久々にまとまった時間が取れましたので、延ばし延ばしにしていたヒエ取りをしました。今年はこれで3回目です。先日から田んぼの側を通るたびにヒエの頭が見えていたので、早くしなければと思いつつも今日になってしまいました。
昨年は初めての稲作でしたので、結構力が入っていたみたいで、ヒエ取りもこまめに行っていました。お陰で、そんなに沢山ではありませんでしたが、それでも100本近く抜き取りました。いわゆる一本ヒエですから、根っこから簡単に取れます。全ては稲の株と株の間に生えてきておりますので、昨年、近所の人から教わった「流れヒエ」というもののようです。当地は山麓部なので、水が大変に貴重です。水路が高低差を利用して張り巡らされております。上流の田んぼの排水を下流の田んぼで再利用します。ですから上流の田んぼからヒエが流されてきます。これが自分の田んぼで生えてくることを「流れヒエ」ということらしいのです。ですから稲の株の中に生えてくることは少ないのです。
だからといって油断していると大きく育ちます。そして種を落とすようになるまで放置すると来年が大変です。目も当てられないような惨状となってしまいます。こうなってしまうとヒエ取りの労力は20倍にも30倍にも、いやもっと多くかかってしまうでしょう。
近年、ヒエだらけの田んぼに出くわすことが多くなりました。田んぼの8割以上がヒエに覆われてしまっているのも結構あります。大体が20~30ha位作付けしている大規模専業農家です。ヒエ取りまで手が廻らないというのが実情でしょう。それには少々同情する理由があります。大規模農家は、耕作地を借りております。元々は農地の所有者=耕作者であった訳ですが、兼業化・高齢化で耕作依託するようになります。以前は自分の土地ですから、丹精込めて耕作に励んでおられたことでしょう。ですからヒエも少なかったでしょう。一旦、来年から委託するとなると大方の方たち(全てではありません)が、若干手抜きしたとしても、これは致し方ないものと思われます。そうするとヒエの種が落ちたままの田んぼを借り受けて耕作することになってしまい、結果的にヒエの大繁殖といったこととなります。
農業で儲けるためには、一にも二にも省力化です。人件費を減らすしかありません。ヒエなど取っていたら赤字になってしまいます。
私のような兼業農家で、赤字覚悟(労力はタダ)でやっているからこそ、ヒエ取りなどが出来る相談なのです。それにしても真夏のヒエ取りは重労働です。身体に堪えます。