ゲストの山科さんに教えていただいたアムステルダム国立美術館《聖ヒエロニムスとアレキサンドリアの聖女カタリナ》にはハート型の本(写本)が描かれている。
《聖ヒエロニムスとアレキサンドリアの聖女カタリナ》(15世紀)アムステルダム国立美術館
この作品を観た時から、ハート型の本(写本)が当時本当にあったのだろうか?という疑問を持っていたのだが、なんと雑誌「アイデア」4月号の写本特集で確かに「ある」ことがわかったのだった。
ご参考:https://www.seibundo-shinkosha.net/magazine/art/92619/
(立ち読み 7/9, P30-31)
「シャンソニエ・コルデフォルム」
山科さんによると、この「シャンソニエ・コルデフォルム(Chansonnier de Jean de Montchenu)」は音楽史では昔から有名な本(写本)とのことで、なるほど!だった。(山科さんに感謝です!)
※ご参考動画:https://www.youtube.com/watch?v=8yAfPjSiZoA
「15世紀の中頃に編纂された43曲の世俗歌曲が集められたこの写本、なぜかハートの形をしているということで知られています。この写本を作ったのはジャン・ド・モンシュヌ(Jean de Montchenu)という名前の司祭で、彼がいたずらっぽく「自堕落な、全ての悪意に満ちた曲集」と呼んだこの写本は、ハート型の美しい原稿がベルベットで覆われた実に精巧な装丁で、開くと両面に装飾が凝らされた譜面が現れるという仕組みになっています。曲を書いたのは、ほとんどが無名の人々ですが、中にはデュファイやオケヘム、ジル・バンショワなどの名前も確認されます。」(「Straight from the Heart: The Chansonnier Cordiforme」解説より)
で、やはり楽譜なのだから、どのような曲なのだろか?と興味がわくじゃありませんか?
ということで、動画がありました。
※ご参考動画:2種類(後者の方が好きかも)
https://www.youtube.com/watch?v=8Ys4h9KYf2Q&list=OLAK5uy_kmnyD3YwSDRNnd_wG0xvnt0bPbQ6Jo34A
https://www.youtube.com/watch?v=WA6CDzmGr1U&list=PLS5uDOUVbKLY3esBeVUGdCb9d0nyvkQVK
で、なんと偶然にも国立西洋美術館の動画で、内藤コレクションの音楽写本の演奏動画も見つけてしまったのだ。
※ご参考動画:記譜写本を歌う 国立西洋美術館 内藤コレクション
https://www.youtube.com/watch?v=9z2MUmnCrPw
https://www.youtube.com/watch?v=E1_iPSwA3Ns
https://www.youtube.com/watch?v=2hDuyxdEbs4
カラヴァッジョ作品の中にも楽譜が登場し、その原曲が特定され演奏も行われているが、記譜写本からの演奏と言うのもまた興味深いものだと思ってしまった。