山浦清美のお気楽トーク

省エネ、農業、飛行機、ボウリングのことなどテーマ限定なしのお気楽トークができればと思っております。

アナログとデジタル

2011-09-12 | うんちく・小ネタ

 最近はデジタル流行というべきでしょうか、色々なものがデジタル表示されております。確かにデジタル表示した方が分り易いことが多いのも事実でしょう。しかし、これには落とし穴があるかも知れません。

 電圧を電圧計で計測する時、デジタル式ならば、例えば101.3Vと簡単に読めてしまいます。しかし、アナログ式ならば101.2と101.3の間だが、どちらかと言うと101.3に近いといった判断が必要です。針の読みも見る位置によって、微妙に変わってきます。まさにアナログ的?

 デジタル式の場合には、確定的な数値で表示されますから、アナログ式のような曖昧さはなく、いかにも確定値といといった印象を受けてしまいます。実際は、101.2と101.3の間の微妙なところであっても、101.3となってしまいます。では101.3Vといった数値の意味は、101.25と101.34の数値を丸めたものです。101.2と101.3の間といった印象とは少なからず異なってしまいます。

 何でこのようなことをぐだぐだと書いてきたかといいますと、計測器の誤差のことはさておき、アナログであろうがデジタルであろうが、数値化するとそれが一人歩きを始めるようになると思います。

 何かを判断する時には、必ず基準が必要です。原発事故に際しての避難区域の設定のように何kmの円内はとか、1kg当たり何ベクレル以上はとかいった基準です。アナログからデジタル化するときには、当然このような基準(しきい値)を用います。そうすると微妙なところが、スパッと切り取られ数値化されます。極端な場合には、YesかNoかといったことになります。1kg当たり何ベクレル以上は危険で、それ未満ならば安全といったデジタル的な考え方で大丈夫なのでしょうか?

 危険が差迫った緊急の場合には、ある意味迅速に対応することが必要ですから、危険であろうが無かろうが、半径何kmの範囲内とか行政区単位でバッサリと切ってしまった方が合理的でしょう。しかし、多くの情報が集まり、情報の分析が進んできた段階においては、もはや画一的な取扱をすることの方がむしろ現実的ではないといえるのではないでしょうか。

 食品の例で言えば、基準値以上であれば出荷しないから、出荷してあるものは大丈夫ということなのでしょうが、この場合YesかNoです。まさにデジタル式です。この間には未検出~基準ギリギリまでのものが含まれてしまうことになります。やはり、計測値を表示することが大切ではないかと思います。

 私のように50半ばであれば、少々高い値を示していても気にしなくても済みますが、子供に食べさせるものであれば、出来るだけ数値の低いものをと神経質になることも無理からぬことだと思います。YesかNoかの表示は、余計な不安をあおることになりかねません。抜き取り検査といわず、全品検査する体制を一刻も早く実現し、個別に計測データを表示するようにすべきだと思います。