花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

東北大学MOOCのオンライン公開講座(無料)。

2024-07-20 19:49:53 | 西洋絵画

NTTドコモGACCOの一環で、東北大学MOOCのオンライン公開講座(無料)が全国区で受講できるようだ。

https://gacco.org/tohoku/#menu02。

興味津々なのが…2024年10月9日から開講する尾崎彰宏先生の「静物画のスペクタクル」。

https://lms.gacco.org/courses/course-v1:gacco+ga193+2024_10/about

※紹介動画:https://www.youtube.com/watch?v=PaeysXwEkPw&t=2s

オンライン講座なので、自宅でPC・スマホを使い、好きな時間に受講できるのが便利。ということで、早速申し込んでしまった

ご興味のある方にもお薦めかも


東北歴史博物館「大シルクロード展」サクッと感想。

2024-07-17 00:42:41 | 展覧会

遅ればせながら、東北歴史博物館「大シルクロード展」を観た感想をサクッと書きたい

※「世界遺産 大シルクロード展」作品リスト

https://www.thm.pref.miyagi.jp/wp-content/uploads/2024/01/9430fb15683979ad103672bc3956d438.pdf

いにしえの「シルクロード」は、私的には憧れとロマンが詰まった地である。イメージするところは石田幹之助「長安の春」と岑参(715-770年)「胡笳歌 送顏真卿使赴河隴」辺りなのだけれど

君不聞胡笳聲最悲,紫髯眼胡人吹。
吹之一曲猶未了,愁殺樓蘭征戍兒。
涼秋八月蕭關道,北風吹斷天山草。
崑崙山南月欲斜,胡人向月吹胡笳。
胡笳怨兮將送君,秦山遙望隴山雲。
邊城夜夜多愁夢,向月胡笳誰喜聞。

閑話休題、実際のところは砂埃まみれのソグド人、ウイグル人、中国人などの商人たち、それに、荷を積むラクダなどの行き交う、広大で過酷な道程だっただろうと想像する。

《駱駝》(唐・8世紀)洛陽博物館

《尖頂帽》(前8-前3世紀)新疆ウイグル自治区博物館

上↑写真のフェルト帽は砂漠の乾燥地だからこそ、そのままの姿で発掘されたらしい。西洋の時代的には古代ギリシア時代頃だろうか?

で、興味深い青銅造りの騎馬遊牧民族像が展示されていた。

 

《男子跪坐像》(前5-前3世紀)新疆ウイグル自治区博物館

解説によると、「腰布のみを着け肉体を強調する表現は同時代のギリシア文化の影響とも考えられている。2000年以上前のユーラシア大陸の東と西の文化がうかがえる貴重な作品である」とのこと。なにやら頭の被り物もギリシア戦士の兜っぽく見えるし、なかなかに興味深い。

更に目を惹かれたのは、綴織壁掛けだった!!驚くのは武人像の顔の立体的写実描写であり、例えば、ポンペイからの出土品と言われても信じてしまいそうだ

《半人半馬および武人像壁掛》(前2-後2世紀)新疆ウイグル自治区博物館

解説によると、「被葬者のズボンの一部だったが、もとは大きな西方の綴織技法で制作された壁掛であった。上部には半人半馬を表し、下部には武人の頭部が見られる。顔の表現は写実的で、糸色の濃淡により立体感を見事に表現している。」とのこと。西と東の文化・物流の痕跡がシルクロードから見えてくる。

更に私的に興味深かったのは、粒金の装飾品であった。

  

《金製飾り(3点)》(吐蕃・7-9世紀)青海藏医薬文化博物館

地中海世界、特に古代エトルリアの粒金細工は有名である。その粒金細工の技術がシルクロードを経て吐蕃(チベット)まで伝わっていたのが確認できたような気がした。すると、伝弘法大師(空海)所持《金念珠》(唐・9世紀)も了解できるのだよね。

https://blog.goo.ne.jp/kal1123/e/73ed895c106a01022d25af6f143b8878

この展覧会ではユーラシア大陸の東と西を結んだシルクロードの様相が、西域の様々な出土品から身近に感じられた。故に、現代ウイグルやチベットの人々の文化が破壊されるのは心が痛む。


5月・6月に観た展覧会。

2024-07-06 00:13:25 | 展覧会

体調に波があり、ブログを休んでいた。ということで、体調の良いときは展覧会も観に行っていたのだった

・「大シルクロード展」(東北歴史博物館)

thm.pref.miyagi.jp/exhibition/7253/

中国の洛陽、西安、蘭州、敦煌、新疆などの博物館、研究機関の所蔵するシルクロード文物が展示。なかなかに面白かったので、あとでピックアップ感想を書きたい。

 

・「皇室のみやび」(三の丸尚蔵館)

https://pr-shozokan.nich.go.jp/miyabi/

お目当ては、若冲《動植綵絵》だけでなく、狩野永徳 《唐獅子図屏風》!!やはり安土桃山の威風が感じられる逸品だった

 

・「茶の湯の美学-利休・織部・遠州の茶道具」(三井記念美術館)

https://www.mitsui-museum.jp/press/release/release_240418.pdf

茶道具から利休・織部・遠州の美意識の違いがよくわかる展覧会だった。やはり利休の美意識はピカイチだと思う

 

・「写本-いとも優雅なる中世の小宇宙」(国立西洋美術館)

https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2024manuscript.html

内藤コレクション形成の歴史とともに、装飾写本の種類や時代にともなう変化も勉強でき、とても面白かった!!あとで、ピックアップ感想を書きたい。

 

・「ブランクーシ-本質を象る」(アーティゾン美術館)

https://www.artizon.museum/exhibition_sp/brancusi/

ロダンの工房をすぐやめた理由が了解できた。ブランクーシは「彫る」彫刻家であり、彫り進んで抽象化された「鳥」は、ド素人眼にもすぐに「鳥」だとわかるところが凄い


「大阪・関西万博」にカラヴァッジョ《キリストの埋葬》が!!

2024-07-01 20:16:58 | 展覧会

ゲストのむろさんさん情報によると、来年(2025年4月13日~10月13日)開催予定「大阪・関西万博」のヴァチカン出展パビリオンに、なんと!カラヴァッジョ《キリストの埋葬》が展示されるようだ!!(むろさんさん情報に感謝!!)

https://www.cbcj.catholic.jp/2024/05/10/29636/

カラヴァッジョ《キリストの埋葬》(1602-04年)ヴァチカン絵画館

「バチカン政府代表、フィジケッラ福音宣教省長官補(大司教)は、大阪・関西万博のバチカン・パビリオンに、バチカン美術館所蔵、カラヴァッジョによる「キリストの埋葬」を展示することを発表されました。バチカン・パビリオンは、「美は希望をもたらす」をテーマに、イタリア・パビリオン内にて展示を行います。」

https://www.facebook.com/AmbasciataGiapponeSantaSede/posts/449219187463642?ref=embed_post

コロナ禍のため、2021年に開催予定だった「カラヴァッジョ《キリストの埋葬》展」が中止になり、悔しい思いをした。その埋め合わせなのかもしれないが、とにかく無事展示開催されることを祈りたい。