イタグレブリーダー・ヨーロッパのイタリアングレーハウンド。

ヨーロッパから5頭のIGを輸入しました。出産や老犬のこと。家族として大切に育てています。

お世話になった先生~ご冥福をお祈りします。

2017年07月31日 | Weblog

ショーに参加させていただく場合は普通は、この道のベテランの犬舎さんから犬を譲っていただいて、その先生から指導をいただいたり、もしくはその犬種に詳しいハンドラーさんから教えていただいたり、ハンドラーさんから犬に訓練を入れていただきながら仲間たちと共に歩んでいくパターンが多いと思います。


しかし私は、何もわからない状態から細々と始めました。なんの知り合いやツテもなく・・一人で参加して~自分の出番が終わったらすぐに帰る。。。2年間はそのような状態でした。今振り返ると、よくあの寂しい状態で頑張っていたよね。根性 でした。テントは買いましたが張ることはなくて、車の中から出番の時間を気にしながら・・当時、大学生だった息子に手伝ってもらいながら、ハンドリングのことも分かっておらず、何度落とされても起き上がりこぶしのように頑張っていました。


最初の2年間はパピークラスの子でした。チャンピオンシップショーに絡んでカードを獲ろうなんて、考えてもいませんでした。パピークラスでエクセレントをいただけたら、それで十分だと思っていた時代でした。今振り返っても、ひどいハンドリングをしていました。当時の犬たちに申し訳がなかったです


しかしこのような私に転機が訪れました。2匹目に輸入した男の子・エニオが来てからです。ショーでお友達になった方を通じてプロハンのMさんの存在を知りました。北海道はほとんどの方がオナハンです。オナハンとはいっても何十年もこの道を続けていらっしやる方々ですので、いわゆるブリハン(ブリーダーハンドラー)さんです。プロ並みの実力者が多いです。そのような中でも、プロハンのMさんの存在は強烈でした。


なぜかというと、Mさんはハンドラ-である前に犬の心理学を専門としてすごく勉強されていました。どんなに暴れん坊の犬でもMさんの手にかかると、数分~数十分後には言うことを聞くようになるのです。その現場を何度も見ました。力でコントロールするのではなく、心でコントロールしていました。Mさんは犬の好き好みもはっきりとしていました。好きな子には⇒ この子はいいねぇ~と言ってくださり、そうでない子には⇒ダンマリでした。そのMさんがエニオのことをすごく気に入ってくださり、僕に引かせてください!と言ってくださいました。当時、ハンドリングのことやショーのことで悩んでいた私は、エニオをお任せしました。



Mハンドラーと楽しそうに歩いているエニオです。



エニオ、初めてのお立ち台写真です。


エニオを2回引いてくださったあとMさんは諸事情があり、ショーをいったん休まれました。その後は私がエニオを引きましたが、わたしの下手なハンドリングではエニオの良いところを見せることができずに苦戦していました。当時は同時期にレイラを引いていました。レイラとはうまく歩けるのですが、エニオとは息が合いませんでした。犬によって引き方を変えなくてはいけません。私はそこまでの余裕がありませんでした。


その後 Mさんが復帰して引いてくださり、エニオは初カードをいただきました。



嬉しかったです。2009年の7月。今から8年も前のことでした。


しかしMさんはこのショーからはまたお休みされました。エニオを引いてくださったのは、これが最後となりました。このあとMさんがショー会場に姿を見せることはほとんどなくなりました。


そうしてその年のショーは終わり~10月・・秋が来て考えました。エニオを譲ってくださったヨーロッパのブリーダーさんに早く恩返しをするために、本州のプロハンさんにお預けしました。11月末からショーに出るようになり・・12月にはCHを完成しました。



こちらのハンドラーさんのジャケットをご覧になったら、ショーに詳しい人はすぐにハンドラーさんのお名前がわかりますね。有名な⇒すご腕のプロハンさんです。どのようなお洋服でも着こなし・似合っているステキな方です。


エニオのCH完成を、Mさんも喜んでくださいました。エニオのことをとても気に入ってくださっていましたから。いつも、エン君 エン君 と呼んで、君~可愛いなぁ~とハグしていましたから。本当は、自分の力でCHを完成したかっただろう と思います。


Mさんとの出会いは、私のショー人生においては大きなことでした。通常はプロハンは、ハンドリングを簡単には教えません。Mさんも、ハンドリングは企業秘密だから教えない~ と冗談でおっしゃっていました。だってそうでしょう。勝ち負けが出る世界ですよ。弟子に事細かに教えていたら~いつの日か弟子が上手になって先生を負かす日だってくるのです。プロハンがオナハンに負けるって、絶対にいい気持ちはしないはずです。でも素人は習わなくては上達しないです。私は有料のセミナーや講習会に何度も参加しました。理屈を勉強したら、あとは経験・場数を踏むことです。ショーへの出陳料が授業料だと思いなさい です。


そのような中、JKCハンドラー資格試験を受ける人には、Mさんは積極的に教えてくださいました。資格試験は犬を見るのではなくハンドラーの所作を見ます。ハンドラーが基本をふまえているか?試験に合格するにはそのノウハウができなくてはいけません。Mさんは、試験を受ける前に、こと細かにコツを教えてくださいました。もちろんワン連れで習いました。私がこの年になって(当時、アラーファイブ)試験を受けるなんて・・こんなにやる気が出るなんて 犬のお陰でもあります。そして試験に合格できたのはMさんのおかげでした。


その後もMさんは、ご自分がショーの世界を退かれてからは、それまでとは反対に、松村さ~ん、ボクのところに習いに来てくださいよ~ と言ってくださるようになりました。エニオを引いていただいたころはMさんのテントの中では大盛況。たくさんのオナハンの方々と一緒に楽しみました。ダックス・ウイペット・ジャックラッセルテリア・ボルゾイ。ダルメシアン・ゴールデンレトリーバー・そして私、イタリアングレーハウンドでした。でも、あの当時一緒のテントで過ごしていた人&ワンは、ずいぶんと前から誰もシヨーをやめています。オナハンですから、ワンコが年を取れば、自然と引退ですね。


そのようなこともあり、現在でもショーに出している私に対しては、以前にもまして親切に教えてくださるようになりました。ショー会場で遭遇すると⇒ 松村さん~ と声をかけてくださって、今年はこの子を出すの? うん~この子にはこうしたほうがいいよ。リードはこんな感じね。はい!歩いてみて そうね、あなたの歩き始めはこんな感じにして とハンドラーの歩き方まで細かく教えてくれました。


ボクは教えないよ~ と言っていた方がこのように親切に教えてくれた。これは何かを意味していたのかなぁ 後身の指導というやつでしょうか。


そうして突然の悲報でした。Mさん・湊さんが急に亡くなったと。。。


ええっ 誰もが驚きました。ウソでしょう 信じられないことでした。


私は以前のブログにも書いていますが、6月18日に小樽で行われたハンドラーセミナーに参加し、湊さんにハンドリング&心理学の勉強を教えていただきました。その時も、私の顔を見るなり湊さんは⇒ 松村さん~おはようございます。4月のジャパンインター、おめでとうございます と言って嬉しそうに近寄ってこられました。ミリオンがアワードを獲ったことを祝ってくださいました。その時の授業のお昼の休み時間には私の所に駆け寄ってきてくださり、いつもにも増してソフィやジェニーに対して親切に教えてくださいました。湊さんの指導で、ジェニーが見違えるようにきれいに歩けるようになったんです。


セミナーが終わり、湊さんに・・ありがとうございました。またね~ とご挨拶した時、彼は汗をふきながらニコニコしていました。それから~一か月後に^急に亡くなってしまうとは・・・信じられないです。あの時の最後の笑顔が忘れられないです。


湊さんは、心からショーが好きな人でした。私はたくさんの方々にお世話になりながら今に至っています。その中でも湊さんは、ハンドリングや動物の心理学では、ずば抜けた勉強心を持たれていた人だと思います。ひとつの犬種ではなく全犬種において勉強されていました。たくさんのことを学ばせていただきました。


享年 53歳。若い時から心臓があまり丈夫ではなかったそうです。亡くなった日も、急に容態が悪くなり救急車で運ばれたものの、病院へ着く前に亡くなってしまったとのことでした。ご葬儀・通夜に参列させていただきました。ショーからはずいぶん前から離れていましたが、たくさんのショー仲間の方々がお別れに来られていました。湊さんの奥様とも顔なじみでした。湊さんはペットサロンを経営していました。サロンのトリマーでもあり、しつけ教室やハンドリング教室もされていました。.私の娘が結婚する時には、遠方なので10数頭のワンを(ペットホテル)預かっていただきました。湊さんのお店は大きくて室内でもショーの練習ができました。

共にサロンを営んでいらした奥様。その憔悴しきった姿に涙が止まりませんでした 仲の良いオシドリ夫婦でしたから。


湊先生、ありがとうございました。今まで先生に教わったことを忘れずに、私はもうちょっと頑張っていきます。湊先生のご冥福をお祈りしています。安らかに~


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