年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

初春<1>祐天寺の鐘

2010-01-02 | フォトエッセイ&短歌
 2010年元旦 日本海側は大荒れの空模様と伝えられている。関東地方は穏やかな新年を迎えた。昨日の今日で特段の違いがあるわけではないが、一夜明けると新年となりモノ皆一変して新たな装いとなる。
 「除夜の鐘」の大仕事を終えた梵鐘(ぼんしょう)と撞木(しゅもく)が一休みしている。人間共が抱えている108の煩悩を除去するためにインインと響き渡った鐘の音。煩悩解脱・罪業消滅が消え失せ新たな出発となる。107声までは旧年に、最後の一撞きが新年を迎える警策となっているとか。
 祐天寺の鐘は1728(享保13)年に6代将軍徳川家宣の追善のため、正室天英院(煕子:ひろこ)夫人が寄進、葵(あおい)の紋付き紫縮緬(むらさきちりめん)の幕を張って盛大な鐘供養を行ったとある。

<撞木が揺れる。口径102cm、目方1,200kgもある巨大なものだ>

 明顕山(みょうけんさん)祐天寺(ゆうてんじ)は東横線祐天寺駅から徒歩5分の地にある。開山は江戸中期の名僧祐天上人で浄土宗の名刹として知られる。
 門松(松飾り)は年神を迎えて祭る依代(よりしろ:神が宿る所)として屋敷の門口に立てる。しっかりと年神様をお迎えしないとその年は不幸になるという。
 新年の神事の風習である。ところで寺も神頼みをするのか… 孟宗竹を斜めに切って松の木を添え注連(しめ)を掛けた立派な「本飾りの門松」がありました。

<寺が神を迎えるというのも面白い。仏様は御心が広いという事だ>

 『酒に十の徳あり』 その九に「酒は万人と和合できる」その十が「酒は独居の友となる」とある。どちらも酒好きなら一度や二度は経験した事で思い当たる。盛り上がって固い絆を確認したことや嫌な事を一人しみじみ独酌で癒やした事も思い出す。
 静かな街角の酒場も新年を迎えた。「酒は百薬の長とはいへど、万の病は酒よりこそ起これり」と吉田兼好は『徒然草』に記している。「酒極まって乱となる」とも自戒!自戒!皆様の健康とご多幸とご活躍をお祈り申し上げます。それでは本年もよろしくご訪問下さいませ!

<熱燗よし 冷酒またよし。友よ 来たれ。酒場のウダは庶民の民主主義>


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