ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2017.1.30 27年経っても妻に恋してる!~恋妻家宮本~

2017-01-30 22:43:10 | 映画
 以前読んだ重松清さんの「ファミレス」が「恋妻家(こいさいか)宮本」として映画化されたので、夫を誘って観てきた。
 まあ、私の贔屓の俳優である阿部ちゃんが主演だから、夫に断られたとしても一人でも絶対観に行くつもりではいたけれど。

 珍しく黙って付き合ってくれて、ここはツボか、と思う場面ではそのとおりに素直にぼろ泣きしていた。大丈夫?と何度か顔を覗き込んだほど。かたや私はコミカルなシーンで実によく笑って、免疫力アップになった。

 大学時代にファミレスの合コンをきっかけに付き合い始め、授かり婚。新郎は大学院進学を諦め教職に就き、新婦は目指していた教職を諦め専業主婦に。結婚生活27年を経て、一人息子の自立を機に50歳にして初めて2人の生活が始まった宮本夫妻が主人公だ。

 我が家も先日結婚27年を迎えたところ。とはいえ、息子を授かるまでに6年近くかかったし、大学進学を機に3年前に家を出たので、3人で暮らしたのは息子が高校を卒業するまでの18年、それ以外の9年は夫と2人暮らしだから、ちょっと状況は違うのだけれど。

 阿部ちゃんは、ファミレスのメニューも決められない優柔不断な中学教師・宮本陽平を実に愛すべきキャラクターとして演じているし、こんなに綺麗で背筋のシャンとした50歳の専業主婦はそうはいないだろうな、という天海祐希さんも顔にパックしたままの姿で登場したり、うたた寝しながらお尻を掻いたり・・・えっ、そんなことまでしていいんですか、と思うほど体当たりの演技だった。

 原作は結構アレンジされてぎゅっと濃縮されていたけれど、複雑な家庭の事情を抱える教え子のドン君の思春期男子の演技も、しっかり者のクラスメイト・メイミーちゃんも良かったし、この作品のテーマである「正しさより、優しさ」に気づかされるおばあちゃん役の富司純子さんの、最初に出てくる般若のような顔(脚本にはそう書かれていたそうだ)というのもなかなか凄かったし、若い男と不倫の末に事故にあって入院中のドン君のお母さんは、一言もセリフがない中、その存在感は大したものだった。

 他にも、宮本が通うお料理教室の仲間の2人の女性たちがこれまた魅力的。いってみれば脇を固める人たちもまた皆が愛すべき人たち。エンディングでは、人は悩みながら色々な選択を重ねて生きてきて、これからも人は悩み、色々な選択をしながら生きていく、という吉田拓郎さんの「今日までそして明日から」の唄に載せられたメッセージ。観終わってとても暖かく幸せな気分になった。

 別に阿部ちゃんファンだから甘い採点というのではなく、50歳以上の歳を重ねたご夫婦に限らず、どなたもご覧になって損はないと思うのだが、どうだろう。

 今日は息子の21歳の誕生日。結婚27年を過ぎた我が家で、夫から、27年経っても妻に恋をしている、と言ってもらえてニヤニヤしている私からのお勧めである(蛇足)。
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