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「じぇんごたれ」遠野徒然草

がんばろう岩手!

彷徨える虎猫

2007-01-30 15:44:58 | 歴史・民俗
 一面の濃霧、天気予報では晴天で本日も春を思わせる気候とか、そんな中、今年初の城館跡探訪を実施、上郷の方々には失礼な言い方ですが、熊出没地帯という印象の上郷、それも細越地域、春先やら晩秋の頃の探訪となりますとかなりの確率で出くわす確率が高いと判断して、まずは森の下へ・・・・・。

森の下からの六角牛山

 森の下館と思われる山野から・・・

観音堂



平野原館跡




 平野原館
 菊池将監吉武(平野原備後)故あって遠野に至り、阿曾沼広郷に仕えるも、慶長5年(1600)遠野の政変で主家阿曾沼氏没落、浪人となる。
 後に南部利直に召しだされ菊池吉成(平原助左衛門)旧領平野原村に35石。
 遠野南部氏が八戸より入部の際に遠野を離れ南部藩士として存続・・・・。

 比高10mの平山城で空掘跡や稲荷社、姫森といったものが残されていると資料には記述されますが、現地にてご年配のご婦人に声をかけて聞いてみますと、いつの頃か不明ながら、大水が出て、館跡は鉄砲水で流されてしまったとか、さらに家人がトラクター等で整地して畑としてしまったらしい・・・・とのこと。

 背後の山野が気になるところでしたが、森下館、平野原館共に空振りといいますか、彷徨っただけで終りましたが、いずれまた再調査が必要と考えております。


 さて、彷徨ついで、しかも不完全燃焼ということで、笛吹童子さんや山猫さんとこのエントリーで気になっていた象坪山(土淵)へ・・・・。

土淵町大楢方面


 愛宕社のある場所から山登り開始、まあ正規な道順かと思いましたが、まずはこの山が館跡だったのか、柏崎館であったのかの検証が第一でもあり、頂上に着いたらそのまま北西側をくまなく探訪といいますか山野徘徊となりました。

頂上



 勝軍地蔵といいますか、愛宕さんがあった証でもあると思います。

 頂上、その周囲、結論からいえば館跡らしい形状は皆無でした。
 また、もしかつて館があったとしたならば、北西側、すなわち小烏瀬川方向に何かしら遺構が展開されている可能性があると判断、それは海岸方面からの街道といいますか交通や軍事的な要衝という位置づけが考えられ、正面をこの方面とするのではと考えてのことですが、早速北西側を探訪、しかしこれといった形跡は皆無、さらに水の便などを考慮すれば、居舘とするのは無理があるのではないかと判断いたしました。

 北西側の下部には土塁らしき形状も確認できましたが、これはその中央が整地された形跡があって近年であろうという雰囲気も感じられ、この山に館があったとしたならば水光園側の南東側ではないのか、また愛宕社で地元のご年配の男性と話をしたが、柏崎館は水光園から山口へ抜ける途中の高い山だと聞いたことがあるが忘れてしまったとのこと、さらに柏崎在住の同級生が柏崎館は自分の家の近くの共同墓地のところだということ、このことから柏崎館はもう少し南東方向にあった可能性が高いという結果となりました。

 今年初の館跡探訪は、山野を彷徨った割には目当てのものに出会うことがなかった館めぐりでした。


 ちなみに郷土史家の先人、故菊池春雄先生、故荻野馨先生のお二人は年に何度もこの象坪山に来られて色々と調べていたそうです。
 館跡じゃなくても何かしらあったものなのか?

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8 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
いよいよ (とらねこ)
2007-02-01 15:14:51
バルタザールさん・・・笑

いよいよ山猫さんの来遠近しですね。
象坪山の北側半分はまずは探訪済み、残りは南側といいますか東側となりますが、柏崎館はいずこ・・・?

よくよく郷土資料を見てみますと住所表示は山口の5地割内となっており、小峯社が祀られてあるとか、地図で確認しますと水光園から山口へ抜ける道沿いで水光園の直下辺りという雰囲気、高室山を背後に三角形の山というのもございましたが、水光園への入口、右側の山野が下から見ると三角形・・・・まずはこの山から攻めてみたい考えております。

ご来遠の際はミニぶれんどを催して地図でも広げて山口から笛吹峠の古道探しやら、色々と語りましょう・・・・。
遠野滞在期間中、一日位ならどこかご同行してもかまいませんよ。
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熱い!! (バルタザール)
2007-01-30 22:14:25
今や遠野中で一番ホットな空間となりましたね。
象坪山!
なにやら儀式の跡が見受けられますね。
やはり見捨てられた遺構ではないのですね。
安心しました。
で、柏崎館はいずこに???
高室稲荷の山ですか?
それとも二つ岩山の方ですか?

謎は深まるばかりです。
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お伊勢さん (とらねこ)
2007-01-30 20:53:12
たま千代さん
上郷森の下のあのアジサイの神社です。
その背後(南)の山野であると目星をつけて行ったのですが、空掘といわれる溝は何箇所かは発見したのですが、主郭と思われる中心的な平場が特定できない、しかも隣接山野にも空掘があったり・・・しかもかつての山道跡らしき雰囲気も・・・・さらに隣接の峠の西側山野かもしれません。

さて、象坪山・・・須崎から水光園に入るように左折して直ぐ左折、そのまま道なりに進むと愛宕神社が見えます。そこから進入いたしました。まったくの正攻法です・・・笑・・・降りた場所は和野の川向の野辺でした。
でも林道が付いていて愛宕社までは帰って来れますよ。
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愛宕山だじぇ。 (玉千代)
2007-01-30 20:37:52
愛宕山、象坪山がいまアツい・・・・
これで、遠野ぶれんど三賢人の面々が取り上げたことになりますか。
バルタザールは誰ですか(笑)?

色んなトコで何度かお目にかかっているウチに行ってみたくなりました。
「おひねり橋」のトコから入ったんですかー?
この暖かさを生かし、冬の間でも舘巡りが出来そうですね。
折角だから利用しないテはないような気がします。

森の下・・・・何処かで見たような斜面です。
アジサイ神社の近くですかー?
六角牛が面白い形に見えますね(笑)。
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雪はほぼ無し (とらねこ)
2007-01-30 20:10:19
藤九郎さん
ほとんど雪はありませんし、山野も日蔭以外は皆無といったところです。
陽気もよいので早速今年初の館跡めぐりを一応開始いたしました。
ただ土壌が凍ってますので、割と歩きにくいという点がありますが、熊も蜂も蛇もいないので、効率良く動くことはできます。

平野原館・・・鉄砲水で流されたということですが、背後に低い山野があるのですが、どうもこちらに何か遺構がありそうな予感です。
ここなら山登りも無いに等しいので、ご案内いたします。
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雪が・・・ない!! (藤九郎)
2007-01-30 19:47:27
早速の館めぐり、これまた色々と難しそうな館ですね。

それにしても、この時期に雪がないなんて・・・。

今なら八戸の方が雪があるかもしれません(^^;

それにしても、鉄砲水で館跡が流されるなんて、自然の力はすごいですね。
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金の象か? (とらねこ)
2007-01-30 18:02:42
romiさん
今回の象坪山は空振りとなりましたが、予てより山猫さんが単独探訪されたりと気になっていたところでもありました。

結構なお年のご老人でも館であったとは聞いたことがないそうで、この老人の方からお二人の郷土史家(個人)が毎年、年に数回訪れていたことを聞きました。

象坪ということから金の像でも壺に入れて埋めたか、いやいや、一坪もあろうかという大きな金の象を埋めたかも・・・汗・・・頂上の南側に何か掘ったような痕跡が、途中には石割桜なのか石から伸びた古木がありましたしね、これは何かありそうな予感・・・笑
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お宝??? (romi)
2007-01-30 17:15:19
財宝がうまっているとか?ですかねー?
目に触れぬ文献などを故人はお持ちだと聴いておりますから。
それが財宝とは限りませんがねー。
ロマンある話は明らかにならない方が良いのかも。
と、言いつつ、気になる山ですね。
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