花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

私的「カポディモンテ美術館」(1)

2010-06-02 01:32:41 | 美術館
毎日なんだかなんだと忙しく過ごしていたら、もう6月。こんな調子で1年が終わったらどうしよう(^^;
ということで、今月6月26日から国立西洋美術館で「カポディモンテ美術館展」が始まる。詳細は公式サイトをご参照あれ(最近手抜きが多いよね/反省)。

カポディモンテに美術館は2度(正確には3度)行っている。その時のレポートはそれぞれ拙サイト「CARAVAGGIO追っかけサイト」(放置中(^^;;;)に書いているが、1度目は2001年、2度目は2004年「CARAVAGGIO:l'ultimo tempo 1606-1610」展の時だ。


「カポディモンテ美術館」(ナポリ)

日本に展覧会も来ることだし、と、当時撮ったデジカメ画像をごそごそと探していたら、思いがけないものが出てきた。
こっそり撮っていたのは誰だ?>私(^^;;;

多分、もう時効になっていると思うので、没後400年記念でもあるし、ちょっとばかり紹介してしまおう。いくらなんでも、2004年当時、サイトのReportにはとても出せなかった「CARAVAGGIO:l'ultimo tempo 1606-1610」展会場内画像である(差しさわりがあれば画像を取り外します)(^^ゞ 


「カポディモンテ美術館」入口近くの立看板(2004年)

この展覧会ではロンドン《エマオの晩餐》とミラノ《エマオの晩餐》が並んで展示された。今回のローマ「カラヴァッジョ展」では若干離れた位置に展示されていたが、カポディモンテ展では隣接展示することにより、カラヴァッジョの画題に対する意図、描き方の変化がしっかりと了解されたのである。


カラヴァッジョ《エマオの晩餐》2作品が並んだ

カポディモンテ美術館では《キリストの笞打ち》はギャラリー角の薄暗い特別室にスポットライト照明で展示されている。だが、同美術館の展覧会とあって、いつもより明るめの広い展示空間で対面できた。暗い特別室から開放され、絵肌の具合も確認できた。ちなみに、明るいところで観てもやはりサド・マゾっぽい(^^;;
《キリストの笞打ち》はカポディモンテに入る前、ナポリのサン・ドメニコ・マッジョーレ聖堂の祭壇画であったはずで、聖堂で観たかったなぁとも思った。


カラヴァッジョ《キリストの笞打ち》(カポディモンテ美術館・所蔵)

《慈悲の七つの行い》は、まさか本当にピオ・モンテ・デッラ・ミゼリコルディア教会から貸し出されるとは思っていなかった。2001年に観た時は祭壇画として拝観したので、作品として観るのもなにやら不思議な気がした。こんな至近距離で観る機会なんて滅多に無いだろうと、もちろん筆致まで丹念に眺めた。
ちなみに、ロンドン巡回展には出展されなかったので、同じナポリにあるからこその特別出展だったのだろう。本当に貴重な体験だったと思う。


カラヴァッジョ《慈悲の七つの行い》(ピオ・モンテ・デッラ・ミゼリコルディア教会・所蔵)

2004年の展覧会はカラヴァッジョのローマ逃亡後の晩年期作品を網羅した展覧会だった。主要作品を展示した今年の没後400年記念展とは趣が少し違い、カラヴァッジョの逃亡後の作風の変遷が痛々しさを持って偲ばれる展覧会であった。

さて、カポディモンテ美術館には残念ながら今回来日しない名品が数多くあり、できたら少しだけでも思い入れの作品を紹介して行きたいと思う。