i氏の海外生活体験記

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レンズ風車を再エネ切り札に

2012-10-11 10:38:47 | 下北の風力発電
10/11毎日新聞が伝えておりました。

-「レンズ風車」を再生可能エネルギーの切り札に=九州大学応用力学研究所教授・大屋裕二-

◇産業革命的視点で推進を

 地球環境問題と同時に、化石燃料の代替、原子力依存からの脱却というエネルギー確保の問題から再生可能エネルギーの開発利用に大きな期待が寄せられている。環境省の報告書(昨年3月)にもあるように日本においても風力エネルギーのポテンシャルはずば抜けて大きい。

 今後の再生可能エネルギーの利用には二つの方向がある。電力の広域融通と、地域循環型を目指す中小規模分散型エネルギーシステムだ。私たち九州大学の研究グループは分散型エネルギー基地のアイデアをいくつか提案し、プロトタイプの研究開発を実施して成果を上げつつある。これらは日本発のイノベーションである。その一端を紹介する。

     *

 風力エネルギーを有効利用するためにレンズ風車と呼ぶものを開発した。

 風車に輪っか(風レンズ)をかぶせたものだ。輪っかが風を遮りそうだが、風車の前後の気圧が変わり、その圧力差で風速が上がる。従来風車の2〜3倍の出力が出る。羽根先端から出る渦が輪っかと干渉し、風切り音を打ち消す働きがあり、運転中も静かで、周囲の景観に溶け込む美しさがある。

 とがった羽根が回る風景が、周囲の風レンズの「輪」によってより景観になじむ「和」が演出されると思う。出力数キロワットの小型風車は実用化されつつあり、数百キロワット、メガワット機への大型化を目指しているが材料の選択や耐風設計により十分可能だと考えている。

 風エネルギーは偏在している。風車というハードの開発とともに、風の吹き方を予測して適切な設置場所を選択することが重要だ。そのための風況予測ソフトウエアも両輪として開発を進めている。

 我々が最も力を入れているのが洋上浮体式エネルギーファームである。福岡市の博多湾沖に直径18メートルの六角形浮体を浮かべ、その上に出力3キロワットのレンズ風車2基と2キロワットの太陽光パネルを搭載した小規模エネルギーファームを実現した。面積機器と言われ、広い土地が必要な再生可能エネルギー機器には、このような複合的利用が特に必要だ。

 「浮き島式ファーム」も多目的で、さまざまな自然エネルギーを複合して供給し、漁業とも共存するため浮き島特有の内部空間を海洋牧場やいけすに使用する。遠海では漁業や資源探査の基地になる。これが日本沿岸域に適切に導入されれば、日本のエネルギー自給率を格段に高める。この技術は、低迷する産業を再生し、雇用を拡大し、地域の活性化につながり、日本の主要な輸出産業にもなり得るだろう。

 風力に太陽光や地熱、水力、バイオマスなどを相互補完しながら利用できれば、再生可能エネルギーだけで日本の総需要電力を賄うことは数値的には可能だ。社会経済システムの転換、電力の流通性の大幅な見直しとインフラ整備の充実など産業革命的、文明転換的なパラダイムシフトが必要だが、人類全体がこの転換点に立って大きな問いかけをすれば、必ず誰かが答えを捉え、問題を克服できると思う。科学は問いで発達してきた。

 誰が未来を見通せるのか。現在、私たちがはっきり自覚できることがある。地球は、時代は、大きく変わろうとしている。自然と共生可能な産業社会になるのだろうか。英国のラブロックによるガイア仮説のように地球はバクテリアから哺乳類、この大気圏、水圏を含み、一個の超生命体である。人類と自然が共生していくには、人間中心から地球を中心としたエコロジーへ視点の転換が必要である。

 ■人物略歴

 ◇おおや・ゆうじ
 風工学専攻。日本風力エネルギー学会理事。06年度日本風工学会技術開発賞、09年日本流体力学会技術賞。

-引用終わり-

偶然でしょうか。つい先日、津軽海峡に大型風レンズ風車を設置すれば国際海峡を通る外国船も日本の技術に驚嘆するでしょう、と記載しました。昨日は、再生炭素繊維の新技術を洋上構造物に利用できないか、問い合わせをしました。

タイムリーに新聞記事に風レンズの開発者のコメントが記載されて驚いています。

実証実験を津軽海峡でもどうでしょうか。
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