経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

大器晩成

2005年05月06日 | Weblog
 本来、人は足りているものでなしに、足りないものを求める。これが当然ですよね。この考えから「単品管理」も出来ている。

 時々、こうした仕事を通じて不思議に思うことは、経営者の多くは足りているものを欲し、足りないものを拒絶しがちなことなんです。

 会議がそうでしょう。「ごもっとも」、「社長のご意見どうりで」を喜び、違う意見だと「そりゃ違うぞ!バカ」。趣味まで自分と同じ人を周りに寄せ、反対意見を述べる人を敬遠している。
 このことは、私の本「羊たちの探しもの」http://www.geocities.jp/jatudonka/に書いていることですが、「だからこそあえて、諫言者を左右におく」。
 
 歴史をみると、これが国の経営、政権の長さを決めている、と断定できるようです。
 甘言を欲刷るが故に、あえて諫言を求める経営者でないと、成長が続かない。これで栄養のバランスがとれないからですね。成長しない経営者がやる事業は未成熟のまま、ダメになるわけです。

 早い成長のためには、車とおなじでブレーキはむしろじゃまになる。諫言者はブレーキになる。しかし成長は早さではない。一言で言えば、人も経営も大器晩成、終わり良しだと思うのです。
 
 熊本・白川中学の卒業式の後、友達と藤崎神宮へ行き。易者に占ってもらったとき、「君は、大器晩成」、と言われました。これが暗示になったのか、安心しきって、「あすなろう」と怠け、先送りして来たようです。ところが還暦過ぎても、「あすなろう」は檜にならない。
 今頃になって、やはり大器晩成のためには、成長期に人間的幹を大きくしておくこと、と怠けてきた自分を後悔しているんです。

 事業も、まずは停滞・愚鈍に見えても、今は幹を横に伸ばす。ゴーイングコンサーンのためには、幹を大きくする、大きな根を張ることを優先。大勢の消費者に支えてもらうには、横に広がっておかねばね。

 企業は横に伸びないのは、経営者がこぞって、上に上にを目指し、横に伸びることを、どこかで「怠慢」という意識がある。

 それにはまた、経営者が人間的に横に伸びていませんと、大器晩成にならな。というのが、私がこれまでやってきた経営革新の中間報告です。