経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

守成の本質

2015年02月27日 | Weblog



「消費者接点」を
語る経営者は多いが、実際面はどうだろう。

とりわけ大企業では、
その接点に「企業者」がいることはまず希である。

消費者から見ての「企業者接点」は、
零細中小企業にしか存在していない。

しかしその零細中小企業にも「いない」
といった例は、けして珍しくはない。
ときには自動ドアや自販機が店主に代わり
挨拶するお店もある。


ここで「企業者がいる」という意味は、
そこに実際に「いる」ということも含んで、
広義の意味で、
1に経営者の理念、戦略が組織の末端まで浸透していること。
2に消費者の視点から戦術が行使されていること。

この2つを加えてみて、いかがであろうか。
やはり、ノウ。これが大半、というのが私の実感である。

ノルマや地位保身にまみれた現場においての
「企業者接点」、「消費者接点」。
これがおおかたの現状なのである。


そもそも経営の盛衰は何も難しい経営理論で決まるのではない。
消費者という個々の人間が自らの選択により、
お客になるか背を向けるかといった、
単純、かつ普遍性ある分岐で決まるのである。


だから、消費者との接点、消費者生活の共有、その中での経営。
つまり、「日常の中の経営」がことの中心になる。


日常の生活は、ある意味で、繰り返し、といえる。

その日常の繰り返しを維持し、望むらくは彩りを添える
ことに、資することが、経営。それを担うのが企業。

こう考えれば企業経営の本来は、繰り返し購入してもらう
というというところあり
経営の本質は「守成」にあり、ということは
自明の理である。

人の心を奮わせる理念、それを突き進める戦略、
それを形化する現場、消費者接点。

それらを繰り返すことと、その過程で進歩発展すること
その姿勢を守成するという側面を事前に内包した戦略、
そしてそれを具現し、消費者を購買行動に走らせ、
背についてもらうための様々な戦術、
この三つを有機的に結合するための人間的側面の如何。

こうしたことが企業の存亡を握っている。
そのどれが欠けても、企業が存続し続けることは難しい。