i氏の海外生活体験記

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岐路に立つ青森

2012-09-26 18:16:57 | 大間原発の中間貯蔵化
9/26毎日新聞青森版が伝えておりました。

-原発ゼロの衝撃:岐路に立つ青森/6止 内憂外患 大間原発、対岸から反対 /青森-

 ◇県内からは安全対策求める声

 「核燃サイクル反対」「工事を再開するな」

 6月17日、大間原発20+件隣の民有地から大間町役場まで約2キロの道のりを、垂れ幕やのぼりを掲げた約200人のデモ隊が練り歩いた。町内では初の本格的な反原発デモだ。

 参加者の多くは、北海道函館市で建設差し止めの訴訟を起こしている市民団体「大間原発訴訟の会」など町外の住民。木工店勤務の伝法(でんぽう)義信さん(43)は、参加した数少ない町民の一人だ。

 6年前に東京からUターンした伝法さん。原子力船むつの放射線漏れ事故やチェルノブイリ原発事故のイメージが、ずっと心の隅にあった。福島第1原発事故で「原発は怖い」とはっきり感じるようになった。同級生などにも呼びかけているが「原発の工事が始まってもらわないと、仕事に影響する」と、反応は今一つ。しかし、伝法さんは確信している。「みんな怖いものは怖い。原発に関わる仕事の人が多いから声に出せないだけだ」

 大間町は、全国で最も原発に「近い」町の一つだ。約6100人の町民のほぼ全員が、大間原発から5キロ圏内の「予防防護措置区域(PAZ)」に住む。福島第1原発のような事故が起これば、全町民が即時避難しなければならないことを意味する。対岸の函館市も、原発から最短で23キロ。屋内退避などが必要になる30キロ圏内の「緊急防護措置区域(UPZ)」に市民約5300人が住む。

 福島原発事故以前は、原発から8〜10キロ圏の防災対策を考えればよかった。それが一挙に30キロまで広がった。だが、どのように住民を避難させるのかなどを事前に定める「地域防災計画」を立てようにも、国の指針すら決まっていない。金澤満春・大間町長は「事故後に安全対策が取られており、避難が必要な事故はありえないと思うが、建設工事と防災計画策定は並行して進める」との立場だ。しかし、工藤寿樹・函館市長は「財政的に支援されている立地自治体だけの同意では納得できない。少なくとも30キロ圏内の自治体の同意を得るべきだ」として、大間原発の無期限凍結を主張する。津軽海峡を挟んだ両市町の対立は、激しくなる一方だ。

    ◇

 安全対策を求める声は県内でも上がり始めた。

 「避難道路の整備にめどがつかなければ、建設再開は認めない」。大間町に隣接する風間浦村議会議長の蛸島敏春さん(78)は強調する。

 きっかけは、村を東西に結ぶ唯一の道路である国道279号が、東日本大震災から2日間、津波警戒で通行止めになったことだ。「原発よりも、津波対策を優先すべきだ」との思いがある。7月12日に県に提出した要望書では、同国道のバイパス道路の整備に加え、事故時の拠点となるオフサイトセンターも、大間原発から10〜20キロ離れた村内に設置するよう求めた。

 大間町と風間浦村、佐井村3町村の合併が、大間町の反対で不調に終わったことも背景にある。大間原発建設に伴い11年度までに受け取った電源3法交付金は、大間町の117億円に対し風間浦村は22億円。「まんじゅうは一人で食った方がうまい、という理屈だ」。蛸島さんは不信感を募らせる。

    ◇

 政府が建設継続を容認したことで、工事再開のお墨付きを得た大間原発。Jパワー(電源開発)の北村雅良社長は「新しいエネルギー政策を検討し、再開の是非を判断する」としている。

 だが大間原発は、安全対策を巡り県内外から批判を受ける「内憂外患」の状態だ。「国内初」のフルMOX原発は果たして完成に至るのか。もし稼働できても、それは将来、「国内最後」の原発となるのかもしれない。=おわり(この企画は酒造唯が担当しました)

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 ■ことば

 ◇大間原発
 国内で初めて、全燃料にウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使うプルサーマル原発で、出力138・3万キロワットの改良沸騰水型。もともとは新型転換炉ふげん(福井県、廃炉中)の実証炉を建設する予定だったが95年に中止となり、代替炉として計画が変更された。08年5月に着工し、昨年3月の東日本大震災で工事が中断している。同月時点での工事の進捗(しんちょく)率は37・6%。

-引用終わり-
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