「お待たせしました。上げ底定食でございます」
「おー! すごいボリューム感だ!」
「あなた、食べれるの?」
「いやどうだろうか」
「まずは写真ね」
「おー、そうだ」
チャカチャンチャンチャン♪
「ごちそうさん」
「案外大丈夫だったみたいね」
「ああ、見応えもあったし」
「写真映えもしたし」
「ダイエットも継続できた!」
「それが何より大事ね」
「勿論だ。ぜびシェフに会って直接お礼を」
チャカチャンチャンチャン♪
「彼は大変忙しいので……」
「おや、この声はどこから?」
「この下からみたいよ」
突然、器の下からネズミが姿を現した。
「私が上げ底を下から支えていました」
「ほほ、そうだったとは」
「まあ、かわいい」
「ありがとう! ぜひシェフによろしくお伝えください」
チャカチャンチャンチャン♪
「いいえ、チップは結構です」
ネズミはバナナチップを断って厨房へ去って行った。
「なんと清々しいスタッフだろう!」
「ええ、本当に!」