花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

業務連絡(?)

2006-07-26 09:20:55 | Weblog
                     


今日は会社を休んで、これから新旧PCのデータ移動の外注に出かけます。
ということで、ブログもPCが戻るまで更新ができず、サイトの掲示板も閉じる予定です(スパム荒らしが酷い)。
最近ブログもサボっておりますが、この機会に展覧会感想をまとめよう...なぁんて魂胆もありです(笑)。
1週間以内には復帰予定です。それにしても、果たして無事にデータ移動できるのでしょうか??

板橋区立美術館 「これが板橋の狩野派だ!」

2006-07-23 22:11:24 | 展覧会
先月、三井記念美術館で 「京焼の名工~永楽保全・和全~」を観て、さて帰ろうとエレベーターに向かう途中の廊下壁に他美術館の展覧会ポスターが貼ってあった。出光美術館の絢爛たる「日月四季花鳥図屏風」の隣に良く似た構図の「四季花鳥図屏風」が並んでいて、思わず目が奪われる。ん?板橋区立美術館 「これが板橋の狩野派だ!」展のポスター…。


         


ということで、さっそく高島平の奥に足を伸ばしてしまった。あんな辺鄙な山奥に美術館があったなんて驚き(^^;;;。でも、手作りの暖かさを感じるアットホームな雰囲気の美術館で結構気に入ってしまった(^.^)
http://www.city.itabashi.tokyo.jp/art/schedule/e2006-01.html

さて、何と言っても座敷コーナーには驚いた!畳座敷に展示屏風が置いてあり、鑑賞者は座布団に座りながらしみじみ拝見できるのだ。もう、これは貴重!!畠山記念館も掛け軸は座って見られるが(座布団がほしいなぁ)、屏風は今回が初めてで、実際に近寄ったり、立って見たり、当時の人々がどのように屏風と向き合っていたかを追体験したような気分だ。このガラス無しは東京国立博物館「プライス・コレクション展」の最後にもあったが、座敷で間近という点では板橋は偉い(笑)。

河鍋暁斎の「龍虎図屏風」なんて奥正面に鎮座していたのだが、ずずっと近づいて行き、普通のお宅の屏風拝見っていう感じで全然堅苦しくない。筆捌きの勢い、墨の濃淡など、顔を近づけながら見入ってしまう。暁斎はケレン味のある作品が多いが、この屏風図は狩野派らしさを感じる真っ当さ(?)がある。画面いっぱいにお互い挑む龍と虎も劇画調ではあるがお見事。

で、問題の「四季花鳥図屏風」は若干のディテールの違いはあれど、桜と雉など室町時代の構図を踏襲しているようだった。狩野派にしては繊細優美な画風であり、おとなし過ぎるんじゃないかと思った。なんだか同じような構図の屏風が並ぶ。素人目だが、やはり出光作品の方が退色にもかかわらず絢爛パワーで勝るような気がする。

展覧会の解説によれば、狩野派は先生のお手本をせっせと模写することが奨励されていたようで、画一化された様式と画題のなかで、ヴァリエーションをつけながら注文に応じていたのだろう。将軍家お抱え絵師であるから、武家好みの勇壮な絵がイメージされていたのだが、結構そのパターンも多肢にわたっているのが興味深かった。でも、弟子たちにはお手本模写を長期に修行するのは酷だったんじゃないかと、ちょっと同情してしまう。本当に力があって個性的な絵師は狩野派を飛びだすだろうね、きっと。

勇壮な狩野派と言えば、ブリヂストン美術館「雪舟からポロックまで」に出ていた狩野典信の金地に描かれた「墨松墨梅図屏風」も素晴らしかった!狩野派らしい豪快な筆さばきの墨松と、清冽な芳香を放つが如き墨梅。狩野派についてあまり知らない私にもとても気に入った作品だった。この典信と殆ど同時代の丸山応挙「牡丹孔雀図」も一緒に展示されていたが、こちらは色彩も美しく、写実の応挙らしい華麗な作品。多分、近々三の丸でも同主題作品が見られそうでこちらも楽しみ。

話を板橋の展覧会に戻すが、座敷コーナーだけではなく、通常展示コーナーも狩野派作品が並び、幕府お抱えの一大流派らしくその人脈や作品の裾野の広さが一覧できる。驚いたのは男性的なイメージの狩野派にも女性絵師がいたことで、その清原雪信は「納涼図屏風」の久隈守景の娘だったことを先日の新日曜美術館で知った。実人生は別にして、作品には繊細な穏やかさが見られたのだが…。

実は板橋の展覧会作品リストが見えなくなり、記憶を手繰り寄せながらの感想なので、記憶違いや間違いがありましたらご指摘をば、ぜひ(^^;;;

バルサミコ

2006-07-15 04:16:58 | 食べもの
新しいPCをやっと接続したので、また画像貼り付けができるようになった。今度のPCはSDカード用のスロットがあり、カードを入れるだけで画像を読み込んでくれとっても便利。新PCには色々な機能があり過ぎて、ここ毎日、試行錯誤しながら探検(?)をしている。



さて、画像はバルサミコソース。クイーンズIの棚で見つけた時はラベルに目が吸い付いてしまった(笑)。CARAVAGGIO「果物籠を持つ少年」というところがさすがイタリア♪
去年(?)デジカメに入れっぱなしだったものをようやく画像アップ。しかし、実はこのバルサミコソース、開けてみたものの、どうもマズそうで使えない。すまぬ、ミケーレ(汗)

ブリヂストン美術館「坂本繁ニ郎展」

2006-07-03 01:46:58 | 展覧会
6月は色々あり過ぎてブログをすっかりサボってしまった。それでも観たい展覧会だけはちゃんと行っていた花耀亭である(^^ゞ。できれば遡りながら感想文など書いてみたいのだがどうなることやら。

さて、7月に入り第1週はブリヂストン美術館で「坂本繁ニ郎展」を観てきた。
http://www.bridgestone-museum.gr.jp/noplugin.html

東京美術倶楽部の「大いなる遺産展」でも印象的だった馬の博物館所蔵「月光」を描いたのが坂本繁ニ郎だと気がついたのはHNK新日曜美術館でだった。そう言えばゲストのokiさんもブログで扱っていたなぁと、なんだか興味が出てきて見に行くことにした。

坂本は絵を学ぶためフランスに渡航したのだが、後輩の画家には学ぶものが無いと洋行を薦めなかったそうだ。が、しかし、今回の展覧会を観ていると、やっぱり印象派の影響をしっかり受けているじゃないの、と思った(笑)。本人はきっと否定するかもしれないが、モネの色使いを彷彿する作品も何点かあり、フランス印象派的なニュアンスに富む色彩が単純化された造形に持ち込まれていて、意外にも日本の洋画っぽくない。

やはり展示で目につくのは馬を描いた作品が多かったことで、佇む松間の馬や「水より上がる馬」の動的な時間と馬の躍動感と持った姿など、馬に魅了された画家の新鮮な眼差しが伝わって来るかのようだった。でも、私的にはどうも月と馬のシリーズが良かった(^^;;。坂本は晩年「月」をテーマにしていたようで、月のファンタシウムが満ち溢れた作品はかなり好きかも。月も象徴の世界だとは思うのだけど、坂本の描く雲も独特で、風景画の白い雲なんて単純化され、なんだかマチスっぽいなんて思ってしまった。抽象化されるとこうなるのよね、きっと。

実を言うと、私的には馬の絵よりも坂本の静物画に興味を持った。柿などの果物の実在感、砥石や箱のような立体静物の組合せが面白い。箱シリーズなんてちょっとモランディみたいじゃない?まぁ、モランディにはモノとモノとの間に静かな緊張感を感じるのだが、坂本作品には立体の光と影の織り成す色彩の組み合わせに調和への模索と意思を感じる。この調和っていうのが日本的に思えて、なんだかうまく説明できないけど、モランディとは描こうとするものが違うんじゃないかと思う。それがどーしたと言われれば、そうなんだけど (^^;;;

さて、今回の展示作品で特に目が惹かれたのは、能面シリーズの中の1作品で、能面が緋色の海に漂い浮かびあがるような作品だった!一瞬緋色が血色を連想させぎょっとしてしまった(^^;;。他作品でも能面の裏側を描いたりと、坂本の能面シリーズには人間の仮面と内面の象徴性を感じてしまう。フランス留学から帰国して以降人物画が少ない分、この能面に画家の人間洞察を見てしまうのは暴走だろうか?

ということで、以上、美術ド素人の勝手言いたい放題をお許しあれ(^^;;;