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金環蝕

2012-05-22 10:02:32 | 日記
 神々しい金環日食の様子をご覧になった方も多いだろう。テレビがこぞって世紀の天文イベントだとして中継し、人生に一度しか自分の住んでいる地域で拝めないと言われたので、やはり気になって空を仰いでしまった。消費者庁が日食用メガネの注意喚起をしたり、日食に反応するのではと言われたチンパンジーが餌に熱中していたりと、多岐にわたる話題を提供してくれた日食であった。そんな中、天文学的なテーマと別に、私が思い出したのは2つの文学作品「金環蝕」である。

 久米正雄も石川達三も、「外見はきれいで栄光ある様子だが、内面が腐ってしまっている様」を「金環蝕」のタイトルを冠して示した。2作品ともに決して軽いテーマの作品ではないが、内面の暗さを強調することで、本来の人間のあるべき姿を現した作品といえるだろう。外面と内面の葛藤。最近、これについて考えさせられたのは、先日のNHKスペシャルで放映されていた「職場を襲う 新型うつ」である。

 常にうつ症状を呈しているわけではなく、仕事以外の生活は普通にできること、その原因が周囲から見ると自己中心的な考え方であることなど、一昔前のうつとは異なる点が多く、周囲の理解が得られずに更に孤立するという。「単なる怠け病」と見える場合でも、診断書の出る「病気」であり、本人の中では「俺は悪くない!」と考えていたりするので、たちが悪いのである。番組内のドラマでは、新型うつの人が上司に怒られただけで発症してしまったり、休暇中に飲み会に行ってしまったり、挙句の果てにブログに上司の悪口を書いたりと、理解しがたい行動に出る若者の姿を描いていた。あくまでもドラマなので、演出の範囲で実態が全てそうではないのだろうが、過去の経験に照らし合わせてみたときに、こういう場面に遭遇したこともあった。遠い世界の話ではないと感じる。

 様々な立場の専門家のパネルディスカッションの中で、特に共感したのは、尾木ママこと尾木直樹氏の教育システムの変化に一つの原因を見出す指摘である。「ゆとり世代」と一括りにしていいかは別にして、現在の教育現場で子どもたちに何を求めているのかが、他の世代に知られていないことに起因するというのだ。1990年代以降の教育の主眼は、乱暴に言えば「個性・自主性」と「努力評価」という2つのポイントに集約される。「自分らしくしなさい」と言えば聞こえはいいが、その考えが集団秩序に優先したときに、「わがまま」となってしまう。どのようにそのバランスを取るのか、バランスを取るために必要な社会性や知識をどのように得るのか。これを教育の現場で伝えきれていないように感じる。「努力過程を評価する」ことも否定しないが、結果を評価しないこととは相容れない。番組ではそこまで指摘されなかったが、モンスターペアレント問題での教育者の委縮は、想像以上のものがあるのだ。しかし、繰り返して言うが、本質的な問題は教育システムそのものではなく、そのシステムが理解されていないことである。

 これまで述べてきたことは、大なり小なり今の20~30代の特徴と言えるのだが、もちろん全ての人が当てはまるわけでもない。むしろ、「我々の頃はこうだった!」とか、「自分はこうしてやってきた!」という上の立場の人間の導き方こそ、新型うつの最大の原因と言えるのだろう。こうした特徴を踏まえて、さらに個々人の本当の内面を、目線を合わせ、歩み寄りながら把握して対応すべきだ。教育の現場にいた者として、今の若者に何かを教え込む最大のポイントは、心の底からの共感である。それをお互いに感じながら仕事をする工夫が必要なのである。若者からこれを作れるとは思わない。上司や先輩が手を差し伸べてあげることから全てが始まると考えてほしい。

 と、偉そうに書いてはいるが、自分も手を差しのべられているか、自戒の念を抱きながら書いている。そんな中でも一つの救いは、石川達三の「金環蝕」に出てくる人物たちと違って、若い力はピュアで一点の曇りのないことだ。あとはその力を最大限出してあげれば、いいのだから。(啓)


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