ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2014.5.4 連休2日目は春の非公開文化財めぐり

2014-05-04 19:14:27 | 
 またしても目覚ましをかけた時間の小一時間前に目覚めてしまう。今日も絶好の行楽日和のいいお天気。紫外線が強そうだ。タイケルブ副作用の湿疹は紫外線で酷くなるそうなので、しっかり日傘と長袖、手袋でガードすることに。
 恒例の浴槽足湯をして、爪囲炎のケアをしてから朝食ビュッフェのレストランへ。それにしても、外国からのお客様の多いこと。しっかり腹ごしらえをしてから、定期観光バス乗り場の駅前まで地下鉄で急ぐ。今回宿泊しているホテルは、地下鉄まで徒歩2分の便利な場所だ。何といってもバスやタクシーより時間が確実で、ハラハラしないのが良い。

 今日は“春の非公開文化財めぐりコース”定期観光バスに乗車した。大型バス満席、48名様御一行だ。
 まずは全国3万に及ぶ稲荷神社の総本宮、朱塗りの千本鳥居で知られる古社・伏見稲荷大社へ向かう。3年近く前のクリスマス休暇、私がホテルでのびている間、息子と夫が2人で電車に乗って訪れた場所だ。その時は、もう日も暮れて人っ子一人いない中、ライトアップされた赤い鳥居が延々と続き、幻想的を通り越してかなり怖い感じだった、と写真を見せてもらったのを思い出す。今日は青空のもと、凄い人出で、全く違う印象だという。
 稲荷本殿参拝後、今回特別公開されている重要文化財のお茶屋と史跡・荷田春満旧宅を見学。お茶屋は書院造に数寄屋造りの意匠を取り入れた数少ない貴重な遺構だという。春満旧宅は式台付きの玄関を備えた書院式の建物。それぞれ説明を伺い、緑の美しいお庭も散策しながら、しばし当時にタイムスリップの気分である。
 そして、千本鳥居(実際は約1万基あるという。)に圧倒されながら奥社参拝所まで10分ほど石段を上がっていく。“おもかる石”は長蛇の列で、集合時間に間に合いそうにないためトライできず。狐の形をした木板にそれぞれが顔を書き込んだ沢山の絵馬が微笑ましい。
 こうした沢山歩くツアーは、足が痛い状態ではとても参加できなかったな、と爪囲炎が軽快してくれたことを有難く思う。

 2番目に訪れたのは浄土宗総本山の国宝・知恩院三門。今回、二層内部が特別公開されている。高さ24m、横幅50mの大きさにはいつもながら圧倒される。ロッククライミングよろしく、ロープにつかまりながら急な階段を上った先に開けたのは、新緑の美しい古都の街の見事な景色だ。建物・風景ともに写真撮影禁止というのがちょっぴり悔しい。そして、初めて足を踏み入れた荘厳な内部の様子に目を見張る。十六羅漢に囲まれたご本尊と左右に控える童子、建立予算オーバーの責任を取って自害したという五味ご夫妻の像を拝み、天井や梁の麒麟や龍の絵、当時の人たちが墨で書いた落書(これらも含めて2002年に国宝に指定されたという。昔の人も落書きしたのね、とちょっと笑ってしまう。)を鑑賞する。
 さて、行きは良い良い帰りは恐いという感じで、カニさんのごとく急な階段を一歩一歩慎重に降りていく。ここでコケでもしたら、もう前を行く人たちも一蓮托生。あの世行きの大変なことになってしまいそうだから、必死である。それにしても、かなりご年配の方たちも昇り降りされている姿に目を見張る。私なんぞの若輩者が音を上げていたら恥ずかしいものだが、まあ闘病中の身であるわけだし・・・。

 お待ちかねの昼食は山門前に位置するレストランで、京懐石料理を頂く。目にも美しい季節感溢れる京料理に舌鼓である。すっかり目も舌も満たされた後、帰途、再び三門の「華頂山」の大看板を仰ぎ、あそこまで上がったのね~と自分でもびっくりしながら、バスに戻る。
 
 3番目の下車地は、息子が住む辺りにほど近い妙蓮寺。ここでは、重要文化財である長谷川等伯一派の襖絵が特別公開中である。黄色の旗を掲げるガイドさんに付いて歩く私たちを見て、まだ小学校低学年と思われるおしゃまな地元の女の子が「今、長谷川等伯の絵が特別公開中なんだよ~」とお友達とお喋りしているのに、大人たちは皆「ほお(古都に住んでいる子はなんと物知りなのだ)!」と耳を奪われているのが愉しい。
 このお寺は日像聖人により創建され、幾度かの移転を繰り返し、秀吉の聚楽第造営に際して現在地に落ち着いたという。長谷川等伯一派による松や桜、鋒杉等の襖絵、長谷川宗宅筆の吉野桜図屏風や十六羅漢のお庭を鑑賞して、日本美術史をおさらいした気分になる。

 最後は俵屋吉富という和菓子屋さん隣接の京菓子資料館へ。ここでは、菓子職人さん達の技術を結集した見事な糖芸菓子や和菓子の歩み等を興味深く見学した後、お抹茶と出来立ての京菓子で一服。季節の“ツツジきんとん”は色も鮮やかで可愛らしく、甘みも柔らか。とても幸せな気分になる。このお店で一番有名な「雲龍」を買い求め、本日のスケジュールはコンプリート。

 連休中日で渋滞に巻き込まれるのでは・・・と危惧していたが、結果的に僅か30分遅れで無事に駅に到着して解散。まだまだ日は高い。
 一旦ホテルに戻って休息。夫は風邪っぽいからと言ってお夕寝中。私はこうして一人ブログを綴っている。

 息子は無事、集合時間に元町に到着したとの連絡があった。明朝は、私たちが宿泊しているホテルに自転車でやってきて、朝食を一緒に摂った後、ともに行動してくれるようである。
 
コメント (4)
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