i氏の海外生活体験記

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耐震化への対応

2013-12-11 12:14:43 | しもきた
12/11東奥日報WEB社説が伝えておりました。

-縦割り行政が安全妨げる/むつ市の耐震化遅れ-

 むつ市は11月末、突然、市民体育館を閉鎖した。震度6強以上の地震で倒壊の恐れがあり、改修の手だてもないと判明した。1976年の開館。老朽化が進んでいた。

 やむを得ない措置だ。ただし、判断が遅かった。9月末、耐震診断の結果を受け取り、基準を大幅に下回ると把握していた。

 せめて、この時、危険性を市民に伝えるべきだった。災害時の指定避難所でもあったのだから、なおさらだ。市内部の連携不足から、避難所を近隣施設に変更する手続きも遅れた。

 指定避難所のうち、48施設で耐震診断が行われていないことも分かった。

 すぐに解決できる課題ではない。耐震診断と改修には多額の費用を要するが、財政状況は厳しい。市にまず求められるのは、各施設の状況の情報公開だ。危機管理には住民の協力が要る。安全・安心な街づくりを妨げている“縦割り行政”の根絶も急務だ。

 「早く伝えるべきだった。深くおわびを申し上げたい」。6日の市議会。宮下順一郎市長が陳謝した。

 市民体育館の耐震診断結果を把握した9月末から閉鎖を決めた11月末まで、危険性を周知しなかった。この間、改修できないか専門家に検討してもらうなど、閉鎖を回避する方法を模索していたという。

 何も知らされないままだった利用者は、ぞっとしただろう。市は9月末に当面の使用中止を決め、理由を明らかにし、その後に改修の可能性を探るのが、順当な手順だった。

 市内部の連携も不足していた。市民体育館を所管する市民スポーツ課が、防災政策課へ第一報を伝えたのは、11月30日閉鎖のわずか2日前。同課は急ぎ対応したが、指定避難所を近くの下北文化会館に変更する手続きと市民への周知は、閉鎖に間に合わず、数日遅れになってしまった。

 危機管理の意識不足。“縦割り行政”の弊害は、根を深く下ろしていた。

 市長が開会中の市議会定例会へ市民体育館閉鎖の経緯を報告することになり、同課と管財課が中心になって、指定避難所の耐震化がどれだけ進んでいるか、情報をまとめた。

 本来、事前に把握していて当然だ。耐震診断の予定、続いて結果と、その都度、施設を所管する課から防災政策課や管財課に連絡する仕組みがなかった。

 一方、今回まとまった状況も深刻だ。115の指定避難所のうち、81年の新耐震基準導入以前に建設された市公共施設は54。うち、耐震診断が行われていないのは48。このほか統合後の旧・城ケ沢小学校は、診断で基準を下回ったが改修は見送っていた。改修済みは5施設にとどまった。

 市は財政が厳しい中でも順次、耐震化を進めなければならない。優先順位を決める必要がある。最新の状況を常に開示し、信頼を回復してほしい。原子力施設が集中立地する下北半島の中心地でもある。安全に関する情報には、ことさら敏感な行政であるべきだ。

-引用終わり-

記事の様子では「遅れたので慌てて対応した」ということですが、兎に角対応したことは悪い感じはしません。本当に言いたかったことは最後の文章で「下北の中心地として原発の安全性にもことさら敏感であるべき」と読みました。

つまり、原発事故の避難計画や避難道路の見通しはどうなっているのか、そもそも現時点で保管している核燃料はテロ災害にも大丈夫なのか、将来どう処理するのか・・・。こちらの方が優先順位が高いような気がします。今話題の市民基本条例で「住民投票」のシステムが出来ないものでしょうか。
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