12/20~27NET IB NEWSが伝えておりました。連載5回分なので長文になります。
-変化する『地域のお金』とエネルギーのあり方(1)-
自然エネルギーが地域主導で普及、拡大していくにあたって、欠かせないのが"お金"。国としては、エネルギー基本計画の改定案でも、「原発は重要な電源」と位置付けるなどダークな流れにあるものの、ここにきて、ご当地電力に見られるような地域分散型のエネルギー事業の芽が育ちつつある。環境先進県の長野県飯田市の「おひさまファンド」や福島県の「会津電力」、山口県の「市民エネルギーやまぐち」など、地域主導型のエネルギー事業が続々と立ち上がってきている。地域経済とエネルギーのあり方は今後、どう変わるのか。また、地域とエネルギーのあり方を一歩前へ進めるため、今、首長の決断が重要な時期にきている。
<地域独占を崩せ>
明治時代には、電力会社は多数乱立し、エネルギー事業において競争が行なわれていたが、大正時代、5社に統合。1939年に「日本発送電」と9つの配電会社が設立され、電力供給を9社が担当。地域の電力事業を独占的に担うようになった。国策により、エネルギー事業が進められ、電力網を全国津々浦々に安定的に供給するため、インフラを整備していった。その発送電力網を整備する段階では、その地域独占のあり方は、ある意味、効率がよかった。
現在、沖縄を含めると、全国で10の電力会社が、地域のエネルギーを牛耳っている。電力を安定供給する発送電インフラが確立した今、地域の9電力会社が発電から販売までを一貫運営するあり方は、もはや、その段階を終えたのではないか。
電力自由化を見据え、総合商社や製紙会社などにより新電力が立ち上がりつつあるが、まだ、ドイツなどに比べると、地域分散型には至っていない。今後、地域のパワーの結集は、エネルギー分野における地域独占の形を崩せるのかどうか。長野県や山口県などで、地域で主体的にエネルギーを作り、その地域で消費する地域経済とエネルギーの新しい形の芽が出始めている。
<地域ファイナンスがカギ>
地域主導型のエネルギー事業が、うまく立ち回るために欠かせないのは"お金"だ。風力発電の風車を建てるにも、太陽光発電のパネルを設置するにもお金がかかる。地域のエネルギー事業に興味のある団体、市民のすべてが、地域の金融機関からお金を借りたり、金融機関から資金を調達したりできるわけではない。主体的に関わりたいと思っている地域や市民がどうやって、お金を集めるのか。地域とエネルギーとお金のあり方。将来を見据え、一歩進めていくことが必要だ。
-変化する『地域のお金』とエネルギーのあり方(2)-
<エネルギー選択の時代は来るのか>
通信や鉄道、道路、水道、電力など国策と関わるインフラ整備には、独占的に、大規模に進める方が適しているフェーズがある。以前、電話は、電電公社の1社がほぼ独占していた。それが、1985年に民営化され、民間数社による競争の時代に入った。今、携帯電話は、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクなど、消費者が好きな会社、使い方にあった機種を選択することができる。
通信業界においても、電電公社の独占状態でなければ通信網を効率的に発達させることができない時代が確かにあった。それと同じように、電力においても、9つの電力会社で、独占的に事業を進めた方が、電力網を整備し、発達させるのに、スピーディで最適、質を高めるのに効率的な時代があった。
ただ、世界的に見て、その時代は、どうやらすでに終わった。次のフェーズに移行していい。しかし、日本では、その利権を業界やムラが手放さないでいる。
電力システム改革が進められようとしてはいるが、「原発は重要な電源」とするエネルギー基本計画の改定案が示され、再稼働への道をまた、歩もうとしている。守ろうとする流れは続いている。国の変革が進まないのであれば、地域が変わるしかない。
<送電網の開放は>
消費者がエネルギーを選択する時代が到来するのかどうか。これには、やはり"送電網"の開放がなされなければ、実現は難しい。発送電分離を断行し、送電網を開放して、新規参入、競争を促すというステップを踏むのが理想的。もともとは国策として作った発送電網を、ほかの民間企業も自由に使えるようにすべきだろう。
国の進める電力システム改革の中には、発送電分離も明記されているが、「ポーズのみで、本当にやる気はない」と見る専門家もいる。利権に執着するのではなく、長期的な視野で見た国益を重視し、発送電分離に踏み込めるかどうか。
-変化する『地域のお金』とエネルギーのあり方(3)-
<プロシューマーの出現>
地域でエネルギーを作りながら、地域で消費する形が今よりも増え、自然エネルギーの出番が増えれば、生産消費者と呼ばれるプロシューマー(生産して、消費する人の意味)が出現して、普及・拡大の段階で大きな役割を果たす。
消費者が、太陽光発電などを活用することにより、自らエネルギーを作り、生産消費者になることで、エネルギーをうまく、効率的に使おうとするエネルギーの効率化、省エネ、節電のインセンティブも働く。
プロシューマーが、多く台頭し、エネルギーを作って消費するスマートハウスや、家庭の熱と電力を最適化するコージェネレーションなど技術革新が進めば、「もはや巨大電力会社はいらない」という状況を作り出すことも可能だと見られている。しかし、それだけでは足りない。
<自治体は変われるか!?>
このプロシューマーの出現とともに、地域、自治体が変わることも、不可欠。市民の参加だけでなく、自治体が、一歩前へ進むには、首長の決断も大きく、リーダーの決断、舵取り次第で未来は変わってくる。
自治体の首長の中には、まだハコもの誘致のような感覚でメガソーラーなどの自然エネルギー事業を誘致しようとしている人が少なくないという。地域振興策として、または、余っている土地の有効活用のために、自然エネルギーを地域に導入しようとしている首長が多い。
ここを、一歩、前に進める。ハコ物誘致ではなく、エネルギーとお金をその地域でくるくると回し、経済を活性化させる政策という位置付けで捉えなければならない。
先進県である長野県では、地域エネルギーと地域経済を関連深いものと位置付け、一政策として、エネルギー、地域資源、人(雇用)を、地域内で循環させ、経済を活性化させるという目標設定をし、自然エネルギーの普及・拡大に取り組んでいる。
-変化する『地域のお金』とエネルギーのあり方(4)-
<市民出資型エネルギーの息吹>
京都市でも、屋根にソーラーパネルを設置し、市民出資で運営する市民協働発電制度が動き始めている。
エネルギーは地域の資源であり、地域で"生産するんだ"というマインドは出てきている。京都大学経済学部の植田和弘教授は、再生可能エネルギーのさらなる拡大には人材が必要であると指摘する。「エネルギーの分野で、ソーシャルイノベーション(社会変革)が起ころうとしている。ただ、変化には、ファイナンスの専門家といった人材が必要。日本の場合、自治体や、地域の金融機関が果たす役割は大きいと思う。首長にも担当者のなかにも熱心な人はいる。自治体と地域の市民が協働できるかどうか。お金、制度、活動しやすい環境づくりが大事」という。「地域エネルギー金融」の仕組みができ、人材が育てば、よりエネルギーの分散化が加速するというのだ。
<地域でエネルギーを経営する>
江戸時代の日本では今よりも地域とお金の関連性が強かったという。地域で金銭を融通し合った「頼母子講」や、地域で金銭を集め、庶民の相互扶助を行なう無尽など、地域金融のあり方は、現在よりも多様だった。
近現代に入り、地域主体でお金が回る仕組みから、国家財政にお金が回る体制に移行し、大都市にお金が集中しやすい経済の流れができた。
エネルギーに関しても、金融の流れと同じように、一極集中しやすい形ができた。発送電が一括化され、9つの電力会社による地域独占の形が作られた。地域のお金が地域で回るのではなく、エネルギーのお金に関して言えば、地域で独占する電力会社に地域のお金が吸い取られていった。
地域主導による自然エネルギー創出の形ができれば、このお金の流れを変えることができる。「みんなでエネルギーを作り、みんなで消費したり売ったりする」という仕組みができれば、地域に雇用が生まれる。長期的に見て、地域で経済が回れば、大都市への人口流出を防ぎ、一極集中を崩すことにもなる。
-変化する『地域のお金』とエネルギーのあり方(5)-
<地域自立への一歩>
将来的に、日本では人口が減る。エネルギーで自立することは、人口減により疲弊する地域経済に喝を入れる一手ともなりうる。日々の生活に欠かせないエネルギーを地域で作るということは、雇用の創出など、経済的に自立することにつながる。
地域ファイナンスに詳しい千葉商科大学大学院の伊藤宏一教授は、「地域で作ったエネルギーを、たとえば、都市の企業などに"輸出"できるようになれば、地域への経済効果は上がる。今は、だいぶ東京に一極集中していますが、大都市集中経済の過度なゆがみを正すことができるのではないでしょうか」と分析する。
<一極集中は崩せるか>
現在、首都圏で言えば、東京への人口集中が過密。雇用も東京への一極集中。これが行き過ぎれば、今後、人口の減っていく日本では、地方都市の経済的な疲弊が懸念される。エネルギー分野における地域分散は、この大都市への一極集中を崩すきっかけにもなる。
伊藤教授は、「もともと東京にも戦前には、数10社の電力会社があって競争していた。それが、戦時体制下になり、統合、一括化されて一つになった。いまこそ、分散化が必要だと思う。どのように地域にお金を流すかというのはキーポイントになるでしょう」と、語る。
「昔は、地方では炭を焼いて、熱エネルギーを得るなど、地域ごとにエネルギーで自立していた。食とエネルギーは、生活の根幹にあるもので、毎日使うもの。もともと日本には、自然を敬愛する文化がある。自然を利用して、自分たちで作り、自分たちで使い、余った分は外に売ったりできる仕組みができれば、地域の経済は潤う」と指摘。
食と同様、エネルギーの地産地消を今から進めるべきだとの見方を示した。太陽光パネルや風車など発電技術の向上した今なら、地域主導型でのエネルギー創出が可能だ。
生産し、消費するプロシューマーが育ち、地域金融とうまくかみ合えば、「大きい電力会社はいらない」という時代の到来も、現実に一歩近づく。
-引用終わり-
私は既に何度も述べているように、ここ下北地域が「地域主導型のエネルギー創出が可能な地区」に最適であると確信しています。
-変化する『地域のお金』とエネルギーのあり方(1)-
自然エネルギーが地域主導で普及、拡大していくにあたって、欠かせないのが"お金"。国としては、エネルギー基本計画の改定案でも、「原発は重要な電源」と位置付けるなどダークな流れにあるものの、ここにきて、ご当地電力に見られるような地域分散型のエネルギー事業の芽が育ちつつある。環境先進県の長野県飯田市の「おひさまファンド」や福島県の「会津電力」、山口県の「市民エネルギーやまぐち」など、地域主導型のエネルギー事業が続々と立ち上がってきている。地域経済とエネルギーのあり方は今後、どう変わるのか。また、地域とエネルギーのあり方を一歩前へ進めるため、今、首長の決断が重要な時期にきている。
<地域独占を崩せ>
明治時代には、電力会社は多数乱立し、エネルギー事業において競争が行なわれていたが、大正時代、5社に統合。1939年に「日本発送電」と9つの配電会社が設立され、電力供給を9社が担当。地域の電力事業を独占的に担うようになった。国策により、エネルギー事業が進められ、電力網を全国津々浦々に安定的に供給するため、インフラを整備していった。その発送電力網を整備する段階では、その地域独占のあり方は、ある意味、効率がよかった。
現在、沖縄を含めると、全国で10の電力会社が、地域のエネルギーを牛耳っている。電力を安定供給する発送電インフラが確立した今、地域の9電力会社が発電から販売までを一貫運営するあり方は、もはや、その段階を終えたのではないか。
電力自由化を見据え、総合商社や製紙会社などにより新電力が立ち上がりつつあるが、まだ、ドイツなどに比べると、地域分散型には至っていない。今後、地域のパワーの結集は、エネルギー分野における地域独占の形を崩せるのかどうか。長野県や山口県などで、地域で主体的にエネルギーを作り、その地域で消費する地域経済とエネルギーの新しい形の芽が出始めている。
<地域ファイナンスがカギ>
地域主導型のエネルギー事業が、うまく立ち回るために欠かせないのは"お金"だ。風力発電の風車を建てるにも、太陽光発電のパネルを設置するにもお金がかかる。地域のエネルギー事業に興味のある団体、市民のすべてが、地域の金融機関からお金を借りたり、金融機関から資金を調達したりできるわけではない。主体的に関わりたいと思っている地域や市民がどうやって、お金を集めるのか。地域とエネルギーとお金のあり方。将来を見据え、一歩進めていくことが必要だ。
-変化する『地域のお金』とエネルギーのあり方(2)-
<エネルギー選択の時代は来るのか>
通信や鉄道、道路、水道、電力など国策と関わるインフラ整備には、独占的に、大規模に進める方が適しているフェーズがある。以前、電話は、電電公社の1社がほぼ独占していた。それが、1985年に民営化され、民間数社による競争の時代に入った。今、携帯電話は、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクなど、消費者が好きな会社、使い方にあった機種を選択することができる。
通信業界においても、電電公社の独占状態でなければ通信網を効率的に発達させることができない時代が確かにあった。それと同じように、電力においても、9つの電力会社で、独占的に事業を進めた方が、電力網を整備し、発達させるのに、スピーディで最適、質を高めるのに効率的な時代があった。
ただ、世界的に見て、その時代は、どうやらすでに終わった。次のフェーズに移行していい。しかし、日本では、その利権を業界やムラが手放さないでいる。
電力システム改革が進められようとしてはいるが、「原発は重要な電源」とするエネルギー基本計画の改定案が示され、再稼働への道をまた、歩もうとしている。守ろうとする流れは続いている。国の変革が進まないのであれば、地域が変わるしかない。
<送電網の開放は>
消費者がエネルギーを選択する時代が到来するのかどうか。これには、やはり"送電網"の開放がなされなければ、実現は難しい。発送電分離を断行し、送電網を開放して、新規参入、競争を促すというステップを踏むのが理想的。もともとは国策として作った発送電網を、ほかの民間企業も自由に使えるようにすべきだろう。
国の進める電力システム改革の中には、発送電分離も明記されているが、「ポーズのみで、本当にやる気はない」と見る専門家もいる。利権に執着するのではなく、長期的な視野で見た国益を重視し、発送電分離に踏み込めるかどうか。
-変化する『地域のお金』とエネルギーのあり方(3)-
<プロシューマーの出現>
地域でエネルギーを作りながら、地域で消費する形が今よりも増え、自然エネルギーの出番が増えれば、生産消費者と呼ばれるプロシューマー(生産して、消費する人の意味)が出現して、普及・拡大の段階で大きな役割を果たす。
消費者が、太陽光発電などを活用することにより、自らエネルギーを作り、生産消費者になることで、エネルギーをうまく、効率的に使おうとするエネルギーの効率化、省エネ、節電のインセンティブも働く。
プロシューマーが、多く台頭し、エネルギーを作って消費するスマートハウスや、家庭の熱と電力を最適化するコージェネレーションなど技術革新が進めば、「もはや巨大電力会社はいらない」という状況を作り出すことも可能だと見られている。しかし、それだけでは足りない。
<自治体は変われるか!?>
このプロシューマーの出現とともに、地域、自治体が変わることも、不可欠。市民の参加だけでなく、自治体が、一歩前へ進むには、首長の決断も大きく、リーダーの決断、舵取り次第で未来は変わってくる。
自治体の首長の中には、まだハコもの誘致のような感覚でメガソーラーなどの自然エネルギー事業を誘致しようとしている人が少なくないという。地域振興策として、または、余っている土地の有効活用のために、自然エネルギーを地域に導入しようとしている首長が多い。
ここを、一歩、前に進める。ハコ物誘致ではなく、エネルギーとお金をその地域でくるくると回し、経済を活性化させる政策という位置付けで捉えなければならない。
先進県である長野県では、地域エネルギーと地域経済を関連深いものと位置付け、一政策として、エネルギー、地域資源、人(雇用)を、地域内で循環させ、経済を活性化させるという目標設定をし、自然エネルギーの普及・拡大に取り組んでいる。
-変化する『地域のお金』とエネルギーのあり方(4)-
<市民出資型エネルギーの息吹>
京都市でも、屋根にソーラーパネルを設置し、市民出資で運営する市民協働発電制度が動き始めている。
エネルギーは地域の資源であり、地域で"生産するんだ"というマインドは出てきている。京都大学経済学部の植田和弘教授は、再生可能エネルギーのさらなる拡大には人材が必要であると指摘する。「エネルギーの分野で、ソーシャルイノベーション(社会変革)が起ころうとしている。ただ、変化には、ファイナンスの専門家といった人材が必要。日本の場合、自治体や、地域の金融機関が果たす役割は大きいと思う。首長にも担当者のなかにも熱心な人はいる。自治体と地域の市民が協働できるかどうか。お金、制度、活動しやすい環境づくりが大事」という。「地域エネルギー金融」の仕組みができ、人材が育てば、よりエネルギーの分散化が加速するというのだ。
<地域でエネルギーを経営する>
江戸時代の日本では今よりも地域とお金の関連性が強かったという。地域で金銭を融通し合った「頼母子講」や、地域で金銭を集め、庶民の相互扶助を行なう無尽など、地域金融のあり方は、現在よりも多様だった。
近現代に入り、地域主体でお金が回る仕組みから、国家財政にお金が回る体制に移行し、大都市にお金が集中しやすい経済の流れができた。
エネルギーに関しても、金融の流れと同じように、一極集中しやすい形ができた。発送電が一括化され、9つの電力会社による地域独占の形が作られた。地域のお金が地域で回るのではなく、エネルギーのお金に関して言えば、地域で独占する電力会社に地域のお金が吸い取られていった。
地域主導による自然エネルギー創出の形ができれば、このお金の流れを変えることができる。「みんなでエネルギーを作り、みんなで消費したり売ったりする」という仕組みができれば、地域に雇用が生まれる。長期的に見て、地域で経済が回れば、大都市への人口流出を防ぎ、一極集中を崩すことにもなる。
-変化する『地域のお金』とエネルギーのあり方(5)-
<地域自立への一歩>
将来的に、日本では人口が減る。エネルギーで自立することは、人口減により疲弊する地域経済に喝を入れる一手ともなりうる。日々の生活に欠かせないエネルギーを地域で作るということは、雇用の創出など、経済的に自立することにつながる。
地域ファイナンスに詳しい千葉商科大学大学院の伊藤宏一教授は、「地域で作ったエネルギーを、たとえば、都市の企業などに"輸出"できるようになれば、地域への経済効果は上がる。今は、だいぶ東京に一極集中していますが、大都市集中経済の過度なゆがみを正すことができるのではないでしょうか」と分析する。
<一極集中は崩せるか>
現在、首都圏で言えば、東京への人口集中が過密。雇用も東京への一極集中。これが行き過ぎれば、今後、人口の減っていく日本では、地方都市の経済的な疲弊が懸念される。エネルギー分野における地域分散は、この大都市への一極集中を崩すきっかけにもなる。
伊藤教授は、「もともと東京にも戦前には、数10社の電力会社があって競争していた。それが、戦時体制下になり、統合、一括化されて一つになった。いまこそ、分散化が必要だと思う。どのように地域にお金を流すかというのはキーポイントになるでしょう」と、語る。
「昔は、地方では炭を焼いて、熱エネルギーを得るなど、地域ごとにエネルギーで自立していた。食とエネルギーは、生活の根幹にあるもので、毎日使うもの。もともと日本には、自然を敬愛する文化がある。自然を利用して、自分たちで作り、自分たちで使い、余った分は外に売ったりできる仕組みができれば、地域の経済は潤う」と指摘。
食と同様、エネルギーの地産地消を今から進めるべきだとの見方を示した。太陽光パネルや風車など発電技術の向上した今なら、地域主導型でのエネルギー創出が可能だ。
生産し、消費するプロシューマーが育ち、地域金融とうまくかみ合えば、「大きい電力会社はいらない」という時代の到来も、現実に一歩近づく。
-引用終わり-
私は既に何度も述べているように、ここ下北地域が「地域主導型のエネルギー創出が可能な地区」に最適であると確信しています。