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花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

冬のローマ&マドリード(7)アラ・パチス(平和の祭壇)

2025-03-02 22:47:18 | 博物館

サンタ・マリア・デル・ポポロ聖堂を出てポポロ広場を眺めると双子の教会が見える。普通なら真ん中のコルソ通りを進みコンドッティ通りに抜けるのだが、今回は右側のリベッタ通りを真っすぐ進む。目的は「アラ・パチス(Ara Pacis Augustae)(アウグストゥスの平和の祭壇)」見学である。

先にも書いたが、塩野七生さんの「ローマ人の物語」を再読中で、ちょうどアウグストゥス時代まで読み進んでいた。本の中でも「アラパチス」の章が設けられ、塩野さんの「アラパチス」好きが伝わってきて面白い。そんなわけで、事前勉強(?)してしまったので、ローマではぜひ見に行くんだと心に決めていた。

アラ・パチスは、アウグストゥスのパックス・ロマーナに捧げられた祭壇である。アウグストゥスが対外遠征からローマに戻ったことを称えるため、元老院により紀元前9年に奉献された。元々はカンポ・マルティウス近くにあったが、テヴェレ川氾濫による埋没のため、1938年に現在の博物館の位置に移設再建され、元の向きから反時計回りに90°回転し、元の西側が南を向くようになった。

現在のアラ・パチスは新しい近代的な博物館(2006年完成)の中に鎮座している。博物館に入場するためには前面に広がる大きな階段を上らなければならず、老人なのでちょっと息を切らしてしまった

アラ・パチス博物館。

博物館に入場し、正面からアラ・パチスを眺める。その時、昔の記憶が蘇った。私はこのアラ・パチスに来たことがある!!(それも古い博物館時代に!)

「アラ・パチス(Ara Pacis Augustae)アウグストゥスの平和の祭壇」正面(元々は西面)

それは30年以上も昔、慶長遣欧使・支倉常長の足跡を辿ってみようとパラッツォ・ボルゲーゼ(ヴィッラではない)を見に行った帰りのことだ。テヴェレ川沿いの道を歩いていて、なんだかわからないけど階段がある建築物があるから入ってみようと...。

当時の私は古典古代苦手だから、この階段のある記念碑を、なんと!「アウグストゥス帝の廟」と勘違いしたまま今日まで来てしまったのである!!本当の「廟」はすぐ近くに別にあるんだよね💦

左側面

アウグストゥス一族の家族肖像(ユリウス=クラウディウス朝の人々)。左の半欠けの背の高い人物がアウグストゥス、中央右寄りのトーガを頭に被った大柄の人物がアグリッパ。アグリッパのトーガの端をつかんでいるのは息子のガイウス・カエサル(アグリッパと大ユリアとの子)。

それと、興味深かったのは壁面の「花綱」彫刻だった。マンテーニャの花綱が古代彫刻から来ていることを自分の眼で了解することができたのだから

壁面の花綱彫刻。

ちなみに、現在のアル・パチスは白大理石で輝いているが、もともとは白大理石を豊かな色彩で着色していたようだ。全然イメージが異なるけど面白い!!

※ご参考:彩色復元した3D動画

https://www.youtube.com/watch?v=0JonhNHW62M

「アラ・パチス博物館」でも採色画像の紹介もあり、ユリウス=クラウディウス朝の人々の頭部像(摸刻)や家系図、当時のアラ・パチスの位置のわかるジオラマなどが展示されていた。

それにしても、私の長年の誤解が解消して良かったわ~💦