年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

初春<2>浅間神社

2010-01-07 | フォトエッセイ&短歌
 多摩川を越える手前に東急東横線・目黒線の多摩川駅がある。東急多摩川線の始発駅にもなっている。昔、多摩川園という遊園地があって観覧車、軟球を使ったバズーカ砲、ウヰスキーの樽型ジェットコースターなど子供達の夢の世界を演出していた。1964年の東京オリンピックの年には入場者100万人を記録した。その後、衰退の一途を辿り1979年には閉園。駅名も多摩川園駅から多摩川駅に変更された。
 その駅の右手の丘陵に浅間神社がある。いつも人影もない神社だが新年元旦で長蛇の初詣客でいっぱいである。なるほど新年なんだ!

<いつも閉じられている神楽殿からは笛や太鼓のお囃子が新年を寿いでいる>

 丘陵上にある浅間神社の裏は∪状に削り取られその底を東横線が疾走していく。∪状地の向こう側は多摩川台公園(大田区田園調布一丁目)で亀甲山古墳・宝莢山古墳など10の古墳が存在する多摩川台古墳群である。この多摩川を見下ろす丘陵は原始・古代文化の栄えた地域で、今でも浅間神社の周辺から土器を見付けることが出来る。
 時代は下って源頼朝が豊島郡滝野川に出陣した時、夫の身を案じた北条政子が後を追って多摩川まで来ている。その時にこの多摩川台の浅間神社に登り富士山を仰ぎ見て、夫の武運長久を祈り、身につけていた正観世音像をこの丘に建てたという。

<神殿の前には穴が掘られ、旧年の注連縄やお札など神符が焚かれている>

 浅間神社と多摩川台公園を抜けて多摩川を渡る東横線。川面は穏やかな初春の陽を映してキラキラと輝いている。日本海側は冬型の気圧配置が強まって大荒れの空模様が続くが、それに反比例するのが太平洋側である。
 二十四節気の「小寒」で寒さが厳しくなる時期、暦の上で「寒の入り」となったが、仙台地方では3月下旬並みの9.0度まで上がった。
春の気配とか、温暖化の影響とも…。明るい話題の一年であって欲しい。

<右手の丘陵が多摩川台公園。奥が田園調布で長嶋邸・鳩山邸などの豪邸>


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