年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

羽州街道-泣いた赤鬼

2007-10-02 | フォトエッセイ&短歌
 安久津古墳群。この地域一帯の古墳群の総称で墳形:円墳:横穴墓など40程が確認されている。東北<みちのく>もヤマト政権との活発な交流を持ちながら古墳時代に入り、独自の文化を形成していたのである。しかし、奈良の都から遠く離れていた事もあって蝦夷(えみし)と呼ばれ異民族と恐れられた。征夷大将軍はこの蝦夷を征伐する将軍の職名である。
 また近くの「日向洞くつ」(国指定遺跡)からは縄文時代の最初の頃(1万年前)の土器が発見され、厳しい東北にも長い人々の生活があった事を物語っている。狩りの時代から農耕の時代に、そして権力を持つ豪族達の社会に緩やかに発展していたのだ。
 復元家屋は縄文時代の竪穴式住居で全国的に均一の設計である。山の麓の日当たりの良い湧き水の出る場所に位置している。鴨が長閑に細波を立てている。
 

 高畠町はマツタケの産地であった。「松茸狩り」は2,000円也で取り放題である。松茸が出ていそうな松林(松茸山と云うのだそうだ)に入山する権利(入山券)を購入し、「松茸狩り」を楽しむ。イチゴ狩り・ナシ狩りを連想したらトラブルのもとです。マツタケがポコポコ出ている錯覚に陥ったらおしまい…。「松茸探し」と心得るべし。そもそも素人には枯れ草と松茸の区別さえつかないからマア無理でしょう。
 しかし、権利金2,000円の代価として「松茸探し虎の巻」が与えられる。
①日当たりが良い場所は、採れるらしい。②雨の日の次の日は採れるらしい。③群生している可能性があるらしい ④松の木の根元だけでなく、広範囲に探すといいらしい ⑤松の根と岩が入り組んでいる所がいいらしい。
 敵もさすがですネ。<採れるとは云わないで⇒らしい!>
     

 「まつたけブドウロード」を越え九十九坂を登ると山形と福島の県境となる鳩峰峠である。これで高畠町ともお別れか… 峠の展望台に登ると米沢市街が煙って見える。そして雑木に隠れるようにして現代日本児童文学の先覚者、日本のアンデルセンと称えられた浜田広介氏の文学碑がある。広介氏が高畠町の出身であること知る。1921年28歳で最初の童話集『椋鳥の夢』を刊行。
 『ないた赤おに』(浜田広介作)……<わたしは、おにに生まれてきたが、おにどものためになるなら、できるだけよいことばかりしてみたい。いや、そのうえに、できることなら、人間たちのなかまになって、なかよくくらしていきたいな> 心優しき赤おにの物語を思い出す。まだ人間が「鬼になっていない」頃の話で子供たちが子供たちとして輝いていた時代の事である。<羽州街道:終>


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