い~すと の 愚痴

ある鉄道会社で車掌をしている"い~すと"が語る愚痴

20年前といま バリアフリー その2

2015年10月30日 23時50分44秒 | 鉄道員の愚痴
前回は、20年前と比べてエスカレーターやエレベーターがどの駅にも整備され、ベビーカーや車椅子の方も外出がしやすくなり鉄道の利用も増えたものの障害が完全に解消されたわけではないというお話をしました。
今日はバリアフリーの代表的な例であるエスカレーター・エレベーターがあってもなお残るバリアについてお話します。

1つ目が列車の乗り降りです。
エレベーターによって出口から改札口、改札口からホームまで介助の必要がなくお客さま自身で移動できるようになりました。しかし電車とホームの間の段差・隙間は完全に解消はされず、乗り降りの際は駅員がスロープ板を用意してご案内しています。
最後の最後で係員が必要になっています。もちろんこれも駅員の仕事ですから快く承りますが、時間が掛かってしまうこともあり申し訳なく思うこともあります。
車椅子のお客さまのご案内は、事務室やホーム担当の係員が行うことが多いのですが、利用が増えたことで大きな駅では専門の係員が居るところもあるようです。

2つ目が、混雑の問題です。
ベビーカーでのエスカレーターのご利用は安全上ご遠慮いただいてます。エレベーターにベビーカー、車椅子のお客さまのほか足腰の悪いお客さまな大きな荷物のあるお客さまも利用します。利用が集中し列車から降りたお客さまを一度に運びきれず、次の列車が到着する直前までかかってしまうことがあります。
エレベーターはそう簡単に増やすことはできず、解消には至っていません。逆に年々少しずつ悪化しているように思います。

最後に車掌目線からすると、ベビーカーのお客さまの駆け込み乗車が非常に多く危ないと感じています。閉まりかけたドアにベビーカーを突っ込んでくるわけですからベビーカーに乗っているお子さまのことを思うとなぜそんな危険な行為ができるのか不思議でなりません。
私たちもドアの開け閉めにはとても気を使っておりますが、駆け込み乗車のお客さまのドア挟まりは完全に防止できません。エレベーターから降りて電車に乗ろうとしたらドアが閉まったということもあるようですが、笛や放送、発車ベルなどで喚起してからドアを閉めるまでの一瞬の間で起きることが多いようです。
どうかベビーカーでのご利用の際はいつも以上にゆとりあるご利用をお願いします。

このようにバリアフリーが進んだことで利用しやすくなった反面、新たな問題が発生しています。
鉄道会社として解消にむけた取り組みが必要ですがまだまだ不十分です。今後少しずつ変わっていくことと思いますので、今日もみなさまのご利用をお待ちしてます。

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