経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

なんでそんな風に

2007年07月07日 | Weblog
大雨の中を、診断に行った。13時から15時までが、依頼機関の指示だが、10時から、お店を見て、それから競合店をすべて調査。おおよその課題をイメージして、社長とのヒヤリングに臨んだ。

 ふと気がつくと17時過ぎ。あわてて大雨の中を飛ばし18時過ぎ帰宅。鞄を入れ替えて18時半からの自治会の打ち合わせ会へ。19時40分帰宅。 メールをチェック。

 「>(前略) また、県内最大手の同業者が、倒産しました。日本中が好景気になり、どの業界でも明るい話題が多くなっておりますのに、私の所属するこの業界は格差も何もあったもんではない最悪の状況です。大きくても、つぶれていくようです。同業の皆さんたちが、同業が>この2年の間に2分の1ぐらいに減少する。あるいは>この5年で3分の1になるだろうと、と言っています。私のところは大手でもないし、どちらかというと小さい方で、>不安でたまりません。(後略)>」

 Zさん(もちろん仮名)頂いたメールである。わかる部分は、業界は、たとえば建設業と書いてあったとしても、わからないようにカットした。後は原文のまま。


 以下、私の返信メール。
 「これはZさん、チャンス到来ではないですか。おめでとうございます。大きいところがつぶれて、自称小さいZさんの企業が、残っている。これは、小が大に勝るとまでは断言できないにしても、Zさんの事業のほうが、大手さんより強かった、といったことは言えるのではないでしょうか。Zさんの業界は、需要に対して業者が余りにも多いことで問題視されていましたから、それが緩和されたこと、これに対してもおめでとうございます。幸運ですね、とお慶び申し上げたい思います。

 ライバルが5分の4、消えてくれたのですから、残ったところは頭割りするとしたら、5倍から6倍は仕事が増える。いやー。こんな喜ばしいことがあろうか。豆腐屋がつぶれたからと言って、豆腐を食べない人が増えることではない。床屋がつぶれたからと言って、髪の毛が伸びなくなった、ということでもない。これは需要拡大と同じを意味するのです。これ、チャンスです。

 倒産のおこぼれ需要で、この際シェアを高め、その余力でもって、今後倒産の順番の整理券が、あとの番号になるようにする。そのためにはどうしたらいいかという命題を考え、実行すればいい。その間は、どこかがつぶれるたびに、赤飯を炊いて祝うことになりますよ。

 それをどうして、三軒先のお相撲さんが亡くなったから、体が小さいうちの父さんが、おつきあいで、つれ死、ツレトウサンしちゃった。つれないな、と、奥さんが嘆くようなことをお考えになるのでしょう。」

 倒産は、悲劇である。家族だけではなく、多くの人に迷惑もかかる。倒産をしてはダメだ。だから倒産しないためには、福の神も、地獄の閻魔様、鬼も不幸も、天使も悪魔も、みな味方に付けて、企業存続の手伝いをさせるぐらいの気構えと図太さが必要だ。
 それを、なんと軟弱な、気弱な、なんでもかんでも、都合の悪い風にとってしまうことよ。

 目の前にZさんがいたら、閻魔大王に代わって、「この甘ったれ、地獄へ落ちよ」とどやしてやりたい気がする。

 疲れのせい、とは言い訳。少し皮肉っぽいメールを書き、送信ボタンを押したとたん、後悔。更改できなじメールの動きを見ながら、こんどは自分に腹を立てた。そういえば昼から食べていない。腹が立ったのではなく、減っているのだ