年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

陽射し<6>辛夷咲く

2010-03-19 | フォトエッセイ&短歌
 春まだき冷たい風の中で、他の木々に先駆けて白い花を梢いっぱいに咲かせるのがコブシ(辛夷)である。葉に先立って花を咲かせる木々は少なくないが、コブシの花は特段の役割も持っている。
 北国では、その昔、農耕自然歴のめやすとし、辛夷が咲くと田の仕事にかかる準備をしたという。そのために「田打ち桜」「種蒔桜」と称して開花に併せて種を蒔いたといわれる。芳香を放つので香水の原料にもなり、漢方薬の原料の定番でもある。
 山里に湧き出る霞のように咲くコブシの風情は目を見張るものがある。雪白色の花は清純であり美しさの中にも寂しさ、侘びしさを感じさせる早春の花だよりである。

<千昌夫の「北国の春」~白樺 青空南風 こぶし咲くあの丘 北国の ああ~> 

 花は清楚であるが、実は何とも不格好でゴツゴツして、手を握った時の関節のようなところから「こぶし」と命名されたという。秋には朱の綺麗な実になって鳥たちに運ばれて行くのだが…。
 コブシは3月24日の誕生花で花言葉は「信頼」である。公園には多くの彫刻が並んでいる。辛夷の脇に中国から贈られたという花崗岩の大きな彫像がる。タイトルは「一衣帯水(いちいたいすい)」とある。

<石像の隆々たる作品だが、何か帯水を感じさせる穏やかな表情がいい>

 「一衣帯水」から少し離れた竹に囲まれたところには「?」がある。彫刻芸術はなかなかむずかしく観賞とまではいかないが、何かユーモラスなほのぼとした不思議な感じもなくはないのだが。

<腕とか手とかを表現しているのでしょうか。SFにでも出てきそうな形がだが>


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