いか@ 筑豊境 寓 『看猫録』

Across a Death Valley with my own Distilled Resentment

萌えはeruptらしい、と知る。

2012年02月05日 19時37分05秒 | その他


 -JR、日暮里駅にて

先週は、「『はやぶさ』マニア」の方々に御笑覧いただいたらしいので、今さらながら、感謝の気持ちで、御奉仕を。

もっとも、もう来る「『はやぶさ』マニア」がいるかは知りませんが。

■週末、のんべんだらりんと本を読んでいたら、知った。 ニーチェやハイデガーが、萌え、萌え、だって。

ハイデガーの『ニーチェ』に"萌え出ずる"という言葉があって、一方は、『古事記』にも"萌え騰がる"とあるらしい。木田元、『ハイデガー『存在と時間』の構築』に書いてあった;

 一九三〇年代半ばになってからの『ニーチェ』講義においてではあるが、ハイデガーはこのについてこう言っている。

 フュシスとはギリシア人にとって存在者そのものと存在者の全体とを名指す最初の本質的な名称である。ギリシア人にとって存在者とは、おのずから無為にして萌えあがり現れて出てき、またおのれへと還帰し消え去っていくもの、そのように現れ出てきてはまたおのれへと還帰していきながら場を占めているものなのである。(『ニーチェ』I、117ページ)

 これは別に特異な考え方ではない。『古事記』の古層に見られるような古代の日本人の考え方に近いところがある。われわれの祖先にとっても、万物は「葦牙の萌え騰がるが如く成る」ものであり、その生成の原理がと呼ばれていた。

この両者の「萌え」を見て、ビンゴ!っていうのは短絡と気付く。そもそも、ハイデガーの『ニーチェ』の萌えあがり現れて出てきの原語と古事記の「萌え騰がるが如く成る」が果たして本当に同じ意味なのか考えなければいけない。

萌えの原語なんて考えたこともなかった。手元に原語がないのでわからない。ただし、どうやら、萌えは英語のeruptの訳語らしい。端的に言って、噴出。普通に用いられるのは、火山の噴出。こんなの⇒google images。さらには、「萌出」という学術用語があって、英語ではeruption。歯学での用語らしく、生えてくる歯のことらしい。ドイツ語でどう書かれているのかは、わからない。

日本語の萌えは植物の芽が出ることを指し示しているように思える。萌える⇒bud; sprout(yahoo 辞書)。果たして、ドイツ語はどうなんだろう。

なお、木田元センセは、哲人の言葉の使い方とその言葉の起源について執念を燃やし研究していたはずだ。そんな、木田元センセの「古層」、上記の『古事記』の古層に見られるようなは、いささか不用意だろう。誰かしか使わない"特異"な用語だ。なぜそんな言葉を使ったんだろう、木田元センセ。この理由の邪推は、いつか。

▼ 「萌え ハイデガー」でググると、萌える哲学小説「僕とツンデレとハイデガー」発売(Jcastニュース)。

Amazonの広告では、大日本帝国陸海軍の無条件降伏で帰属先が"解散"、16歳で江田島の海軍兵学校を追い出された、つまりは「人災によって日常が断ち切られた」経験をもつ木田元さんが、コメント;

天災や人災によって日常性を断ち切られると、
人は哲学をもとめる。
この本も、そうした要求にこたえる一つの試みだろう
哲学者 木田 元 

僕とツンデレとハイデガー(Amazon)

●まとめ; ハイデガーは萌えているか!?


毎週、ぶどうの木の画像を撮っています; 42週目

2012年02月04日 07時33分48秒 | 草花野菜

↑今朝の梅のつぼみ、 ↓「蒸着」したH2Oの結晶

窓のH2Oの結晶。これは、空気中の水蒸気が"基板"であるガラス窓の上で晶出したので、CVD(=chemical vapor deposition)にほかならないと気付く。
(参考愚記事; 水蒸気は見えない。)

天然のCVD!

まさに蒸の反対語としての、蒸である。 発⇔着。

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Johnny から 太郎へ、あるいは、コダック から ソニー、NECへ

2012年02月01日 20時04分43秒 | 日本事情

国境は超えても、盛者必衰 (丸の内サディスティック、椎名林檎)―

YouTubeめぐりをしていたら、懐かしい曲を発見。1980年代MTVが普通のテレビ番組ではじまった頃、みた。

当時がきんちょだったので、この曲の「本歌」、つまり、Why johnny can't read? (Amazon)にも思いもおよばず、ただただ視聴していた。おいらが15,6の頃、米国の若者の読み書き能力が問題になっているとは知らなかったのだ。でも数年後(後註あり)、わかった。政治的舌禍事件が起きたからだ。すなわち自民党の幹事長の職も担った櫻内 義雄議員が、「問題の根本は米国の労働者の質が劣悪なことにある。米国の労働者は働かなさ過ぎる。働かないで高い給料を欲しがる。三割くらいは文字も読めない。幹部が指令を出しても文書で渡せない。」(wiki)といったのだ。こういう米国事情の中での、Don Henley - Johnny can't read - 1982とすこしたってわかった。 後註:wikiではこの櫻内舌禍発言が1992年とされている。おいらの印象では1980年代中半のような記憶。おいらの思い違いなんだろうか?

でも、このYouTubeのに2008年に気付くべきだった。我がぬっぽんの太郎ちゃんが漢字読めない頃に。

Johnnyはただのにいちゃんの象徴だけど、麻生太郎ちゃんは、prime ministerなのだ。すごいぞ、ぬっぽん!

    
 Leader                Follower (対米従属で非識字;日米「同盟」マンセー!)@タロウちゃんは、デリーでも笑っていた。

それにしても、このご時世、経済成長著しい支那や世界を制覇するサムソンの朝鮮から「問題の根本はぬっぽんの労働者の質が劣悪なことにある。ぬっぽんの労働者は働かなさ過ぎる。働かないで高い給料を欲しがる。三割くらいはゆとりだ。幹部が指令を出しても自分探しで忙しい」とか聞こえないなぁ。

■コダック倒産。

米イーストマン・コダックは2012年1月19日、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用をニューヨークの連邦地裁に申請した。google

コダックって、デジカメを手掛けていたばかりでなく、有機ELを始めたのもコダックだったと知る。

そもそもの中産階級の象徴的文物を提供してきたコダックは愚記事@パパは何でも知っているでどうそ。

「技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか?」の嚆矢は、米国・コダックなのだ。とことん、オリジナリティのない国だな、ぬっぽん。

そして、みんなが米国・コダックに見習っているらしい。

   

 Sony; 週刊ダイヤモンド       NEC; NEC大規模リストラに社員悲鳴 「安泰だと思ってたのに!」

●でも、すんぱいすんな、NEC残留従業員諸君。

無駄な公共事業で生きていく道もあるさ。

なお、ジョブスにれすぺくとされているとして、今のぬっぽん若者にも知られている盛田昭夫は、かつて、石原慎太郎と『「NO」と言える日本』を刊行した。1989年だ。アメリカでは日本での発売直後からアメリカ議会内で英語訳が付されたコピー紙が秘かに回覧されたと言われており、多くの非公認の翻訳書が作られて広まった。wiki)とされる本。のち、米国における反日世論が高まったの受けて、盛田昭夫は、「国家主義者である石原慎太郎と本を刊行したのは間違えだった」と自己批判したはず(おいらの記憶)。へたれじゃん。

すなわち、刊行直後米国に行くと「あなたは、米国労働者はなまけものと考えているのか?」と空港で取材人に取り囲まれていたらしい。

とにかく、1980年代というのは、日本の産業力が伸張し、米国をして日本を脅威と認識せしむる状況だったのだ。1980年代の日米貿易摩擦の時なぞ、開戦前夜!とかいわれてたもんね。昔の話さ。

それに比べると、今の日本の外交環境は相当弛緩してやっていける「平和」な状況だ。これは、ぬっぽんが愚者になったから、世界の列強がくれた小春日和なんなだろう。ありがとう、現行ぬっぽんの愚劣さ!