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眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

第二章(折句の扉)

2018-02-22 16:47:21 | 折句の扉
第二章まで進むことができたら
そこに新しい景色と頼れる友が待っている
君は未来を胸に今を生きていた

もうすぐか あと少しか
その時がくることは知っているのに
その時がいつくるのかはわからなかった
助走のために用意された道程は
君が思い描いていたよりもずっと長い

「第二章まで進みことができたら」

淀んだ空気に自分を見失いかける度に
君は自分に言い聞かせながら歩き続けた
きっともうすぐだ 
もう間もなく訪れるはず

その時は訪れなかった
長い第一章だ

どれだけ先は長いのだろう
物語が一頭のクジラだとすればまだ尾鰭にも触れていない
そんな不安の中を君は独り歩き続けた

険しい上り坂の向こうで賢者が言った
「いよいよここから第三章だ」
違う そんなはずはない
こんなにも長かったのに 
こんなにも独りだった

君は後ろを振り返った
細い一本道がただ真っ直ぐに延びていた
違う そんなんじゃない

「かまわんさ」賢者は言った
「ここから劇的に変わるのだ」
賢者の投げた鍵が君の手へと渡る
それは折句の扉を開く鍵だ


大いなる
二章へ続く
旅立ちを
今はひとりの
寝台で待つ

折句 短歌「鬼退治」

フェイク・ペーパー(アクロスティック)

2018-02-22 10:40:09 | 短歌/折句/あいうえお作文
 鬼退治を繰り返す度に気づかされることは、鬼を倒すことの難しさだ。計算外の事が常に起こるので、思うように事が進まないのだ。弱点を突いたとこちらが思っていても、完全に逆効果であるということがある。むしろそれは鬼を活性化させるスイッチだったりする。鬼は倒されるどころか喜んで向かってくるというわけだ。
 思い込みとは恐ろしい。鬼退治を繰り返す内に、基本的なことを何度も思い知ることになる。


おっかない
人間街で
絶え間なく
今を牛耳る
紙面の都合

折句 短歌「鬼退治」