年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

隅田川<24>人形町

2010-06-14 | フォトエッセイ&短歌
 日本橋人形町は日本橋地域のど真ん中に位置する。事務所・商店・飲食店・住居が混在する街並みで、路地を広くした程度の一方通行の道路が伸びる。特に甘酒横丁という飲食店が軒を連ねる通りはごった返している。
 江戸時代、庶民の娯楽として盛況だった歌舞伎小屋や人形芝居の中心地で多くの人形を操る人形師が住んでいた。そのために、人形を作る人、修理する人、商う人などが大勢暮らしていたという。現在の歴史と伝統の下町情緒の残る小粋な界隈として活気のある繁華街になっている

<甘酒横丁交差点。飲食店・土産物屋が建ち並び、週末には観光客で賑う>

 朝は魚河岸、昼は歌舞伎、夜は吉原に人々が繰り出し、「朝昼晩三千両のおち処」と唄われたという。現在もそんな雰囲気がなくもない。
 例の有名な人形焼き、今半のしゃぶしゃぶはもちろん、漬物、和菓子、煎餅など美味しい名店がずらりと並ぶ下町情緒溢れる街並み。で、時がたつのを忘れないように、火の見やぐらをデザインした時計台がしっかりと時間を知らせることになっているとか。

<人形町通りの時計台。江戸職人姿の人形が、時間になると木遣り歌う>

 人形町通りの時計台を箱崎方向に向かうと水天宮前交差点だ。前方には首都高速道路の箱崎ジャンクションが、鉄とコンクリートの東京砂漠を象徴するように、お江戸日本橋の下町情緒の空を塞いでいる。
 そんな無機質化する街に潤いを添えようと街並みに工夫がなされているのが嬉しい。江戸の風情を演出した水天宮前のバス停とか歴史ガイド版などが街並みの景観を演出している。交番も一役買っている。

<水天宮前交差点の交番は水天宮に合わせたユニークなデザインである>