い~すと の 愚痴

ある鉄道会社で車掌をしている"い~すと"が語る愚痴

地震が発生したら電車は

2016年05月18日 00時10分57秒 | 鉄道員の愚痴

日付が変わりましたので一昨日(5/16)の夜は、茨城県南部を震源とする大きな地震がありました。茨城県小美玉市で最大震度5弱を記録しました。
目立った被害はなかったようですが、みなさま大丈夫だったでしょうか。

私は都内でJRに乗っておりましたが、お客さまの携帯電話から一斉に緊急地震速報のアラームが響きました。震源が茨城県だったためか、電車は緊急停車することなくそのまま運転が続けられました。一瞬、帰宅難民になるのではという思いが頭をよぎりましたが、何事もなく帰宅しました。
帰宅してニュースを見てみると、常磐線は線路点検が必要になり運転を見合わせていると報じていました。運転再開は2時を過ぎていたようで、被害はなかったとはいえ利用されていた方はお疲れさまでした。

さて、ここでは地震が起きたときの鉄道の対応ついてご紹介します。
地震が発生した場合、鉄道会社は自社が設置している地震計の観測に基づき、運転見合わせや徐行運転を行うかを判断しています。

判断する基準は会社に異なりますが、簡単な目安は、
震度3以下運転再開(通常運転)
震度4徐行運転
震度5弱以上徒歩による点検が必要(運転見合わせ)
です。これを覚えておくといいと思います。
(あくまで目安です。会社により判断基準は異なります。)

多くの鉄道会社は緊急地震速報を受信するとまず停車します。揺れが収まったら地震計の観測に応じて、運転再開徐行運転運転見合わせかを判断します。
徐行運転は、徐行で運転しながら異常の有無を確認します。
徒歩点検は、係員が歩いたり点検用の軌道自転車(線路を走る自転車です)で異常の有無を確認します。

地震で心配される被害は、レールが曲がったり、法面や築堤の崩壊、架線や電柱の損壊などが考えられます。被害があることは少ないですが、点検して安全が確保されなければ列車は運転できません。
徒歩や自転車で点検をしますからどうしても時間を要してしまいます。徒歩点検の場合、3~6時間は掛かると思ってください。

新幹線は速度が格段に違いますからいち早く速度を落とす必要があります。そのため、大きな地震が起きると変電所からの送電を止めることで非常ブレーキをかけます。
地震があると「新幹線で停電」と報道されますが、決められた地震発生時の初期対応であり、変電所が正しく動作している証拠ですから心配はいりません。電力関係に異常がなければ送電は再開されますし、在来線と同じく運転できるか否かを判断します。

地震による運転規制については2015年6月9日の日記にも書いてますので併せてお読みください。