山浦清美のお気楽トーク

省エネ、農業、飛行機、ボウリングのことなどテーマ限定なしのお気楽トークができればと思っております。

灌漑施設の管理作業

2011-09-10 | 農業

 畑地帯総合整備事業(畑総)という事業で作られた八丁ダム(農業用水)と関連貯水施設及び導水管路の維持管理作業が地区毎に割り当てられています。管理作業といっても主に除草ですが、何せ山の急斜面などを通っておりますのでかなりの重労働です。草はもとより、竹、蔦類で覆われた道無き道を要所要所に設置された目印を頼りに、まさに切り開いて行くといった作業です。植林された杉などの風倒木がいたるところで行くてをさえぎります。草刈り機、チェーンソー、ナタだけが頼りです。朝7時30分から昼休みを挟んで16時30分まで、みっちり作業し、やっとこ今日の作業範囲を終了しました。残りは明日に持ち越しです。作業が終わったら、もうフラフラ状態です。スポーツドリンクを2リットル用意していたのですが、空っぽになりました。

 私が住まう小城市晴田地区は、以前は晴田みかんの産地で、家内が小さい頃は「黄色いダイヤ」とも呼ばれ、みかんを食べようものなら張り倒されたりしたそうです。元々は雑木林を開墾し、みかんの苗木を植えて、実際収穫できるようになるまで数年はかかるのでしょう。私は筑後平野のど真ん中で生まれ育ちましたので、全くその辺の事情には疎いのですが・・・。

 そうすると農業用水が不足します。灌漑施設が無い時には、1200リットルのタンクに水を汲み、軽トラで山まで持ち上げ散水するといった作業をしていたようです。(そのタンクは現在我が家の雨水タンクで活躍しております。)

 ということで、畑総事業で灌漑施設を作ろうということになったのでしょう。そして施設が完成した頃には、既にみかんは生産過剰の時代を迎えていたのです。徐々にみかん農家は減少して、今やみかん農家は数えるくらいしかありません。しかしながら、負担金は平成33年まで支払う必要がありますし、今日のような管理作業も続けていかなくてはなりません。誤解されるといけないので、言わずもがなのことを書きますが、決してこのような作業が不必要だといっているのではありません。これは集落を維持していくための共同作業なのですから意義のあることなんです。農業用水路の維持管理などについても然りです。農村の生活というのは、このような共同作業の上に成立しているのです。

 言いたかったのは、世の中が変わっていくことに対する見通しの難しさということです。営利企業でしたら、サッサと引き上げれば済むことでしょうが、村落共同体の住人はそうはいきません。そういうところも含めて、営利企業の農業参入を考えていかなければならないと思います。