白い恋人に、続いて、今度は赤福。
伊勢の土産物として知られる「赤福餅」を製造する老舗和菓子店「赤福」(三重県伊勢市)が、製造年月日を偽って表示、販売し、JAS法違反の疑いがあるとして、農水省が先月中旬から同社に立ち入り調査。
同社は製造した赤福餅を低温保存し、製造年月日を偽装。同時に賞味期限も偽って表示していたという。長期にわたり同様の方法で偽装していた。
沖縄帰りの眠い目をこすりながら、歯磨きしていた耳に、これは私に取ってはショッキングなニュースが入ってきた。
お菓子を纏めて製造し、それを急速冷凍保存。出荷の都度解凍、といったありかたは、私はしばしば、あちこちのお菓子製造工場を視察し、知っている。
問題は、製造日ではなく解凍した時点を、「製造日」として、出荷したこと。ましてや賞味期限まで偽っていたのなら、これは犯罪である。
あの赤福が。なんで?と驚いた。
20代の頃、妻と旅をして、伊勢の「赤福」に立ち寄った。
あまりにもおいしかったので御土産に注文したら店員さんは、申し訳なさそうに「あいにく赤福は、特に日保ちが悪うございます。それに出来るだけ作り立てを食べていただきたいので、ご旅行の途中でいらしたら、お召し上がりの直前に着くようお送りさせていただきますが」といわれて、感激。以来、赤福ファンになった。
それから30数年後の H10年10月だったか。中小企業大学校直方校の人気講座「あきんど大学」に、「赤福」の元専務平居 肇(常勤監査役)さんを事例企業のメイン講師にお招きすることができた。
「2日しか日持ちしない赤福だからこそ、ここまで続いてこれたし、これからも続く、と言い切る」平居さんの話は、淡々としていたが、一種の凄みがあり、受講生に感動を与えた。
平井さんの話を聞きながら、我が鹿児島の「かるかん」はどうであろうか、つけ揚げ(さつまあげ)はどうであろうか。
を考えていた。
社名も店名も知られた著名店だが、伏せる。友人のOさんが、鹿児島に観光できて、老舗のかるかん屋さんで「これ何日間ぐらい大丈夫ですか」ときいたら、女将さんらしい人が、胸を張って「真空パックですから、20日間は、おいしくいただけますよ」と答えたので、驚いて買うのを止めた,ことを話してくれたが、わたしは、その老舗が日持ちを誇るあり方に、県民の一人、として恥ずかしかった。
かるかん屋の女将は、おそら、なぜ突然お客が買うのを止めたか判っていないだろう。食べる身にならなければ判らない。判らないでものを作っているのでから、やがて売れなくなる。
事実、江戸時代から続いていたその老舗は、数年後、長い歴史を閉じた
そうした企業は、売れなくなった理由すらもおそらくわからないままで、消えていくのである。
お菓子屋さんだけではない。生ものを扱うお店を指導するとき、私の頭にあったのは、「日持ちの短いことに、誇りを持つ」あの赤福の姿勢であった。
あの赤福が、白い恋人に続き、消費者を裏切ったのである。どうか、こんな馬鹿な紅白合戦、あかんことやめて欲しい。2007/10/12
伊勢の土産物として知られる「赤福餅」を製造する老舗和菓子店「赤福」(三重県伊勢市)が、製造年月日を偽って表示、販売し、JAS法違反の疑いがあるとして、農水省が先月中旬から同社に立ち入り調査。
同社は製造した赤福餅を低温保存し、製造年月日を偽装。同時に賞味期限も偽って表示していたという。長期にわたり同様の方法で偽装していた。
沖縄帰りの眠い目をこすりながら、歯磨きしていた耳に、これは私に取ってはショッキングなニュースが入ってきた。
お菓子を纏めて製造し、それを急速冷凍保存。出荷の都度解凍、といったありかたは、私はしばしば、あちこちのお菓子製造工場を視察し、知っている。
問題は、製造日ではなく解凍した時点を、「製造日」として、出荷したこと。ましてや賞味期限まで偽っていたのなら、これは犯罪である。
あの赤福が。なんで?と驚いた。
20代の頃、妻と旅をして、伊勢の「赤福」に立ち寄った。
あまりにもおいしかったので御土産に注文したら店員さんは、申し訳なさそうに「あいにく赤福は、特に日保ちが悪うございます。それに出来るだけ作り立てを食べていただきたいので、ご旅行の途中でいらしたら、お召し上がりの直前に着くようお送りさせていただきますが」といわれて、感激。以来、赤福ファンになった。
それから30数年後の H10年10月だったか。中小企業大学校直方校の人気講座「あきんど大学」に、「赤福」の元専務平居 肇(常勤監査役)さんを事例企業のメイン講師にお招きすることができた。
「2日しか日持ちしない赤福だからこそ、ここまで続いてこれたし、これからも続く、と言い切る」平居さんの話は、淡々としていたが、一種の凄みがあり、受講生に感動を与えた。
平井さんの話を聞きながら、我が鹿児島の「かるかん」はどうであろうか、つけ揚げ(さつまあげ)はどうであろうか。
を考えていた。
社名も店名も知られた著名店だが、伏せる。友人のOさんが、鹿児島に観光できて、老舗のかるかん屋さんで「これ何日間ぐらい大丈夫ですか」ときいたら、女将さんらしい人が、胸を張って「真空パックですから、20日間は、おいしくいただけますよ」と答えたので、驚いて買うのを止めた,ことを話してくれたが、わたしは、その老舗が日持ちを誇るあり方に、県民の一人、として恥ずかしかった。
かるかん屋の女将は、おそら、なぜ突然お客が買うのを止めたか判っていないだろう。食べる身にならなければ判らない。判らないでものを作っているのでから、やがて売れなくなる。
事実、江戸時代から続いていたその老舗は、数年後、長い歴史を閉じた
そうした企業は、売れなくなった理由すらもおそらくわからないままで、消えていくのである。
お菓子屋さんだけではない。生ものを扱うお店を指導するとき、私の頭にあったのは、「日持ちの短いことに、誇りを持つ」あの赤福の姿勢であった。
あの赤福が、白い恋人に続き、消費者を裏切ったのである。どうか、こんな馬鹿な紅白合戦、あかんことやめて欲しい。2007/10/12