経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

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2007年07月05日 | Weblog
 自分自身のことである。

「生き方の本質、経営の本質から外れてはいないか」と、時折自分に問いただしている。

1つ。なぜ、生き方イコール経営かというと、生るための一つの方法(ツール)として経営があるから、生き方が狂うことは、「これすなわち経営も狂う。経営が狂うと言うことは生き方が狂う」、と考えているからである。それに私自身が、経営指導という天職を得たお陰で、ずいぶんと人生を学び、自分の至らぬ生き方を糺してもらったからである。

2つ。中にいると、外からの自分がわからなくなる。自分の今いる位置を中心としてものを見て、考え、図るから、その自分の位置がずれていたら、すべての判断が狂う。これが思わぬ間違いを招く。それが怖いからである。

 問いただすことで、我に返る。その繰り返しで、なんとか良心から大きくははみ出さないでここまできた。

 また、例によって同じことを繰り返す。人の生き方と経営の関わりの視点から、目を通していただけたら、と思う。
 
 お客は自分が得したいから店に来る。だから事業づくりの要諦はお客を喜ばすものが創造できるかどうかにある。売上はその「結果」である。経営者の関心が、内実的には我が社が、あるいは自分がいかに儲かるか、といったことで人が支えてくれるはずはない。あなたの企業を儲けさせようと思って来る客は一人だっていないからである。

 ところでそもそも売買の成約とは、こちらの売るという戦略と相手の買いたくないという戦略を協力関係にし、売って幸せ、買って幸せの共感の関係作りである。このことがほんとうにわかっていれば、今の経営のあり方がいかに自己中心で、それが故にあぶない状態にあるということに気づくはずである。
 もちろん量の追及を否定しているわけではない。量はあくまで、売り手と買い手の共感の結果だ、と申し上げているのである。

 人は一人では生きていけない。認めようが認めまいが、見える、見えないに関わらず無数の人々の支えのおかげで、生きている。その支えを自ら少なくする人生戦略であるとしたら破滅の道である。だから自分の事業を、この支えを大きくする一つの場と捉え、事業発展への夢を育ててる方向へ転じなければならないのである。

 上を、今一度要約しておく。私の限られた経験の範囲での話だが、企業の不振の根本には、唯一つ。経営者の思想と姿勢のゆがみといったことが関わっている、のでは?と最近の私は考えているのである。

 ちなみに、ここでいう「ダメになる経営者の思想と姿勢」とは、これすなわち、
 1-消費されるお客一人一人のことなど、まったく無視した考え。
 2-あらゆるもの提供できない。ならば自分はどのパーツでもってお客に貢献しようといった自前の思想、姿勢が覗えないこと。

 以上の2点である。