年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

お孫さん

2015-06-17 | 俳句&和歌

◇◇◇  お孫さん

 新聞の投稿欄に80歳を越す男性が、10年以上継続し楽しみにしている同窓会の思いを書いていた。長く続いた秘訣は「孫の話題」は遠慮するという暗黙の了解だという。
 私には頷けるものがあった。決めた訳ではなく、何となく「孫の話題」には触れないようにしてきたと言うのが面白い。実は全くのところ「孫の話題」には辟易とさせられる。ご丁寧に写真を回し見せる者もいる。ニコニコ顔で写真は手にとるが胸の内は穏やかではない。
 「あなたのお孫さんが、いかに賢く可愛くてジイジに似ていようともワシには関係ないし、かといってどうでもいいとは云えないし、孫のいない者のひがみとも思われたくないし、風深だろうと花子だろうと名前の由来を得々と解説されてもナ~」
 こんな話題で盛り上がって散会ともなれば次回の同窓会には二の足を踏む事になるのは必定である。
 私が密かに恐れている3点セットがる。その一つがこの「孫の話題」であり、他の二つは「世界漫遊記」と「家庭菜園」である。「世界漫遊記」と「家庭菜園」の悩ましさについてはまたそのうちにと言うことで!

 今年竹葉ずれの音もぎこちなく猛者を凌ぎて天突く勢い

 尼二人千鳥ヶ淵の墓苑背に問う人あれど身じろぎもせず

 犬乗せた車椅子押す老人あり我にもワンをしなさいと諭す

  

  ベランダに雑草一本夏は来ぬ

  補聴器を決断したと奔り梅雨

 

※今年竹(ことしだけ)=竹の子から成長した一年目の竹。新竹。
※雑草(あらくさ)=荒草、ざっそう。


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