家持、大仏開眼だ。こういえば、多少時代との関連がわかる。

 読み人は、天皇から一般庶民まで、女性も多い。この時代、女性が歌を詠むなんて、世界史的に見ても、信じられないことだそうだ。そして人の死と恋愛のテーマが多い。これって、素晴しいじゃないか、日本。

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読後感想~途中で諦めた、梟の城

2022年10月06日 | 読書感想

 

 司馬遼太郎「梟の城」を読み始めた。文庫本六百頁の厚い本だ。伊賀の忍者が主人公で、秀吉を殺そうと画策する、しかし・・と、ここまでで読むのを止めてしまった。

 秀吉は殺されない(もちろん、日本史では殺されてはいない)、それと忍者が行動が分かりにくく、ストーリーを追かけるのに疲れる。くのいち忍者も登場する。どうも歴史小説って感じじゃない。お城も私の読んでるところまでは出てこない。聚楽第の一部が出てきたくらい。そして、主人公は歴史上の人物でもなさそうだ、とう訳で、つまらないのだ。

 お城巡りが好きで、タイトルを見て「城」がついてるから、どこかの城が中心になるかも、と思ったが、そんな気配もない。

 そしてとうとう、本の半ば、三百頁ほど読んだところで、ギブ・アップ。読むのを止めてしまった。私は途中で読書を投げ出すことはめったにない。もちろん司馬遼太郎さんの本は、全て完読している、しかし今回はもういいや。

 直木賞受賞作という、昭和30年代の発行された小説で、司馬遼太郎さんの初期のものだ。でも、面白くないものは面白くない。どなたか面白かったなら、どこが面白かったか、教えてくださいな。

 しばらくは司馬遼太郎さん、お休みする。今日のブログ、読者にとっては、収穫のない記事です。すいませんね。

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読後感想~黒牢城

2022年09月30日 | 読書感想

 

 直木賞受賞作品の「黒牢城」(こくろうじょう)を読む。お城が出てくるミステリーだ。いつものようにネタバレしないよう、あらすじはちょとだけ。

 戦国時代、織田信長の配下、荒木村重が信長に反旗を翻した。丹波は明智光秀が戦っている最中のため、中国地方に遠征していた秀吉は毛利との間で、孤立してしまう。村重の本拠は有岡城。今の伊丹市あたりに籠城する。

 この城の中で殺人が何件か件起きる、その原因が謎だ。これを主人公荒木村重と、牢屋に入っている黒田官兵衛が解き明かしていくという、戦国時代のミステリー小説だ。

 感想を三つほど。一点目は、史実はどうなんだろう。有岡城に籠城したのは史実で、登場人物も史実らしいが、登場人物の行動はさ作者の創造だろうか、史実と小説の境がよくわからない。

 二つ目は、時は戦国時代、その槍、刀、などでの殺され方や、首実検など、かなり残酷な内容が出て来る。敵将の首は、首実検の際に、化粧をするが、これは女性の仕事。今なら気持ち悪くてとてもできないが、当時は普通だったようだ、はあ。

 もう一つ、黒田官兵衛は、解決のヒントを出すが、牢屋に繋がれている割に、よくこれだけ想像できるもんだと思う。黒田官兵衛の天才ぶりを、ポアロや金田一耕助に例えているんだろうが、ちょっと出来過ぎだ。

 最後に、この有岡城、石垣の一部が今も残っているようで、JR伊丹駅そばに公園になっているそうだ。百名城でもなく続・百名城でもないが、歴史の舞台、一度訪問してみたいな。

 

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