JA6VQA 日々新たに

趣味のアマチュア無線で海外との交信や写真などを中心に、日々感じることを書き綴ってみます。
 

DX フォーラム

2012-08-27 10:13:59 | 無線
Japan DX Meeting 2012と称して、ハムフェアに合わせて
久しぶりの全国的なDX Meetingが8月25日に開催され
ました。タイム24ビル3階の広い会場におそらく
200名以上の参加者が詰めかけていたと思います。

 第一部はフォーラムでJK1OPLの話題提供と4人の
パネラーがプレゼンを行いました。
 そのあと7O6Tの免許事情をUA9USU DJ9ZBがHK0NAの
運用について講話しました。

 まずJK1OPLによる最近のDX界について話題提供があ
りました。書き取った事項を箇条書すると
 *ワッチこそDXと言われたが最近はPCのミニターを見る
  ことがDXとなっている。誰が先にクラスター情報に
  駆けつけるかの競争になっている。
 *Club LOGを使うPEDIが増えて、枡埋め競争が激化して
  いる。そのためにLowPower組やニューカマー組が割を
  食っている。なかなか待っていても順番が来ないとい
  う文句も出ている。
 *W3LPLなどのCWスキマーロボットの出現と、リモート
  受信ができるようになり、JAの真昼間に160mでDXが
  できてしまう。
 *CWにおいては599/599ばかりになり、和文QSO以外では
  JA同士でCW通信で意思の疎通ができなくなってきてい
  る。
 *JAのBnadPlanが悪く、特にWARC BANDのRTTYなどで区分
  逸脱が目立つ。BandPlanが悪ければ、改良するよう要
  求する必要がある。
 などの提言がされました。

 いずれもズバリの指摘と思います。
 この提言を基に4人のパネラーが海外運用やコンテストの
経験に基づいてそれぞれプレゼンをされました。
 JI5RPT/JD1BLY小柳さん、JA1DOT小林さんがJAの外から
みたJAのパイルについて話されました。

 小柳さんはJD1からの運用する立場からの提案、CWでの
運用テクニックについて
 ー明らかに自分に返っていない時は送信しない 
  ・他局にCALL BACKがあればすぐに送信を止める。
  ・メモリーキーヤーを使うのも良いがパドルで手打ち
   のほうが判断が早い
 ーパイルアップ時はゼロインしない。
  ・特にJAの局はゼロインする人が多いのでパイルを捌き
   づらい。
 ースプリット時、前QSOした人と完全に同じ周波数で呼ば
  ない・・・方が良いかも
  ・特にJAの人に多い、パイルアップが一カ所に固まって
   しまう。
 ータイミングをずらさない
  ・タイミングをずらすよりコンスタントにCallsignを打
   つほうが良い(スプリット運用の場合)
 という提言がありました。
 
 AFからも運用された経験を有するJA1DOT小林さんのプレゼ
ンは 
 東アフリカで聞いたJAの信号は
  JAs 1Kw+Beam  S9+10dB、 Bear foot 539~579
  EUs S9+20~40dB
 西アフリカでは
  JAs 1Kw+Beam 559~579  Bear foot 419~539
  EUs S9+10~30dB SA,Caribbean S9~20dB

 パイルアップについて
  ●あなたが想像しているほど貴局の信号はDXに強くは届
   いてはいません。
  ●始めの30~100局のJAの信号は強力、それ以降の
   局の信号はドングリの背比べ、思い切り離れた周波数
   でコールしよう。」
  ●交信中に真上からかびせて呼び、力で横取りはペース
   ダウンで大迷惑(ドングリの背比べを思い出して、
   20~30dB差がなければ無理)
  ●コールを連続して2回打つのは邪魔で効率を落とすだけ

 CQを積極的に出そう 
  ●普段からアクティブにCQを自ら出すことが真のDXingの
   楽しみ
  ●クラスターを眺めてパイルに参加するだけがDXingでは
   ない
  ●弱いDX局が応答してくるのを自分の耳で聞き取り交信す
   る  エキサイティング
  ●バンドの活性化、バンドプランの根本にも通じる

 インターネットを利用したDX
  ●Real timeで世界がつながっています、DX-spot、Online
-log,RBN(リバースビーコン)等、これらを上手く使用し
   ながらのDXが当たり前になりつつある
  ●海外に設置したリモート局で受信した信号を有線回路を
   使って日本国内で聞きDXと交信することは、アマチュア
   有線のDX=インチキ
  ●難しいところは簡単にできず難攻不落なDXで良い。
   DX交信は偶然性を楽しみ、自分の五感を使い苦しみなが
   ら運用するほうが数段楽しい

また小林氏はこんな素敵な提案もしました。 

 DX界で尊敬されるアワード
  TNX New Oneなどのニューカマーからの感謝のコメント入り
 のQSLを一定の基準で入手し完成させるアワードがあれば素晴
らしいと思う。
 これを達成するためには常に電波を出し、弱いDX局を相手に
沢山のQSOをし、自分がペディションに行ったりしてDX界を盛り
上げる活動が必要

 DXビギナーや簡単な設備の局にチャンスや感動や喜びを与えた
人がたたえられ尊敬されるアワードがあっても良い

 こんなアワード JARLが作るなんてことはないでしょね。

 小林氏は最後に提案のまとめとして
  ◆『普段からアクティブにCQ DXを自ら出すこと』が真の
    DXingの楽しみ!
  ◆DXは偶然性や困難をじっくり楽しむもの、ネットや便利な
   ツールに頼らず、自分の耳と口と手を使ったほうが数段
   楽しい
  ◆簡単な設備の局のチャンスを奪うClub Logの穴埋めシステ
   ムは何か規制が必要では?(武士の情け、寸志の精神を
   忘れずに)
  ◆DXは、DXCCだけでなく、いろいろな楽しみ方がある
  ◆DXビギナーに喜びや感動を与える活動をした人を称える
   アワードを作ろう

 今日はここまでにします。 
 
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