ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2012.2.29 ハーセプチン151回目(3倍量14回目)、ナベルビン27クール1回目

2012-02-29 22:44:49 | 治療日記
 2月最終日、4年に1度の2月29日だ。息子の保育園仲間に、2月29日がお誕生日というT君がいた。正真正銘の4回目のお誕生日は盛大にお祝いしてもらったのだろうか・・・と、当時を懐かしく思い出す日だ。

 予報通りの大雪。朝、窓を開けると一面の銀世界。しんしんと雪が降り続いている。見ている分には水墨画のように綺麗だけれど、この中を“いざ出陣”の通院日である。
 今日は診察前に、先日のストレス講演会でお世話になった山本先生が、勤労者メンタルヘルスセンター内にあるリラクセーションルームをご案内してくださるということもあり、いつもより一時間ほど早く家を出た。このことについては、治療日記とあわせて書くとかなりの長文になりそうなので、また明日以降のご報告としたい。

 案の定、最寄駅で私鉄は遅れており、ホームは混雑していた。先日の雪の日、見事に“すってんころりん”を経験したので、今日はより慎重によちよちと歩いた。10分近い遅れだったが、乗り継ぎはスムーズで予定より1本前のJR始発に座ることが出来て、ほっとした。
 病院最寄駅でも横殴りの雪。帰路を思うと憂鬱になる。結局、病院に入ったのはいつもより40分ほど早いだけだった。
 それでもこの悪天候で早めの時間、月末ということもあり、採血を待っていたのは10人足らず。お手洗いを済ませて待合に戻ると、もう順番。以前にも当たったことのある臨床検査技師の若い男性。以前にかなり雑な扱いをされた覚えがあったのだが、今日は「雪の中、大変でしたね。」と労いのコメントがあったので、とりあえずリラックス。けれど、残念ながらやはり針刺、抜針とも痛みが強い。止血もいまいちなおざりで、1本だけだったのにちょっぴり嫌な気分。
 腫瘍内科受付後、最上階のメンタルヘルスセンターに行き(先生は毎日階段で昇られているそうだ。)、内科へ戻った時には早くも「中待合へどうぞ」のランプが点いていた。急いで血圧測定をすると、なんと珍しく126-80、脈拍95でびっくり。中待合に入ると、すぐに先生がお顔を出された。

 「さて、いかがでしたか。」と聞かれ、「おかげさまで、大丈夫でした。」と2週間の様子をお話した。
 ロングレインブーツと上から下まで完全防備のダルマ状の私の様子を見て、「テレビで見て、(私の住まいの近くの積雪が凄かったので)大変だろうなと思っていました。」との労いの言葉。「そうなのです。もう大変な雪でした。こんな格好ですみません。前回転んだので、今日は必死に歩いてきました。」と苦笑。そして、投与翌日の木曜日からいつものように気持ち悪さが出て、昼食時には+αでナウゼリンを飲んだこと。気分はハイで夜中3時間ほど眠れなかったこと。翌々日、金曜日は気持ち悪さと火照りが出たが、昼にやはり追加でナウゼリンを飲み、夜は眠れたこと。そして土曜日の朝はやはりなかなか起きられなかったが、朝昼夜とナウゼリンを飲んで午後あたりからは復活してきたこと。日曜日には怠さはあったが、外出したりという無理はせず、普通に過ごせたこと。月曜日には怠さが残ったが、普通に働け、頭痛のため早寝をしたこと。火曜日には朝、頭痛がとれずロキソニンを飲んだが、翌水曜日からはごくごく普通に1週間が過ごせたこと。その後、何日か頭痛がありロキソニンのお世話になったこと。気になるのは、1クールの2回目が終わると毎回目や鼻の爛れが悪化することだが、ステロイドの軟膏を塗れば皮膚科受診までには至らないのではないかと思っている、とご報告。診察室での検温は6度5分。

 先生がおっしゃるには「休薬週にそうした症状が強く出るのは、ナベルビン投与週に入れているステロイドがないからではないか。治療週はステロイドが入るので、花粉症ではない何らかのアレルギー症状が抑えられているのではないか。、ナベルビンが原因で1,2週目より3週目がきつくなる、ということも考えられるが、そうであると普通はだんだん反応がきつくなる。そういうわけでもなさそうなので、ステロイドのせいではないか、とのことだった。腑に落ちる説明だった。

 吐き気については、前回の話から、頭の中のイメージも手伝っての予測性嘔吐も考えられと思っており、前回のデカドロンでうまくコントロール出来ないようなら、今回は短期間に安定剤を試そうと思っていたが、そういうファクターは少ない感じで、あくまで本来の吐き気のようなので、今回もイメンド、デカドロン、ナウゼリンで行きましょう、ということになった。ステロイドの量については、今後うまくいけば減らしていく方向で、とのこと。
 採血の結果、白血球は1年以上ぶりになんと4000台になった。ここのところ2000台が普通で、多くても3000くらいだったのに4600もあり驚いた。他の数値は特に気になる所はない、とのことでほっとした。そこで「(免疫力アップがテレビで話題の)赤いヨーグルト飲んでいますが、そのせいですかね。」と言ってみると、「続けていて良いようなら他の患者さんにも言うので、様子を教えてください」とのこと。
 その時、先生がおっしゃったことには、今日は白血球だけの検査だったので、結果がいつもよりずっと早く出て、もっと早い時間に「中待合にどうぞ」のランプが点いていたそうだ。が、私が入ってこないので「珍しく行方不明でしたね。」と。「ご報告が後になってすみません。実は先日聴講した講習会の講師が山本先生で、先ほど、先生にメンタルヘルスセンターをご案内して頂いて・・・」と平謝り。クラークの方に「30分ほど行ってきます。」と声をかけて出なかったのを後悔した。先生は私の白血球がいつになく高いので、発熱でもして(どこかで休んで)いるのではないか、と心配してくださったそうだ。申し訳ないことをした。

 心療内科では心理士さんが緩和ケアチームのメンバーにもなっており、がん患者さんの話をとても良く聞いてくださるとのこと。仕事で聴いている、というのではなく、本当にいい人なんだと思います、とおっしゃっていた(が、それを言うなら私から見れば、先生も化学療法室の看護師さんたちも、皆、本当にいい人なのだ、と思う(口には出さなかったが・・・)。)

 化学療法室へ移動。プチ虹のサロンのSさんから雪道での通院お疲れ様メールが入っていたのに気づき、御礼のメールを打っていると、10分ほどで窓側の点滴椅子に案内される。窓の外は一面雪景色。止む気配は全くない。
 今日も針刺はベッドに移動せず、その場で看護師Oさんが。最初の圧痛だけで殆ど痛みがない。さすがだ。診察室での私の明るい声が化学療法室まで漏れ聞こえたそうで、今回は良かったようですね、と言われお引止めして話し込んでしまった。
 15分ほどで薬が届き、ハーセプチン開始前にイメンド125mgをOさんの目の前で飲む。点滴開始。今日はハーセプチン、グラニセトロン+デキサート、ナベルビン、生理食塩水の4本。途中少し眠くなったが、爆睡することもなく読書続行。2時間半弱で無事終了。終了時の血圧はいつもどおりの92-64。抜針もOさんがしてくださった。衝撃がなく本当に有難く、思わず御礼を言ってしまう。
 結局、今日は1冊半しか読めなかったが、このご報告もまた後日。

 会計に移動。30分も待たずに終了して、薬局へ向かう。雪は少し小降りになっているが相変わらず降り続いていた。足元が悪いことこの上ない。シャーベット状になっており、足をとられる。
 いつも大混雑の薬局では、珍しく私を入れて数人しか待っていなかった。おかげで15分ほどで受領。「今日は空いていますね。」と言うと、「病院はいかがでしたか。病院からここまで歩くのが結構大変なので、皆さん、今日は直帰のようですね。こちらは一日こんな感じでした。」とのこと。確かに病院から一番近い薬局だが、橋は渡るし、アップダウンも多少あるので、雪道になると俄然高齢者には厳しいことになる。そんなわけで今日の病院と薬局合わせた滞在時間は5時間強。

 ランチタイムに無事、間に合った。暖かいお茶をたっぷり取って人心地着いた。
 レストランを出ると、雪が霙に変わっていたが傘を差しつつこわごわ歩くので、いつもよりも移動に時間がかかる。帰路はJRも遅れていたし、私鉄も人身事故の影響ですっかりダイヤが乱れていた。そして、最寄駅に降りるとやはり雪の量が半端ではなかった。

 夫はこの天気なのに今日も今日とて宴会で、息子は学校帰りに耳鼻科によって花粉症の薬を受け取ってくることになっていたので、またもスーパーのお弁当に頼ってしまう。軟弱だが、無理はしないで心穏やかに、をモットーに。
 そして迷わずタクシー乗り場に向かったのだが、当然ながら長蛇の列。無線で呼んでみたが、何時になるかわからない、と言われ、少し並んでみたが全く現れないので諦めて、歩き出した。ぱらぱらと降る中、傘も差さずに両側に荷物。15センチは積もっていただろうか。住まいの団地内は雪かきをしてくれていたが、それ以外の歩道は人が歩いた後はあってもしっかりシャーベット状の雪が積もり、怖かった。無事帰宅した時には、すっかり憔悴してしまった。

 明日の朝のアイスバーンを思うと今から憂鬱だ。

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