年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

霜 降

2006-11-03 | フォトエッセイ&短歌
24節気。太陽の黄経360度を24等分した季節を示す用語、なんて面倒な説明になるが秋分・立春とか、冬至・夏至とかのあれである。古代中国で用いれられた季節の区分法であるが、中国の暦を使っていた日本でもそれを使用し、暮らしや農作業の目安にしている。
11月は霜月である。寒冷前線が北の方から下がってきて思わずブルッと来る。涼から寒へと変速機が設定される。24節気では<霜降>にあたる。




退職後、八ヶ岳山麓の山小屋に隠棲した書家白堂翁(書の主)はすっかり自然にとけ込んで24節気の中で生きているのか、節気が変わる毎に墨痕鮮やかに一筆したためてメッセージしてくる。メールに筆というアンバランスがかえって新鮮である。何でも四国の山寺の倅だったと言うから親父の筆使いを見ながら育ったのかも知れない。マア御高覧あれ。
しかし<芸術は時にしばしば凡人を悩ます> そこで読み下し(初旬に)霜初めて降る (中旬に)小雨時々降る (下旬に)紅葉つた黄ばむ (2.4.6行は漢文で中国の説明なので潔く諦めるべし) 『霜降や 朝しらしらと 繭の色』(小坂文之)<霜も繭も知らないイマドキのガキには分かるメ~>


代々木から千駄ヶ谷に抜けるイチョウ並木

それにしても<霜降>る気配は全くない。公孫樹並木は濃い緑で装い紅葉の雰囲気ではなく、緑葉のまま突然枯れ葉となって飛ばされるのではないか。「彩りが毎年毎年遅くなる。地球温暖化実感ですよ」とカフェテラスのオヤジさんは嘆息。
自然が蝕われ、人の心が蝕われ、アレモコレモ蝕われようとしている。とうとう教育基本法や憲法など国家の背骨をも蝕もうとしているとんでもない輩が賑々しく跋扈している。

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