山浦清美のお気楽トーク

省エネ、農業、飛行機、ボウリングのことなどテーマ限定なしのお気楽トークができればと思っております。

電田プロジェクト-その2

2011-09-15 | 政治・経済・社会

 報道によりますと耕作放棄地を太陽光・風力発電に活用し易くなるように農地法を改正する方向で検討しているとのことです。来年の通常国会に提出される見通しだそうです。

 電田プロジェクトに関しては「電田プロジェクトについて思うこと」でも述べておりますように問題が多いと思っております。

 確かに電力問題は喫緊の課題かも知れません。しかし、同様に食料安保も同様だと思います。代替手段が無いならいざ知らず、そこまでして農地にこだわる必要は無いと思います。今回は発電のためという大義名分がありますので、反対でき難い状況が醸し出されております。しかし、20年後、30年後に果たして転用された農地で発電が行われているでしょうか?

 発電が行われなくなったら、必ず農地に戻すといった条件付で転用許可がなされるならまだしも、条件が無ければ、その後の農地はどのようになってしまうか容易に想像がつくことでしょう。このように農地法に風穴を開けることが、今回の改正の狙いであるといった、穿った見方が出来なくもありません。

 全ての耕作放棄地で太陽光発電を行えば、20%の電力需要がまかなえるとの試算だそうです。ここまで大規模になるかどうかは分りませんが、太陽光発電が不安定であることは周知の事実です。この不安定な発電量を調整するためには、水力発電が用いられます。太陽光による発電が増えると水力による発電量を落として調整する必要があります。同じ自然エネルギーに属するものの間で、競合が発生してしまいます。

 太陽光や風力ばかりに参入が多くなるとこのあたりのバランスをどのように取るかが重要な課題になってきます。これを一体誰が遂行するのでしょうか?

 エネルギー政策は、国家の根幹をなすものです。農業政策も然りです。もっともっと議論を深めるべき事柄だと思います。目先のことに捉われると取り返しがつかない結末を迎えることにもなりかねません。