経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

「五月蠅い(うるさい)」

2005年05月07日 | Weblog
 五月にはいっても、最近は蠅をみることは少なくなった。
だが、自分が楽しいことやっているときに声をかけられたり、別のことをやらね
ばならない、こうした五月蠅いことは、むしろずいぶんと増えているのかも知れ
ない。

 商人は買ってもらうために、しっこくつきまとう。声をかける。それが五月
蠅い、煩わしい、という消費者ニーズが、無人販売という新しい業態を作った。
 無人であることが、「(セルフ)サービスのひとつ」ということは、店主の顔な
どみなくてよい。声も聞こえぬということが、サービスというのだから、商人にとっては侮辱。心ある商人なら怒らねばならぬとおもうのだが。

 それはそうとしても、そうした嫌われる接客を、人件費というコストを投じながら、未だ続けている店主の経営センスというか金銭感覚は、どういうものなんでろうか。私には、それがふしぎでならない。ブロブにも書いたが、お客が店には入ろうとすると、ずかずか近づいてくる店員を見かけることは珍しくない。
 そのあれである。

 彼、彼女らの仕事は、消費者を蠅と見立て、蠅を追い払うのが仕事なのだ。な
ぜか。蠅は五月蠅いからだ。商品を傷める。ましてや人間なら万引きするかもし
れない。追い立てなくてもどうせ冷やかしだ。冷やかしでなく買ってくれたとし
ても、自分たちの給料がナンボ上がる訳じゃない。それより同僚と昨日の子供の
日のこと、おしゃべり、じゃまされたくはない。
 「ちょっと待っててね。チカちゃん、今度は私が追い立てるわ、、、。」

 JR西日本の、社員たちの意識も、そうしたところにあるのではないか。
 今やっている楽しいボーリング、宴会。温泉、この楽しみを疎外するものは、
みな五月蠅いことと思っている人たちなのだった。
 だからあの大惨事も五月蠅い蠅に過ぎなかったこと。ましては他の地区の蠅のことまで関わりたくない。
  こうした、人が人をわずらわしい蠅としか思わない、そうした人たちの大集団が、あの大惨事を生んだ。 

お断り:この原稿は他のブログ「奔るジャッドンたのうえ追っかけ帳」http://plaza.rakuten.co.jp/jatsudon
にも掲載させていただきました。