私も若い時代に不破さんたちの革命論研究に出会い、党の綱領路線に確信を深めた記憶があります。 そのなかに、「革命の諸形態」のエンゲルスの説明が今も鮮明に残っています。 それは、次の内容です。 以下、「革命論研究(下)不破哲三著」より。(148頁~150頁)
【エンゲルスの分析、説明文は「1895年3月のマルクスの著作『フランスにおける階級闘争』への『序文』から】
「エンゲルスは、普通選挙権の活用によって、階級闘争の新しい諸条件が開かれ、それとともに、革命の形態が大きく変わってきたことを指摘します。~エンゲルスは、過去の革命論の諸形態を整理して、次のように説明します」
「(一) 少数者の革命。 『これまでの革命はいずれも、結局は、一定の階級支配を排除し、他の階級支配がこれに代わることであった。・・・そのときどきの革命の具体的な内容を度外視すれば、それらの革命の共通の形式は、みな少数者の革命であったということである。 多数者が革命にくわわった場合でさえーー知ってにしろ、知らないでにしろーーそれは少数者に奉仕したにすぎない』」
「(二) 多数者の利益のための少数者の革命。 『社会主義をめざす革命は、これまでの革命とは違って、『多数者の本来の利益のための革命』を目標にしたものだった。 しかし、1848年の革命の当時は、マルクス、エンゲルスをふくめて、革命を起こすのは、その目標を明確に理解した少数者の指導だと考えていた。 この少数者の思想は、大衆がまだ理解しないで、わずかに漠然と感じているにすぎない要求を『明白に合理的に表現しているもの』だ、そうである以上、多数者は、最初ははっきりと理解していないとしても、『実際に実現の途上で自分の眼で見て納得し、たちまちはっきりとそれを理解するにちがいない』とされた。 こうして、『少数者の革命』は、革命の発展の途上で、『多数者の革命に転化』するという見通しがあるとされた」
「(三) 目標を自覚的につかんだ多数者の革命。 エンゲルスは、普通選挙権を活用しての政治闘争の意義を論じた後半部分で、48年革命以来の半世紀近い変化をふまえて、こう言います。 『国民間の戦争の条件も変化したが、それに劣らず階級闘争の諸条件も変化した。 奇襲の時代、無自覚な大衆の先頭にたった自覚した少数者が遂行した革命の時代は過ぎ去った」
「では、新しい時代の革命とはどんな革命なのか。 それは、多数者が目標を自覚的につかんでおこなう多数者の革命です。 『社会組織の完全な改造ということになれば、大衆自身がそれに参加し、彼ら自身が、なにが問題になっているか、なんのために彼らは肉体と生命をささげて行動するのかを、すでに理解していなければならない」
「このことをこそ、最近50年の歴史がわれわれに教えてくれたのだ。 だが、大衆がなにをなすべきかを理解するためーーそのためには、長いあいだの根気づよい仕事が必要である。 そして、この仕事をこそまさにいまわれわれがおこなっており、しかも敵を絶望におとしいれるところの成功をおさめつつあるのだ』」
「エンゲルスは、ここで、ドイツで最初にまず切り開かれてきた新しい闘争方法に、たんに階級闘争の『一つの武器』というにとどまらない、新しい、そしてより深い意義づけを与えています。 それは、この活動こそ、多数者革命が必要とする『長いあいだの根気づよい仕事』だということ、すなわち、普通選挙権を活用した選挙=議会闘争が、ほかならぬ多数者革命を準備する重要な形態だという、いわば戦略的な意義づけです」
「私(不破氏)は、、ここには、マルクスとともにドイツの党に理論的、政治的な援助を与えてきたエンゲルスが、この50年の活動の総括からひきだした最も重要な結論があると思います」
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