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ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2016.4.14-15 入院・手術終了

2016-04-15 21:33:24 | 日記
 昨日は朝から都心出張。折悪く電車の遅延に遭遇した。途中駅で振替輸送に切り替え、なんとか滑りこみセーフで会議に間に合った。午後職場に戻り、夕方のガイダンスも無事終えた。

 前日水曜日の休暇に続き、木曜日はほぼ一日出張とイベントで席を温める暇もなく、今日金曜日は再び休暇ということで、イベント終了後はやむなく残業。大車輪で溜まった仕事を片付けてから夫の病院に向かった。

 午後1番で入院した夫は、麻酔医の説明があった後は何もすることがなく暇で暇で・・・とのこと。今回初めてお世話になるこの病院は、複数の棟が入り組んでいる複雑な造りだ。渡り廊下を2つ超えエレベーターを乗り継ぎ、ようやく夫の部屋に到着した。既に夕食もシャワーも終え、後は眠るだけといった風情。寝間着姿でベッドにいるとなんとなく病人に見えてくるから不思議である。面会時間終了までお喋りの相手をし、病院を後にした。駅ナカで遅い夕食を摂り、帰宅。
 
 片付け物をしてからようやくリビングに座り、何気なくスイッチを入れたテレビの画面に釘付けになった。熊本地震。震度7だという。それからはニュース画面から目を離すことが出来ず、九州在住の知人を想いながらベッドに入るのが遅くなってしまった。

 今朝は、夫から早々とLINEで起こされる。昨夜の夕食以降は絶食で、手持無沙汰らしい。金曜日は1限があるからモーニングコールよろしくとのたまう甘ったれ息子に電話をかけるにはまだ30分も早い。再びテレビを点けて一夜明けた熊本の様子を知る。熊本城の石垣や瓦が崩れ落ちている。あの東日本大震災から5年余り。今度は九州か、と自然の過酷さにまたも言葉を失う。

 息子をようやく起こしてこちらもゆるゆると起きる。夫の手術は2番目で、最初の手術の状況次第で開始時間が変わってくるが、概ねお昼から開始とのことだった。1時間くらい前に来てくれれば十分と言われていたけれど、若干早く行って良かった。実際には予定より1時間近く早い入室となった。私が病室に行くと、手術着に着替え、着圧ハイソックスを履くところだった。その後、主治医がライン確保に見えてご挨拶。さすがに点滴が入って手術着を着込むとすっかり病人に見える。
 時間通りに看護師さんに付き添われて3人で中央手術室まで。ここで私はお別れである。「頑張ってね」と送り出して病室で待つように言われる。昨秋母が手術を受けた時は手術室前でずっと待機してくださいと言われたけれど、病院によって様々である。
 
 西側の窓から燦々と陽射しが入るあたかも温室のような病室で、時間潰しに持ってきた文庫本を読んで待つ。原田マハさんの「永遠(とわ)をさがしに」(河出文庫)。帯には「母と娘の葛藤と和解、友情と愛情。そしてある奇跡が起こる-。音楽を通して描く感動物語」とある。解説は先日「羊と鋼の森」で本屋大賞を獲得された宮下奈都さんが書いておられるが、「―あらすじを聞いただけでぞくぞくした。これは面白いに違いない。原田さんがこんな設定で書く物語が面白くならないわけがない。・・・」というとおり、先へ先へと読み進めた。手術時間内で読み終わらないかもしれないと思ったけれど、実際には読み終わって、ああもう1冊持ってきても良かったかも・・・という次第。

 当初手術時間は1時間から1時間半と言われていた。ところが、2時間経っても2時間半経っても戻ってこない。だんだん心配になり廊下に出たり部屋に入ったり。四半世紀前の盲腸の手術を想い出して、落ち着かない。3時間近く経ってようやく戻ってきた。何かあったのでしょうか、と訊くが、看護師さんはそういう連絡は入っていませんとのこと。さすがに夫は全身麻酔後だから意思の疎通は出来ても酸素マスクを付けており、口を開きたくないようだし、主治医のM先生から説明があるまでは気が気ではなかった。
 結果オーライで予定通りの手術をし、問題がなければ明日には退院とのこと。来週土曜日に一度外来の予約が入った。

 それにしても病院には長居が出来ない時代になった。術後はおかげさまで発熱もせず、血圧も安定していた。3時間の安静の後は、ベッドが起こされ、吸い飲みで水を美味しそうに飲み、看護師さんのフォローはあったが、点滴棒を引きずりながら一人で病室内のお手洗に行った。傷口もチラと見せてもらうと大きな絆創膏を貼った程度。立ちあがったことで若干血が滲んだ感じだけれど、問題なしとのこと。
 今日は絶食だが、明朝からは普通食だという。夜勤の看護師さんとバトンタッチされた後、もうやることもないので洗濯物等を受け取って失礼することにした。

 というわけで、無事懸案事項がまた一つ片付いて安堵した。

 今回の熊本地震で被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げます。今も頻繫に余震が続いており、どれほど不安でおられることでしょう。週末にかけて雨の予報のようですが、土砂災害等二次被害が心配です。
 このブログをお読み頂いておられる方の中にも被害に遭われた方がおられるのでしょうか。心が痛みます。どうか一日も早く収束してくれますようにと願います。
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2016.4.13 術後半年検査、無事合格!

2016-04-13 20:29:04 | 日記
 今日は、母の直腸がん術後6カ月後診察。先週のCT検査と採血は私自身の治療日とバッティングしたため、一人で頑張ってもらったが、今日は休暇を頂いて結果を一緒に聴くことにした。
 
 夫を送り出してすぐに家を出たが、最寄駅の私鉄が3分遅れ。更にJR乗換駅では急病人発生の為、10分近い遅れ。乗ろうと思っていたバスに乗ることが出来そうにないと母に連絡を入れる。余裕を持って早めに到着する予定がすっかり待ち合わせ時間に遅刻してしまった。

 母は一人で結果を聴くのが心もとなかったようで、家族の者が遅れているので、と言って順番を後にしてもらって1階の待合で待っていた。
 私が到着してからほどなくして外科の中待合に入り、20分ほど待ったところでT先生が顔を出された。

 ご挨拶すると、既に血液検査の結果がPC画面に出ており、「CTも採血の腫瘍マーカーも合格ですよ。」と言われる。母はほっとして「どうもありがとうございます」と言って、その後の細かい話は私にお任せといった感じ。
 「CTでも再発の兆候はないし、ヘモグロビンが8ほどで貧血気味ではあるけれど、特に悪化しているわけではないので様子見でいいでしょう。2種類の腫瘍マーカーCEA、CA19-9も問題なし」とのこと。

「再発の可能性は時間が経てばどんどん減ってくるので(何年経っても再発しないと言い切れない乳がんとは随分違うのだな、と思う。)まずは安心でしょう」とのこと。先生はすぐに採血結果をプリントアウトしてくださったが、当の本人である母が手も出さないので、しばし空をさ迷って私の手の上に回ってきた。苦笑である。次回は3カ月後、7月の上旬に採血で腫瘍マーカーのチェックだそうだ。

 「いかがですか、困ったことはありませんか」の問いに「まだ夜中にお手洗に何度か起きて眠れないので、なかなか疲れやすくて。眠剤をお願いします」などとしょぼくれた風情で言っている。「夜にお通じがありますか。便通はあまり止めてしまわない方が良いので・・・」とのことだが、「なんとも気持ちが弱いので・・・」と私が言うと、「そんな大手術をしたわけではないのですから、大丈夫ですよ、もう元気ですよ。」と励ましてくださるが、頼りなさげな母に「何かあったらいつでも電話してくださいね」とフォローするのも忘れないT先生。若いけれど頼りがいのある方、良い主治医に恵まれたと思う。ご挨拶して診察室を後にする。

 処方箋と次回の予約表が出るのを待ち、1階に降りて会計を済ませる。外は今にも降り出しそうなお天気だ。歩道を渡って薬局に入ると結構な混雑。ここでも20分ほど待っただろうか。3か月分の眠剤と軟膏を頂いて今日の付き添いは終了。

 ランチにはちょっと早かったので、カフェでお茶をして母の話し相手になる。「先生には大手術じゃないのね、でも私にとっては一大事だった」と面白くなさそうに言う。
 まあ、それはそうでしょう、80歳を超えて全身麻酔の手術をするとは本人が一番青天の霹靂だったのだろうから。とはいえ、切除した腸がトカゲのしっぽのように再び生えてくるわけでなし、肝臓のように再生されるわけではないから、今まで通り、全く元通りになる筈もない。なんとか折り合いを付けて行かないといけないのだ、と話す。

 週4日デイサービスに出かけている父は相変わらずの様子で、母の退院後せっかくポットからお茶を淹れる習慣をつけたのに、母が元気になってきたら、また逆戻りだそうだ。じっと座って「自分で淹れるとお茶はまずい。ママ(母のこと)に淹れてもらうのが一番」と。
 家にいる時はひたすらウトウトしているか座っているだけという。まあ、母がそれを許しているわけだからどっちもどっちなのだけれど。

 ということで、一つの心配事が無事クリア。
 明日の夫の入院支度は今しがた終えた。明日は都心定例会議の出張後、職場に戻ってガイダンスを開催しなければならないので、入院手続きに付き添うことが叶わない。
 仕事を終えてから病院に様子見に向かうことになる。こちらも早く無事クリアといきたいものである。


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2016.4.10 指導者養成コース2日目、桜吹雪の中、サンスクリット語に右往左往

2016-04-10 22:57:15 | ヨガ
 昨夜は興奮していた所為か、寝つきがイマイチ。夜中に一度目が覚めて、再び寝てはみたものの、目覚ましをかけた時間より1時間も早く起きてしまった。しぶとくベッドでウジウジしてから起床。
 浴槽足湯はいつもより熱めに設定して、じんわりと汗をかいてシャキッとする。朝食は、バランスの良いボリュームたっぷりのモーニングプレートをチョイスしてお腹一杯。すこぶる快調にチェックアウトした後、桜吹雪の中、スタジオへ向かう。

 今日はヨガマットが人数分、スタジオの床一面に敷き詰められていた。まずは昨日のおさらいから。ちゃんと昨夜のうちに復習をしておけばよかったのに、それを怠ったばかりに、昨日習ったばかりの言葉がなかなか出てこない。当然のことだが若い時とは記憶力が違う。情けなくも定着していないことに愕然とする。反省である。

 今回の指導者養成コースは12日間の講習の他、セルフワークが必須となる。3か月間で6回の「瞑想ヨーガクラス」の受講、加えてクラス外で1か月に30分ずつ、計90分間のセヴァ-喜びと愛を持って奉仕を行うこと-。これを記録にして提出することになっている。

 その説明を受け、記録用紙を頂き、さて私には一体どんなセヴァが出来るだろうと思いを巡らせる。創造的なアイディアを持って実践しましょうということだから、どんなことでも良いそうだけれど、例えば両親にマッサージをしてあげようにも、その技術があるわけでなし、なかなかどうして難しい課題である。

 身体を動かし瞑想してスッキリした後は、グループごとに分かれて昨日から今朝までの出来事をシェア。その後はヨーガの8つのステップ「八支則」を学ぶ。
 パタンジャリが編纂したといわれている、現存する最古のヨーガの手引書「ヨーガ・スートラ」によれば、ヨーガのゴールは「サマーディ」すなわち“深い瞑想状態”だが、「三昧」とも訳されているという。

 ゴールに至るための8つの方法が「アシュターンガヨーガ(八支則)だ。それぞれ5つずつあるヤマ(誓い・気を付けるべきこと)とニヤマ(規範・するべきこと)について学び、次回まで1週間で、自分がどれを最初に実践するかを選び、暮らしの中でどのように実践していくかチーム内でそれぞれがお披露目した。

 3時間半の午前の講義の後はランチタイム。かなり葉桜になった並木の桜吹雪の中、リベンジでタイ料理レストランへ。今日は運よくリトリートのメンバー4人で座ることが出来た。グリーンカレーやトムヤンクン、どれを頂いても本当に美味。お腹一杯で午後は眠くなるかもしれないと皆で言い合う。

 そして午後はアーサナの勉強から再開。古典ヨーガの哲学に基づいたアーサナの意味と目的、ハタヨーガに基づいたアーサナの意味と目的は異なることを学ぶ。そして運動の効果には身体的、精神的両面があることを実感する。

 後半はマントラ付き「太陽礼拝」のトレーニング。普段ヨガスタジオで行っている太陽礼拝とは少しステップが異なり、更にサンスクリット語でマントラを唱えながら連続して30分。初めての経験だったので必死で付いていくのがやっと。
 言葉に気を取られると動きを間違え、動きに気を遣うと言葉がどこかへ行ってしまい・・・かなりアタフタ。それでも、終わった後のシャバーサナ(安らぎのポーズ)が気持ち良かったこと。あまりの充実感にしばし呆然としてしまった。

 「お疲れ様でした。また来週」と皆と別れ最寄駅へ急ぎ、家路へ。自宅最寄駅に夫が迎えに来てくれて、そのままイタリアンレストランまでお散歩。お昼の後はおやつタイムもなく、頭も身体も120%使ったので、お腹ペコペコ。ついつい調子に乗って食べ過ぎて、帰りは苦しくて気持ち悪いくらいになってしまった。お馬鹿さんである。

 中身が濃すぎてちょっと消化不良気味の2日間。なんとか落ちこぼれないように最後まで付いていきたい。それにしても、生徒として教えを請うことは楽しさ一杯だけど、他人様に教えるということはどれほど大変なことなのか、今回2日間のカリキュラムを終えただけで早くも身震いしている。

 知れば知るほど知らないことが多くなる。学びとはそういうものだ。そして点と点が繋がり、線になり、面になり、最初は思いもよらなかったことが結び付いた時の喜びこそ学びの醍醐味なのだろう。私より20歳も若いSさんの指導力の凄さに改めて圧倒された2日間だった。

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2016.4.9瞑想ヨーガ指導者養成コーススタート

2016-04-09 21:42:55 | ヨガ
 今日から瞑想ヨーガ指導者養成コースが始まった。
 昨年夏、奇跡のリトリートに参加して以来、フォローアップクラスがきっかけとなり、1ヶ月に1度程度Sさんのスタジオの瞑想ヨーガクラスに参加してきた。しかし、こうした指導者養成コースに、まさか自分が参加するなどとはゆめゆめ思わなかった。

 もちろん、今後指導者になるなどという大それたことは考えていない。けれど、この学びを出来ることならもっとしっかりと深めたいと素直に思い、気づけば申し込んでしまっていた。私などお呼びじゃないかも、と思いつつ。後で聞くと、あっという間にキャンセル待ちになったという。これはやはりご縁なのだ、と今日のこの日を楽しみに体調を整えてきた。

 今回は前期3ヶ月で12日間、1日7時間コースである。秋からまた後期が開始され、それをクリアすれば全米ヨガアライアンス200認定も頂けるという。
 
 普段はなかなか朝起きられない土曜日にもかかわらず、目覚ましとともにいつもより早く起床。洗濯も済ませて意気揚々と家を出た。今回も1泊のお泊り。夫はもう何も言わずに(まあ色々言いたいことはあるのだろうけれど)送り出してくれる。有難いことである。

 そして、大好きなスタジオに到着。思ったよりも乗り換えがスムーズで、予定より15分以上早く到着してしまった。一番乗りである。その後、続々と参加者が到着した。懐かしい顔ばかりで、また笑顔の輪が広がる。

 講師のSさんや、事務局のMさん、均整術のK先生、インストラクターのHさんも含め30人の参加者。1人が欠席ということで、今日は5人ないしは6人のグループが5つ出来た。今期はずっとこのチームでフォローをしあっていくという。

 リトリート以来ご一緒しているHさん、Nさん、Mさんと、スタジオで何度かお目にかかったSさんとAさんの6名でまずは自己紹介を済ませる。今回初めての試みであるこのコースの開催に、講師のSさんはあまりにワクワクして昨夜眠れませんでした、とおっしゃる。そのワクワク感がこちらまでビンビン伝わってきて、本当にウキウキしてくる。8名ほどの方が今後、指導者として活躍したいと挙手をされた。このスタジオで瞑想ヨーガのクラスを受け持つ方がこの参加者の中から出てくるわけである。

 カリキュラム説明の後、午前中はオリエンテーションに加え、ヨーガとは何か?がテーマだ。その発祥と歴史、聖典などを学ぶ。9年以上もヨガスタジオに通っていながら、ヨガのことを何も知らなかったんだ、と恥ずかしくなる。インド歴史もあやふやなのがもどかしい限り。
 初回と最終回でどのくらい身体が変わるかを確認するためにペアになって立ち姿、座り姿、様々な方向から写真も撮り合う。実際に現実を突きつけられると、ちょっと愕然とする。

 お待ちかねランチタイムは同じグループの方たちと前回美味だったタイ料理レストランに出かけたけれど、考えることは皆同じ。他のメンバーも大勢訪れ、残念ながら満席で入れなかった。次に向かったのはベトナム料理店。海鮮フォーを美味しく頂き、エネルギーチャージ。

 午後は瞑想についての講義と実践。瞑想とは何か、その目的や効果、瞑想のステップ、種類や方法を学んだ。金柑やキャンドル等小道具も出てきて、色々な経験が出来た。本当に楽しく充実した時間はあっという間に過ぎてしまうものだ。

 そして初日終了。なんだかあまりに多くの情報をインプットしたせいで、頭が飽和状態だ。毎朝Sさんのリードによるyou tubeで瞑想をし、毎晩Sさんの瞑想CDを聴きながら眠っている私だが、やはり本物が一番です、とご挨拶してスタジオを後にした。

 同じチームのNさんと駅までご一緒し、駅直結の定宿にチェックイン。
 明日はヨーガ哲学とアーサナの第1回。なんだか遠足の前の日の子供のように興奮して眠れない気分だけれど、しっかり休んで明日に備えなくては。

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2016.4.8 幸せな金曜日

2016-04-08 21:25:11 | 日記
 昨日も寒い一日だった。前期授業開始の日というのに本降りの冷たい雨。レインコートを着込んでもびしょ濡れだった。花散らしの雨は毎年のことながら本当に恨めしい。
 4月の声を聞いた途端に職場の暖房はプッツリと切られた。厚地のタイツを履き、膝掛けをして自己防衛しているが、寒さと気圧のため、やはり昨日は調子がイマイチだった。

 ようやくの金曜日。今日は打って変わって朝は青空だ。お天気が悪かったので先延ばしにしていたせいか、びっくりするほどごっそり溜まった洗濯を干して出勤した。
 頬をなでる風が暖かい。我ながら実に単純だけれど、天気が良くなると俄然元気になる。そして、まだ頑張って咲き続けてくれている桜の花を愛でつつ、上向き加減で学内を歩く。ピンクの絨毯というほど花びらが落ちずに、はらはらと風に散らされているのが幸せな気分をまた盛り上げてくれる。
 いかにも新入生と思しき学生が教室を探したり、掲示板ににらめっこしている姿が初々しく、思わず笑顔になる。

 とにもかくにも体調を崩すことなく、無事年度初めの1週間が終えられそうでほっとしている。
 来週は母の通院付添い、都心への会議出張や打ち合わせやガイダンス、夫の入院・手術と、公私共にあれやこれやと立て込んでいる。短期集中で仕事を片付けなければ。

 そんな中、明日からはまた新しい学びに参加することにした。こうして前向きでいられることが本当に有難い。
 今夜は夫が宴会で夕食不要とのこと。これ幸い!と仕事が終わってからお一人様で今日から封切りの映画「ルーム」を観てきた。
 娘として、母として、双方の立場が胸に響き過ぎてなんだかあちこちで胸が苦しくなり、涙腺が刺激された。極限状態に置かれた17歳の少女が一人で母になり、外界をシャットアウトしながら息子と2人で生きた5年間、その後待ち構えていた過酷なまでの現実。子役の男の子の圧倒的な存在感。凄かった。ラストシーンも感動的。
 ごく普通の生活を送れることがどれほど有難くも愛おしいことなのか、改めて感謝の気持ちに満たされた。

 生協から届いた食料品を納め、洗濯ものをたたみ、明日からの支度をゆるゆると整えながら、ひとりしみじみと幸せを感じる金曜日の夜である。



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