サン・ルイージ・デイ・フランチェージ教会の午後からの開館(14:30)にはまだ時間があるので、パラッツォ・アルテンプス(ローマ国立博物館)を見学することにした。
このパラッツォは元々教皇シクトゥス4世の甥であるイーモラ&フォルリ領主ジローラモ・リアーリオがカテリーナ・スフォルツァとの結婚(1477年)にあわせ、メロッツォ・ダ・フォルリの設計で建てたものである(1480年完成)。
メロッツォ・ダ・フォルリと言えばヴァチカンに有名なフレスコ画があるが...
(左から2人目がジローラモ・リアーリオ)
メロッツォ・ダ・フォルリ《シクトゥス4世によるプラティーナのヴァチカン図書館長任命》(1477年頃)ヴァチカン博物館
メロッツォ・ダ・フォルリ派によるメインフロアのロッジアのフレスコ画装飾は美しく見事だった。
1511年にはソデリーニ枢機卿により購入され、アントニオ・サンガッロ(父)やバルダッサーレ・ペルッツィ設計で中庭を含め拡張および装飾がなされたようだ。
その後16世紀にアルテンプス枢機卿が所有し、現在はそのコレクションを始めとして、ルドヴィーシ・コレクション、マッティ・コレクションなど、ローマ国立博物館の古代彫刻コレクションを中心に展示されている。
古代ローマ彫刻ではローマ人と蛮族の戦いを描いた《大ルドヴィーシの石棺》とかあったが、オリジナルがギリシア彫刻であるローマ時代の摸刻も多かった。
《マルス》と《大ルドヴィーシの石棺》(3世紀)
しかしながら、マグナ・グラエキアにあったギリシア彫刻やエジプト彫刻もあり、なかなかに見応えある展示ではあった。
《ルドヴィーシの玉座》正面:海から引き上げられるアフロディーテ
右側面 左側面
しかし、この《ルドヴィーシの玉座》は、フェデリコ・ゼーリを含む一部の研究者によると、19世紀に作られた偽物である可能性があるらしい。う~ん、どうなのだろうね??
下↓の《ルドヴィーシのアクロリス》はマグナ・グラエキアのオリジナル彫刻であるようだ。
《ルドヴィーシのアクロリス》(紀元前3世紀 )
私的に眼が惹かれたのは少年の頭部像で、頭の右側に髪が結び垂れていたので、エジプト彫刻なのかなぁと思ったら、ローマ時代に存続していたイシス神信仰者の少年のようだった。
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《イシス神信仰者の少年頭像》(3世紀初頭)
この他にもエジプト彫刻や古代の壺やガラス破片など展示物は色々と多岐にわたり、かなり見どころの多い博物館だった。